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『クリニック経営の成功法則』の「はじめに~第1章」全文無料公開

2018年11月1日に発売した「失敗を経て来院者数300%アップさせた院長が教える クリニック経営の成功法則」の増刷を記念して、「はじめに~第1章」までの全文を無料公開いたします。

この書籍は、第1章から、

といった「クリニック経営のリアルな失敗パターン」が書かれています。

クリニックの開業を考えているドクターにとって役に立つのはもちろんのこと、

に悩む「すべてのビジネスパーソン」にも即座に使える実践的なノウハウが満載です。

実際に、Amazonのレビューを見ていくと、読者それぞれの『経営の悩み』に即したノウハウに関する満足度の高い声が寄せられています。

※レビューは「失敗を経て来院者数300%アップさせた院長が教える クリニック経営の成功法則」より引用

それでは、ご覧ください。

はじめに

本書を手に取っていただき、ありがとうございます。

私は有明こどもクリニックの理事長・有明院院長を務めております、小暮裕之と申します。

2003年、獨協医科大学卒業後、総合病院、国立成育医療センターなどでの勤務を経て、医師になって8年目に独立開業しました。

2010年、江東区にて『有明こどもクリニック 有明院』を開業。保育園の園医や小学校の校医も務めながらクリニック運営を行い、2016年に同じく江東区で豊洲院を、2018年に中央区で勝どき院を開業しました。現在、3院を合わせた来院者数は年間10万名。開業初年度と比較すると、300%アップとなりました。また新たに、港区・田町駅前の新ビルでの開業も予定しています。

当院の理念は「笑顔で安心して出産や子育てができる社会を創る」です。

女性活躍推進や働き方改革が叫ばれていますが、「育児と仕事の両立が大変」という切実な声が多く聞こえてきます。少子化問題の根源がここにあると感じている当院では、湾岸地域の「かかりつけ医」としての役割を担うことで、働くパパ・ママが安心・便利に出産や子育てができる地域づくりを目指しています。

現在、グループ全体で常勤5名を中心に20名以上の小児科専門医が在籍。看護師、医療事務、管理部門スタッフを含めると総勢70名の規模となっています。開業当初、私と事務員2名だけでスタートしたことを思うと、当時は予想できなかった成長を遂げることができました。

しかしながら、最初から順風満帆だったわけではありません。最初の数年は組織がうまく機能せず、スタッフの大量退職という憂き目をみた時期もありました。

しかし、2年ほど前に体制を立て直し、そこから順調に回り始めたのです。今、3院を運営しており「さぞかし忙しいだろう」と思われるかもしれませんが、実は私はそれほど負担を感じていません。安心して任せられるスタッフが揃っているからです。おかげで私は、現場仕事に追い立てられることもなく、新たな取り組みや将来に向けての事業展開をじっくり考えることができているのです。クリニック経営に関する講演の依頼も増えており、そこから新たな出会いも生まれ、世界が広がっています。

組織がうまく回り始める転機となったのは、私自身が「経営」の知識を得ることの大切さを認識し、学び始めたことです。

医師は専門性が高い、いわば「職人」気質の職業です。しかし、自身の強みやこだわりを重視し、マイペースで診療していたのでは、クリニック経営は立ち行かなくなります。ひと昔前はそれでも通用しましたが、今はそんな時代ではありません。医師といえど「専門職人」ではなく、「経営者」にならなければならないのです。

経営者として学ぶべきことは多岐にわたります。患者さんのニーズをつかむためのマーケティング、ニーズに応えるためのメニュー・サービス開発、運営を支える人材の採用・育成、各専門スタッフが円滑に機能するための組織マネジメント――。どれが欠けてもクリニック経営はうまくいきません。開業当初はうまくいったとしても、いずれ衰退していってしまいます。

そこで本書では、私が一般的な「経営」の理論や手法を学び、それをクリニック運営に導入してきた経験をふまえ、成功につながったノウハウをお伝えします。

まず第1章では、クリニックを開業したものの失敗するパターンをご紹介した上で、開業を成功させるために押さえておくべきポイント、心構えをお伝えします。

第2章では「マーケティング」を主題とし、開業を決意したら最初に考えるべきこと、マーケットのリサーチ方法、開業予定地域のニーズに合わせた診療メニューやサービス設計の仕方、宣伝・プロモーションの仕方などを記しました。いずれもすぐに真似できる実践的な内容ですので、参考にしていただければ幸いです。

第3章のテーマは、「組織づくり」です。ここは私が開業当初に失敗したポイントですので、経験談を交えながら、人材採用・育成・組織マネジメントの成功の秘訣をお伝えします。ここを押さえておけば、院長となっても「診察と運営に忙殺され、疲弊してしまう」という事態を防ぐことができます。つまり、スタッフ一人ひとりが自ら考え、判断し、適切な行動ができるような組織を築けるのです。

そして、実際に当院で働くスタッフがどんな考えを持って、どんな姿勢で取り組んでいるのかにフォーカスしたのが第4章です。医療事務、看護師、管理部門責任者、院長などへのインタビューを掲載しています。

第5章では、経営を具体的に学ぶ方法として、私がお勧めする著書やセミナー、そして学んだことをどうクリニックに活かしていくかを記しています。

第6章では、私自身のこれまでの歩み、そして今後のビジョンをお伝えします。当院で設けている、医師にクリニックを「譲渡」する制度についても紹介しています。また、「開業」「経営」の志向を持って当院に転職してきて、現在分院長を務めている医師の声もぜひ参考にしてください。

本書が、「開業すべきかどうか」「開業してうまくいくのか」に悩む医師の皆さんの道標となり、成功の一助となることを願っています。

2018年10月
有明こどもクリニック
理事長 有明院長 小暮裕之

クリニックが失敗する3つのパターン

多くの医師は「職人」として開業する

これまで、開業する医師は、自分が学んできたものを多くの人に届けたい、技術を用いて人を助けたいといった「職人」的な思いを持つ人がほとんどでした。実際、開業したいという人に理由を聞くと、「自分の知識や技術を、より多くの人のために役立てたい」という答えが返ってきます。

一般的に、独立起業する人の内訳としては、いわゆる「職人」が70%、「手に職はないものの経営の知識はある」という人が10%、残りは「マネージャー気質の人」「人をまとめるのが得意な人」だと言われています。

しかし、こと医療の世界に限っては「職人」が99%を占めている印象です。私自身も、最初はそうした「職人」に近い思いで開業を決めた一人でした。

患者さんの数に対してクリニックの数が少ない時代は、職人として開業しても自然と患者さんが集まり、労せずしてスタッフも集めることができていました。

ところが、人口ピラミッドの形が崩れ、就業人口が減っている今は、「医師としての手腕が優れているから、患者さんが来てくれる」「知識や経験を分け与えられるから、スタッフが集まる」という時代ではなくなってきているのです。そのことを認識しないままに開業し、失敗している例が非常に多く見受けられます。

まずは、クリニックを開業したものの失敗するパターンを見てみましょう。

<失敗パターン1>開院したが、患者さんが集まらない

開業当初からつまずくパターンとして「患者さんが来ない」というものがあります。

これは、開業したことを地域の人々に気付いてもらえていないということ。要は、宣伝やPRがまったく足りていないのです。開院してしばらく経ったクリニックを見て、「あそこにクリニックができていたなんて、全然知らなかった」「いつできたんだろう」と近所の人が話をしている光景は、決して珍しくありません。

開業しても、認知してもらえなければ存在しないのと同じです。患者さんを集められない状況が長引いた結果、閉院してしまったり、あるいはオーナーである理事長と雇われていた院長先生の関係が悪化したり、働いているスタッフのモチベーションが下がって人が去って行ったり……という例を何度も目にしてきました。

こうした失敗例のクリニックに「認知されるための努力をどれくらいしているか」を聞くと、たいていそんなに手数を打っていません。ホームページを作る、電柱に看板を設置する。その程度です。広告を出しても、新聞の折り込みやポスティングくらいでしょう。それだけでは、他のクリニックがやっていることと同じで、無数の同じような看板、広告の中に埋もれてしまうだけです。自宅から駅までの道のりにある電柱の看板の中で、いくつ印象に残っているものがあるでしょうか。もらったチラシの中で、何枚、手元に置いて後で見返したものがあるでしょうか。

ホームページにしても、ただ作っただけでは意味がありません。インターネットでクリニックを検索する人の多くは、一般的に診療科の名前と地域名を入れて検索し、検索結果の1ページ目に出てきたクリニックから行き先を決めます。自分のクリニックが上位に表示されるには、検索にヒットしやすくなる「SEO」対策を打たなければなりません。「作ってさえおけばいいだろう」と、ただインターネット上に置いておいて、結局2ページ目か3ページ目あたりにしか表示されず、誰にも見つけてもらえないということが頻繁に起きているのです。

また、たまたま近隣エリアに競合クリニックがなく、ホームページを開いてもらえたとしても、見づらかったり、安心できる内容ではなかったりすると、来院には至らないでしょう。ホームページの中身も充実させなければならないということです。

もうひとつ、集客できない原因として挙げられるのが、ターゲットが絞れていないケースです。
あれもこれもと特色を打ち出して対象を広げすぎると、誰に向けたメッセージなのかがよくわからなくなってしまいます。医師の専門分野を羅列してあっても、それのどこが他より優れているのか、患者さんにはわかりません。

<失敗パターン2>患者さんがリピート来院しない

せっかくクリニックを選んで来てくれた患者さんがいても、リピートしてくれなければ、地域に根付いたクリニックになることはできません。

リピート来院が少ないクリニックにありがちなのは、患者さんが通いにくい曜日や時間だったり、予約システムも患者さんのニーズとは少し違って使いにくいものだったりするケースです。院長が職人としての技術や知識に酔ってしまって、「自分のための開業」になっているクリニックと言い換えてもいいでしょう。世の中のあらゆることのスピードがどんどんアップしていて、みんな時間がない現代において、「院長先生の都合に合わせてください」という経営の仕方は成り立ちません。

また、院長の「自己満足」が仇となっているケースも見られます。私の知っている範囲でも、雇われて就任した院長が患者さんに「私の言うことを聞かないのか」「なぜ私の言った通りにしないのか」と怒るようなやり方をしていて、患者さんに敬遠され、開業から間もなく閉院してしまった例がありました。
いくら「私は医師だ、院長だ」と主張しても、患者さん自身が理解・納得できなければ、いくら指示を出してもその通りに行動してくれるはずがありません。何事も自分ごとに置き換えて、「なぜ聞いてくれないのか」「どうすれば指示通りにしてくれるのか」ということを患者さんの立場で考え、その上で自分の行動を変えていかなくてはならないのです。

これはスタッフに対しても同じです。「私の言うことを黙って聞いておけばいい」という主義を貫き、スタッフの教育に時間を割かない医師のもとでは、自主性が培われず、意識の低いスタッフしか残りません。結果として、患者応対がぞんざいになったり疎かになったりして、リピート客を遠ざけてしまうことになります。

職人気質のドクターだと、「自分はこんなに頑張ったのに、相手がそれを受け入れなかった」「相手が動かないのは自分のせいではない」というような考え方をする人が少なくありません。常に「他責」(=自分以外の人や状況に責任があるとすること)で、相手に寄り添うことができない人からは、スタッフも患者さんも離れていってしまうでしょう

<失敗パターン3>患者さんは集まるが、忙しすぎて立ち行かなくなる

開業して最初のうちはどんどん患者さんが来て、忙しくて仕方ないという状態になるかもしれません。

患者さんが多く来てくれればうれしい。うれしいから、もっと期待に応えたいという一心で、どんどん働く時間を増やしていくケースもよく見られます。1日10時間以上働こうとか、12時間働こうとか、スーパーマンみたいな存在をめざして働き続ける医師をこれまで何人も見てきました。さらには、仕入れや受付まで自身でやり出したり、給与計算にも手を出したりし始めることもあります。私自身も、開業した間もない頃は自分でシフトを組み、月末になれば給与計算をして、暇があれば待ち時間を減らすために受付のことを考えていた時代があり、「先生は何でもやりすぎですね」とスタッフに言われていました。

しかし、一人の医師が個人として生み出せる価値には限界があります。ところが、優れた職人であればあるほど、「自分ならもっとできる」「もっともっとできる」と考えて、限界に気づかずに仕事の時間を増やしてしまいます。

私自身が上限を超えていたときは、年間3万人くらいの患者さんを一人で診察し、一人の患者さんにつき2分くらいしか時間をとれない状況に陥って、次第に「たくさんの患者さんを救うことが楽しい」という純粋な気持ちを失っていきました。仕事が「作業」になってしまって、本来やろうと思っていた「自分の理想の医療を届ける」という本質からも遠ざかってしまったのです。

なお、こうした状態に陥ったとき、決断の方向性としては二通りあります。

一つは、来院数や予約数を制限し、事業を縮小する。もう一つは、「もうちょっと」と歯を食いしばってペースを守ろうとする。後者の場合、一時的に事業縮小は免れるかもしれませんが、次第に体調や精神のバランスが崩れ、結局は事業の継続が難しくなってしまいます。

このように医学の知識と技術だけで開業すると、最初はよくてもいずれ行き詰まるときがくるのです。

開業を成功させるポイント

ここまで、クリニック開業にありがちな失敗パターンをご紹介しました。こうした失敗を防ぐには、どんなポイントを押さえておけばいいのでしょうか。まずは大まかに留意すべきことをお伝えします。

●「差別化」を図る

「こんなに立派な研究をし、こんな論文を書いた」「今まで、これだけの実績を残し、こういった肩書を手に入れてきた」――こうした「職人」としての歴史や医師としての技量は誇らしいものでしょう。しかし、それを売りにしたクリニックは山のようにあり、同じようなことを打ち出しても患者さんにとっては差別化になりません。専門家から見れば明らかに優劣に差があっても、患者さんには伝わらないのです。

横浜の中華街にある、中国料理のお店を想像してみてください。何百も同じようなお店がある中で、1つを選ぶのは難しいのではないでしょうか。

人は、食事をするお店を決めるとき、味やアクセス以外に、「居心地がいい」「楽しい」といったさまざまな要素を加味して選別しています。お気に入りだからといって毎回同じお店に行くわけではなく、「今日はちょっと落ち着いてランチを食べたいからこの店に行こう」とか、「手軽に済ませたいからファストフードに行こう」といったように、用途や気分に応じて使い分けているわけです。新規で中華街にお店を出すなら、お客さんのどのようなニーズに応える店にするのか、という点を明確にし、誰にでもわかるように特色を打ち出す必要があります。

クリニックも同じように、ただ「職人として多くの人を治すことができる」というだけでは決め手に欠け、多くのクリニックの中に埋没してしまいます。一度は来院してくれたとしても、「一応治してもらえるけど、いつも混んでいて待ち時間が長いから別の病院へ行こう」という話になってしまうでしょう。当院のスタッフも、こんな話をしていたことがあります。娘さんが通っていた皮膚科でいつも「また来週来てくださいね」と言われるのに、来週の予約が取れないことが多く、面倒になって別の皮膚科に変えた…と。

これは採用に関しても同じです。たくさんの医療機関の募集広告が出ている中で応募者の目に留まるには、ほかとは違う「何か」がなくてはなりません。職人としての知識や技術だけでなく、他の部分についても広い知見を持ち、クリニック独自の方向性を示す必要があるのです。

変化を好む理想主義者でいつも未来を見ている人なら「起業家」としての学びを深め、斬新なサービスモデルを生み出すことが差別化につながるでしょう。あるいは、現実が見えていて「管理」が得意な人であれば、「マネージャー」としてスタッフの統制や育成に力を入れ、自主的に動ける組織を作ることも一つの売りになるでしょう。

自分のタイプや方向性を自覚してミッションやビジョンを打ち出し、共感するスタッフや患者さんを集めていく、という考え方がとても重要です。

●「自分本位」ではなく「顧客本位」

開業した医師がやがて経営に行き詰まるようになる理由は、そもそも開業した起点にあるように思います。
 
「勤務医は時間が不規則だけど、開業すれば平日中心に働けて残業も少ない」
「開業医のほうが稼げそうだ」
「自分の好きな医療を追求できる」

――これらはいわば「自分本位」な動機です。これでも成功できるのは、極端な医師不足に悩む地域など、需要と供給のバランスが著しく崩れている場合に限られるのではないでしょうか。

歯科医師はすでに供給過多といわれていますが、今後、都心部においては一般の医師もその状態に近づいていくと考えられます。競争が激化したとき、他のクリニックとの差別化を図るには「患者さんに提供できる、オリジナリティのある価値」が必要ですが、「自分のため」に開業した医師は、そうした視点を持てていないように感じます。「水を飲みたいでしょう」とコップを差し出しても、その人の喉が渇いていなければ、その行為に意味はないのと同じことです。

開業するときは、最初に「喉が渇いている人はどこにいるのか」「その人たちに何を出したら喜ばれるのか」を考えることが大切です。「自分以外の他者のために何ができるか」を考えた上での開業であれば、ターゲットとコンセプト、提供できるサービスが明確で、競合がひしめく激戦区でも唯一無二の存在になることができるでしょう。

●チーム・組織を育成する

これまで、医師はひとりの「職人」といえる存在でした。

しかし、人口が減る一方で医師が増えていく時代に開業する医師は、職人であるだけでなく経営者であり、リーダーでもある必要があります。

クリニックの経営は、いかに技術がある医師でも一人で成り立つものではありません。多くの仲間と一緒にやっていくには、「どんな人に、どんな目的で、どんな価値を提供するのか」というミッションやバリューのもとに人を集めることが重要になってきます。これは、他の業界では当たり前のことなのですが、医療業界でそれを実践できている医師は少なく、どうしてもすべてを自分で采配してしまうボス型マネジメントになりがちです。

40代前半で、有名な病院の診療部長として実績を積んだ後に開業した医師と話をしたことがあります。彼は「自分がトップに立てばいい組織になるだろうし、一緒に働く仲間もたくさん集まるだろうと思っていたのに、結果は真逆だった」と話していました。集客が思うようにいかず、スタッフはどんどん離れていって、最終的には開業をサポートしたコンサルタントをスタッフが呼びつけて、院長への不満を吐き出したそうです。

これはトップダウン型の組織の弊害にほかなりません。院長は「やること」「やらなければいけないこと」だけをスタッフに伝え、スタッフの共感を得るために必要な「なぜやるのか」を伝えていなかったようです。そのため、院長としての求心力を高めることができなかったのです。

薬や治療に関することなど、医師がワンマンにならざるを得ないシーンは確かにありますが、こと経営においてはトップダウンであってはなりません。「院長の言う通りに動いてくれればいい」というボス型マネジメントでは、院長と同じ志を持って、患者さんのために尽くそうというマインドを持ったスタッフを採用することはできず、「指示待ち人間」しか育たないのです。

このような事態を防ぐには、開業にかける院長の思いを言語化して示し、共感してくれる人を採用することが大切です。同時に、相手をコントロールしようとするのではなく、自分自身が信頼に足る人間になることも重要でしょう。

全世界で読まれているベストセラー『7つの習慣』(スティーブン.R.コヴィー博士著)の第四の習慣「Win-Winを考える」では、人間関係における信頼関係の状態を銀行口座の残高に例えて「信頼残高」という言葉で表しています。

この信頼残高は、「相手を理解する」「小さなことを大切にする」「約束を守る」「期待を明確にする」「誠実さを示す」「信頼残高を引き出してしまったときは、誠意をもって謝る」といった行動によって貯えられていきます。

常に信頼残高がある状態を維持するためには、スタッフと自分がWin-Winの状態を保ちながら、医師は優れたリーダーシップを発揮し、チーム医療を率いるべきです。

「やるべきこと」「やる必要のないこと」を切り分ける

能力の高い医師は、診療以外の作業も、たいていのことは自分一人でできてしまいます。「人に任せるより、自分でやった方が早い」と思っている医師も多いでしょう。医師でなくてもできる仕事を医師がやっている、という状態は、どのクリニックでも往々にしてあるものではないでしょうか。

特に、大きな病院などでボス型のマネジメントに慣れた医師は、クリニックでも「忙しくなっても自分が頑張れば済む」という考え方に陥りがちです。しかし、多忙な中で業務範囲が広がれば、どれほど優秀な人材といえども業務の質は落ちてしまいます。医師は、いかに業務を手放すかを考えなくてはなりません。

「必ずしも医師がやらなくてもいいことは、信頼できるスタッフに業務を任せる」という仕組みを構築することが重要です。とはいえ、ただスタッフに業務を任せるだけでは、人はついてきません。「何のためにやるのか」「なぜやるのか」という部分の理解が薄いと、使命感を持って仕事に取り組むことができないからです。

医師でなければできないこと、やらなくてもいいことを切り分けたら、スタッフにその業務を任せる理由をきちんと伝えましょう。院長と同じ方向性をもって業務を遂行してもらうために、「院長が多忙だから任せる」「院長でなくてもできる仕事だから任せる」ということではなく、理念、ミッション、ビジョンに基づいて説明し、業務の意味を真に理解してもらうことが大切です。

――これらはいずれも「経営学」を学ぶことで得られるノウハウです。私自身ももともとは「職人」でしたが、経営の理論や手法について勉強し、クリニック運営に応用したことで急成長させることができました。

私がどんなことを実践していったのか、次の章より具体例を交えてお伝えします。

続きは書籍で

続きは「失敗を経て来院者数300%アップさせた院長が教える クリニック経営の成功法則」からご購入ください。

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