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ストーリー代表・CEO

エンジニアがポジティブにキャリアを積めるIT業界に

最新ストーリー代表_株式会社ルートゼロ

言葉だけではない、本当のエンジニアファーストを追求する

柴田 侑亮 / Yusuke Shibata
株式会社ルートゼロ
代表取締役

IT業界の人材不足解決へエンジニアを育成、提供

システムの開発・保守・運用など特定のプロジェクトに対し、システムエンジニアを派遣し技術を提供するSES(System Engineering Service)。派遣を受ける企業にとっては、自社に不足しているエンジニアの技術力と労働力をタイムリーに得られるメリットがある。

高い技術力を持つエンジニアを擁し、このSES事業を展開しているのが、株式会社ルートゼロだ。

「プロジェクトを遂行できる人材がほしいという企業に、当社所属のエンジニアを派遣して、数カ月~数年単位で常駐してもらいIT技術を提供しています。日本で働くシステムエンジニアの約70%がこの形態で働いているといわれる今、SESがIT業界全体を支えていると言っても過言ではありません」

こう語るのは、代表取締役の柴田侑亮だ。柴田が一番に掲げる課題は「IT人材不足の解消」。長年、IT業界では慢性的な人材不足が続いてきたが、コロナ禍によりさらに事態は深刻化している。リモートワークが推奨されてリアルコミュニケーションの機会が減り、開発効率が落ちているというのだ。そのうえ、リモートワークで新たなシステムの導入が必要になり需要は増加傾向にある。

「リモートワークが進むほど、コミュニケーションのハードルは上がります。そのため指導が必要な未経験者よりも、自走できる経験者がより求められます。そのうえ、リモートワークの環境を整えるためのさまざまなシステム構築も必要になる。つまり、これまで以上に経験者が求められているのが現状で、未経験者の採用が控えられています。しかし誰かが人を育てなければ、結局人材不足のままになります」

ルートゼロは、未経験者を現場で活躍できるエンジニアに育てるため、オンラインのプログラミングスクールを運営。また、経験者の業界離れを減らすために、エンジニアがスキルアップできる環境をつくり、キャリアづくりをサポートすることにも力を入れている。

柴田は、エンジニアが搾取されるIT業界の現状に強い問題意識を持っている。

「残業が多い、あるいは理不尽な扱いを受けるなどの労働環境に加え、派遣先の会社に対する不満を所属会社に相談しても、『もう少し我慢してやってほしい』と取り合ってもらえないなど、しわ寄せをエンジニアに負担させるケースが多々あります。そんな環境で働いていたら、将来への不安が募りますよね。エンジニアがより働きやすく、自分のキャリアにもっと積極的になれる、将来に希望を持てるIT業界を私はつくりたいのです」

ルートゼロは、エンジニアが将来に希望を持ちポジティブに働けるよう、クライアントから受け取る単価に応じて給与を上げる単価連動性の仕組みをとっている。エンジニアへの報酬還元率を75~85%と定めており、業界の最高水準だという。

「最高水準の報酬を渡せるよう知恵を絞りました。よくあるエンジニア搾取論の中で動いている会社では、社長の機嫌が良かったら給料が上がる、『会社を辞めたい』と言ったら給料が上がる、ということが起こりがち。でもそんなことで給料が上がる会社は、それだけ搾取していたということ。言わずに我慢している人ほど搾取される業界になっている。そんなことでは良いエンジニアが育つわけがありません」

エンジニアは「人」。「物」扱いする業界への憤りが起業の原動力に

ルートゼロの創業は2016年。その前はブライダル業界に身を置き、一生に一度の結婚式をつくり上げるという、ある意味サービス業の最高峰ともいえる仕事をしていた。

自分の得意分野を生かした転職を考え、いずれは独立をと考えた時に思い浮かんだのが、市場が伸び続けていくであろうIT業界。就職したのはSES事業の会社で、半年間、同業他社で営業職をしていた。営業担当者として、半年や数カ月単位のプロジェクトを獲得し、エンジニアの派遣を決める。プロジェクトが終わればまた次のプロジェクトを探す、という営業活動を繰り返した。

しかしほどなく、柴田は違和感を持った。エンジニアを派遣するということはそのエンジニアの人生やキャリアに関わることなのに、なぜか明るい未来が見えない。前職のブライダル業界と圧倒的な差を感じた。エンジニアの人生をもっと大事に考えなければいけないのではないか。同僚の営業担当者が、エンジニアのことを「在庫」「弾」と表現するなど、物のように扱うことに強い憤りを覚えた。

「営業担当者がプロジェクトを取ってくると、エンジニアは長ければ2年、3年という時間をそのプロジェクトに費やします。その人のキャリアを一人の営業担当者に託しているということ。 例えば、1、2カ月の短期のプロジェクトばかりを続けたエンジニアは、職務経歴上は“すぐに辞める人”と見られる可能性もあります。その人のその先の利益にも影響するので、単純に割り振ればいいということではないと思ったのです」

しかし、そうした営業担当者がいる会社でも仕事が集まり、その仕事を求めてエンジニアが集まっている現状があった。柴田が業界のあり方を変えていきたいと当時の社長に話すと、「自分のやりたいこと、自分の正義を貫きたいなら、自分の会社でやるべきだ」と言われた。

「もともと、いずれ独立して起業することを話したうえで入社し、3年後には起業する予定でしたが、そこまで待てないと思いました。正しいことを正しいと言えない状況で働くことは無理だと。入社してたった半年。業界を知ったとも言えない素人でしたが、いてもたってもいられず、起業を決意しました」

社員同士のコミュニケーションで技術を高め合い、成長する

ルートゼロは所属エンジニアの望むキャリアを一緒につくるために、IT業界の動向をキャッチアップし、所属エンジニアへの情報提供やアドバイスを積極的に行っている。

「言葉だけのエンジニアファーストではなく、私たちなりの本当のエンジニアファーストの会社をつくる。それを具体的に言語化し、社内に浸透させた結果、社員一人ひとりの動きが変わりました。営業もエンジニアのために全力で勉強し、全力で動き、良いプロジェクトを見つけてくることに強い執念を持っています」

営業担当者とだけでなく、所属エンジニア同士のコミュニケーションも重視している。派遣先が異なると、エンジニア同士の仕事上の付き合いは少ない。そのため、リアルとオンライン両方のコミュニケーションの機会を積極的につくり、横のつながりづくりを進め、それぞれが得た知識をシェアしたり継承したりする環境を整えている。

例えば5名以上でスポーツなどのプライベートな活動をする時の費用を一部支給する「BUKATSU!!」。飲み会で大いに交流してもらうための「カンパイ手当」もある。オフィスにはバーカウンターやリラックスルームなどを用意し、エンジニアが仕事帰りに気軽に立ち寄れるようにしている。相談事があれば、営業担当者や部長、マネジャーとすぐに会話できる工夫だ。

オンラインコミュニケーションでは、社内SNSを導入し、全社員が専用チャットで直接相談し合える。自分が勉強したことや読んだ本について情報共有する仕組みもある。本のレビューを書いて投稿すると、会社が書籍代を負担。レビューの蓄積はすでに数百冊に及び、社内SNSでキーワード検索ができる。それらの本は会社の本棚にも並び、自由に読むことができる。

「本のレビューに限らず、自分が学んだことをSNS上でどんどんシェアするのが会社の文化になっています。会社側があれやろう、これやろうと仕掛けているというより、技術を伸ばし成長し合おうという動きが社員たちから自発的に生まれています」

なかには自分から積極的にコミュニケーションを取るのが苦手な人もいるため、営業担当者がエンジニアと定期的に1on1ミーティングを実施。キャリア希望や悩みを聞き取り、小さな変化も見逃さないようにしている。

「システムエンジニアが、将来に希望や未来を持ち、笑顔で自分のキャリアを歩めるIT業界にしたい。自らの技術と能力を生かし、いい意味で欲張って成長し、いろいろなことにチャレンジしてほしいと思っています」

キャリアのための前向きな選択なら、離職もOK

業界の平均離職率は20%前後といわれるが、ルートゼロの離職率は15%弱。柴田はこれを5%以下にする目標を立てている。

「実は今、離職自体が本当にダメなことなのか?と思い始めています。私たちは離職する人を減らしたいのではなく、日本のIT人材不足を解決したい。より高みを目指して、自分のキャリアのために欲張ろうと決めて辞めるのなら、私たちの理念は達成されています。後ろ向きな離職は減らさなければいけませんが、次に挑戦するという前向きな離職であれば、離職率が100%になってもいいと思っています」

今年7期目を迎えたルートゼロ。報酬や勤務内容をオープンにし、不明瞭でブラックなイメージのあるSES業界を変えたいという想いを、ホームページなどで積極的に発信し続けている。徐々に認知度が上がり、人材が集まり、売上にもつながっている。

今後は、人材不足の解決のために、優秀なエンジニアの業界離れを減らすだけでなく、外国人、女性、シニア層の雇用を増やすことも考えているという。

少子高齢化で技術者を増やすのが難しい中で、外国人労働者の価値を上げていき、外国人労働者がオンラインで日本人と対等に働ける環境づくりを実現する。定年後のシニア層や、育児から復帰する女性たちが働きやすい環境を整え、業界内の価値観を変えていきたいと考える。

一方で、各業界のDXを図り、AIやオートメーションツールを用いてエンジニアが介在しなくてもシステムがうまく回っていく状態をつくり、需要を減らすことでも人材不足の解決を進めたいとも思っている。ルートゼロがIT人材不足を解決した先に見据えているのは、「エンジニアが幸せに働ける世界」だ。

「誰もがポジティブに働けば、きっとポジティブな世の中になります。『やらされる仕事』から『自らやる仕事』に変化することで、仕事の結果やそこから生まれる価値が大きく変わっていく。そんな魅力的なIT業界をつくることを目指しています」

公開日:2023年1月11日

Profile

1984年、大阪府高槻市出身。高校卒業後、音楽での成功を夢見て、全国でライブ活動を行うための資金繰りのために20歳で起業。ミュージックBAR経営や中古自動車販売などを経て、23歳で通信会社の副社長に就任するも、その後、音楽も経営もすべて手放しリセットする。結婚を機に26歳でブライダルのベンチャー企業に初就職、以後5年間でさまざまな職務を歴任する中、再度起業を志すようになる。30歳を期に生涯続けていけるビジネスとしてIT業界へ転職。2016年、父親の癌をきっかけに株式会社ルートゼロを創業、代表取締役に就任。短期人材サービス事業を行う会社の社外取締役も兼任する。

Contact
大阪府大阪市西区北堀江1-6-5 大輪ビル9F

Credit

インタビュー・執筆:ひらばやしふさこ/編集:勝木友紀子
撮影:新見和美

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