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ストーリー経営企画・社長室

聖域なき改革と壮大な実証実験で切り拓く、ワークスタイル&ワークプレイスの未来

最新ストーリー代表_コニカミノルタジャパン株式会社

社会に先駆け、オフィスのあり方を模索
既成概念にとらわれず進化を続けるオフィス

牧野 陽一 / Yoichi Makino
コニカミノルタジャパン株式会社
経営企画部 副部長

働き方に急速な変化の波。オフィスのあり方はこのままで良いのか?

複合機をはじめとしたオフィス機器に加えて、クリニックなどで使われるヘルスケア製品、産業用の計測機器など、多様な製品・ソリューションを展開するコニカミノルタ。その国内展開を担っているのが、コニカミノルタジャパン株式会社だ。

同社は今、かつてなく大胆なオフィス改革を実施している。このプロジェクトを牽引するのが、経営企画部・副部長の牧野陽一。もともとこの取り組みは「働き方改革」を目的として始まったものだったという。

「私たちは、2013年に働き方改革プロジェクトを立ち上げて以来、テレワークの推進を中心に、ワークスタイル変革に挑んできました。背景にあるのは、国内労働人口の減少。何も手を打たなければ、優秀な人材の確保は年々難しくなっていく一方です。そこで、テレワークという働き方のオプションを整備し、時間や場所に制約がある人でも活躍しやすい環境をつくってきました。しかし、その途上で新型コロナウイルスによるパンデミックが発生。感染防止対策の一貫として、テレワークが社会全体で一気に進んだのは、多くのみなさんがご存知の通りです。その一方、テレワークがワークスタイルの“オプション”的な立ち位置から“メイン”に移行したことで、オフィスの存在意義も問われ始めた。ベンチャー企業ではオフィスを撤廃し、フルリモートワークを採用するケースもある中で、我々は従来のままのオフィスを継続することに意味があるのか。ワークプレイスをゼロベースで見直し、再定義していくことが必要になったんです」

働き方に加えて、働く場所も進化していきたい。コニカミノルタジャパンがそう考えたのは、従業員の能力を引き出し活躍してもらうためである一方、切実な事情もある。同社は企業のオフィスに納入している複合機やプリンターを事業の柱とする会社。社会全体でオフィスへの出勤が抑制されたコロナ禍にあっては、首都圏を中心に、業務で書類などを出力する機会が減少。利益確保のためにも、固定費としてかかるオフィススペースの見直しが急務だった。

「コロナ禍が始まる2020年時点で、当社は国内に150の拠点が存在しました。それに対し、新型コロナウイルス感染の第2波・第3波が起きていた時期の従業員の出社率は、全国平均で50%程度。本社に限定すると30%台だったんです。この数値が感染収束後も続くとは思わないものの、もう昔のように多くの従業員の出社を前提とした、フリーアドレスのオフィス環境は時代にそぐわないのではないか。本当に150もの拠点が必要なのか。そう考え、オフィスの最適化を進めていくことになりました」

オフィス設置の複合機を3分の1に。自社製品の存在すらフラットに見直し改革

ワークプレイスを検討し始めた当初は、ポジティブに進化を指向したというより、どちらかと言えば「使われていないオフィスがもったいない」という発想からのスタートだったと、牧野は率直に語る。

それが単なるコストカットに終わらなかったのは、同社がオフィス空間のソリューション事業を手がけていることが大いに関係している。顧客である企業も今、オフィスに対して同じ課題を抱えている。それならば、自社がまず率先してこれからのオフィスのあり方を実践し、社会に提示していくべきだと考えたのだ。

「テレワークでどこでも仕事をすることが可能になった今、わざわざ出社する価値がなければオフィスは存在意義を失ってしまいます。単に机や椅子や事務機器が並べられただけの空間ではいけない。テレワークでは得られない、今のオフィス環境以上の価値やメリットを生み出そうと思いました」

 早速新たなプロジェクトとして、東京浜松町にある本社オフィスで大胆な改革を実施した。オフィスの役割を根本から変えるために各部署に依頼したのは、不要な什器・設備の洗い出し。しかし以前から働き方改革の一環で、フリーアドレスの導入や保管文書のデジタル化に取り組んでいたため、ある程度思いつくものは削減しきった状態。そこからさらに、現状から50~60%程度のスリム化を要望したが、そう簡単に物事は進まなかった。

「どんなに頑張っても2割削減が精いっぱい。多くの部署からそう言われました。でも、2割程度の場所を開放したところで、オフィスの形は劇的には変わりません。そこで私たちは、それぞれの部署と膝を突き合わせて相談を重ねながら、削減を進めていきました。時には、各部署の業務を一つひとつ確認。『固定電話である必要は本当にありますか。携帯電話ではだめですか』『これはFAXでやり取りしなくてもよいんじゃないですか』と、部署固有の業務フローにも斬り込んでオフィスに常設していた機器を減らしていったんです」

オフィス機器を扱うコニカミノルタにとって、こうしたアプローチは身を切る改革とも言える。自社の主力製品の存在価値すら疑ってみることで、本社に設置されていた複合機は3分の1に減らした。また、顧客向けのショールームも「プロダクトを見てもらうだけなら意味がない」と執務エリアにバージョンアップ。社内では「本当にここまでやる必要があるのか」と不安視する声があったのも事実だが、その一方で「よく決断をしてくれた」との声もあり、あまたの賛否をのみ込みながらプロジェクトを押し進めた。

本社を未来のオフィスを考える実験場に。自ら実践することで社会に還元していく

こうした地道な努力の積み重ねにより本社の一部スペースをリニューアルしたのが、未来の働き方を実現するオフィス「つなぐオフィス」だ。このオフィスの名称は、従業員アンケートを反映したもの。オンラインでは得られないオフラインならではの人と人とのつながりを、従業員同士はもちろん、社外のパートナーやクライアントと実現し、新たな価値を生み出していこうという想いが込められている。

「つなぐオフィス」は、従業員が自身の業務を行いながら、これからの時代に必要なオフィスの機能や価値を検証する、壮大な実験場としてつくられた。特徴は、これまでの一般的なオフィスのように組織別に場所を区切るのではなく、オフィスの利用シーンに合わせてエリアを分けたことだ。

「私たちはこれからのオフィスの役割を、『知を生みだす空間』と再定義しました。そのコンセプトの象徴が、それぞれの業務シーンに特化した空間デザイン。『作業に集中でき、とことん仕事がはかどる空間』、『クリエイティブなアイデアがひらめく空間』、『質の高い議論ができる、コミュニケーションに適した空間』……と、自宅などのテレワーク環境ではなかなか実現できない、特別な空間を目指しました。また、それぞれのエリアでは机・椅子のデザイン、レイアウト、照明の明るさなどが異なるよう、バリエーション豊富に配置。効果的なパターンを検証しています」

プロジェクトでは、座席の予約状況や利用後のアンケートを分析。利用頻度が高く従業員からの評価が良いものと、利用頻度が低いものを比べたところ、いくつかの傾向も見え始めている。

「例えば、集中して作業したい人向けの『High Focusエリア』では、横並びにした座席の真ん中の利用頻度が低かった。左右に他者の存在を感じると心理的に集中しづらいのだと思います。今後は2列席を増やすなど、なるべく両隣と席が重ならないような工夫をすることで、より使いやすくできそうです。一方、ミーティングに特化した『High Collaborationエリア』は、全体的な利用頻度が想定よりも少ないのが現状の課題。コロナ禍が長引いている影響が大きいものの、多くの人にオンラインコミュニケーションのリテラシーが身に付いた今、わざわざリアルで集まることには、もっと劇的な価値や効果を求めているのだと受け止めています」

オフィスは進化し続けるべきもの。ゴールを設けず、挑戦の歩みは止めない

「つなぐオフィス」のもう一つの特徴は、検証結果を基に比較的短期間で改善を繰り返すこと。そのため什器の一部にはサブスクリプション契約を採用し、定期的な入れ替えを実施することで、その空間により適したものを見つけていこうとしている。ほかにも、机と椅子で異なるメーカーの組み合わせを検証してみるなど、効率やコストの面から一般的なオフィス什器の選定では敬遠されがちなやり方にも果敢に挑戦している。

「私たちは今の『つなぐオフィス』が完成形だとは思っていません。むしろ、これまでの前提を疑い、全力で実験をしてみようという気持ちで取り組んでいますね。例えば、『つなぐオフィス』をつくる前のコロナ禍初期には、仮想空間上のバーチャルオフィスをトライアルで実施してみたこともありました。これは今で言う“メタバース”。まだメタバースという言葉が社会には浸透しておらず、今ほど注目される前のことです。結局、何事もやってみなければ分からない。社会に先行していろんなことに挑戦してみないと、未来を創ることなどできないのかもしれません」

理想のオフィスにゴールはないと牧野は語る。たとえコロナ後の働き方や人々の価値観にマッチしたオフィスができたとしても、時代とともに新しい技術は生まれ、働く人たちのニーズも変わっていく。常にアンテナを張り続け、最適な形へと進化を続けるべきだと思うからだ。

「自社でトライアルを続けながら、『つなぐオフィス』で得たノウハウを当社の事業に還元し、企業の新しいワークプレイスづくりのお手伝いにつなげていきたい。それが目標だからこそ、これからもまだ世の中にないオフィスのあり方に挑戦していきたいですね。また、社会に還元していくことが前提だからこそ、取り組み自体を社内に閉じたものにするつもりはありません。社会と一緒にこれからの働き方やオフィスを考えていく意味で、ぜひ多くのみなさんに私たちのオフィスを見てもらいたいですし、共に知恵を磨き合いながら未来のワークプレイスをつくっていくことが、これからの私たちの挑戦でもあります」

公開日:2022年9月8日

Profile

国内大手SIerにてシステム開発・新規ソリューション企画・サービスシステム運用マネジャーなどを担当。働き方変革を実現するユニファイドコミュニケーション・ソリューションの国内立ち上げに従事。
2013年から現職となり、ICT系商品企画業務と働き方変革プロジェクトメンバーとして活動しテレワーク推進賞受賞に貢献。2020年度以降は、全国150拠点が対象となるオフィス最適化プロジェクトを主導し、浜松町本社オフィスでは、ニューノーマル時代の働き方を実現することを目的にABW(アクティビティ・ベースド・ワーキング)を支援するオフィス「つなぐオフィス」のリニューアルを実現。

Contact
東京都港区芝浦1-1-1 浜松町ビルディング26F

Staff

インタビュー:垣畑光哉/執筆:森田大理/編集:佐々木久枝

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