LISTEN

TOP > ストーリー代表・CEO > 縁やつながりを大切に。 出店する地域、働く仲間と 豊かな食文化を目指して
ストーリー代表・CEO

縁やつながりを大切に。 出店する地域、働く仲間と 豊かな食文化を目指して

最新ストーリー代表_ブリス・デリ&マーケティング

守るべきは事業の中身よりも
『商い』に宿るDNA

創業100年超企業、5代目社長の
未来へつなぐチャレンジ

株式会社ブリス・デリ&マーケティング
代表取締役
須田 康裕/Yasuhiro Suda

お客様、地域、働く仲間。関わる人を豊かにする飲食事業を展開 

宅配フードサービスや飲食店を運営する、株式会社ブリス・デリ&マーケティング。「銀のさら」「釜寅」といったフランチャイズ店に加え、スペシャリティコーヒーやベーカリーなどの自社ブランドも展開。さまざまな業態で、出店地域の食文化を豊かにすることを目指している。

「私は東京都心の早稲田に生まれ育ち、社会に出てはじめて郊外の街を知りました。そこで感じたのは、都心と郊外のサービスギャップ。郊外には、早稲田では見かけないようなファミリー向けのお店・サービスがあふれていることに驚いたんです。地域の方々に新しい選択肢を届けたい。それが複数の業態に挑戦しようと思ったきっかけです」

そう語るのは、代表取締役の須田康裕。今でこそ十数もの飲食店を持つ企業オーナーだが、もともとは明治から続いていた酒屋の5代目。曽祖父の兄にあたる初代須田保三より脈々と受け継がれてきた酒類販売事業から、飲食事業への大転換を果たしている。

はじめは企業の存続を賭けた事業変革だったが、今は働く仲間のために事業を進化させている意味合いが強いのだという。飲食事業を立ち上げた当初、20代で働いていた社員も、今や30~40代になっている。須田は、彼らに明るい未来を実現してもらいたいからこそ、いろんなキャリアやポストを提示したいと考えている。

信じて任せること。社員からの自発的なアイデアを歓迎すること。それが須田のモットー。例えば、もともとフリーターでアルバイトとして働いていた人が、今や7店舗を統括するマネージャーの立場を務めている。一人ひとりの適性や実力にあわせて、適材適所の活躍を引き出すのも、社長としての使命だという考えだ。

「同じ飲食サービスでも、注文を受けて商品をお届けする宅配業と来店型の飲食店では、求められるスキルや素養が異なります。直接お客様に向き合い、高いホスピタリティでお客様に喜んでもらうのが得意な人もいれば、丁寧かつ正確なオペレーションでクオリティの高いサービスを生み出せる人もいますよね。そういう意味でも、いろんなステージを社内に設け、一人ひとりに幸せな場をつくっていきたいです」


明治時代から続く酒屋の跡取りとして生まれた、波乱万丈の人生

1969年、須田は酒類の業務用卸・小売を営む「小西本店」待望の跡取りとしてこの世に生を受けた。幼い頃は店の裏手に寮があり、地方出身の従業員10名ほどが生活。母や祖母が彼らの食事を世話していたこともあり、須田にとっては家族だけでなく社員も身近な存在。周りの大人たち皆に育ててもらった感覚だった。
ところが、小学5年のときに事件が起きる。父が事業で大きな損失を出し、責任を取って家業から手を引くことになってしまったのだ。商売は祖父と叔父が何とか立て直したが、須田は両親と妹弟の5人で生家からも離れ、突如として後継ぎとしての生活は終わりを告げた。

「夏の林間学校から戻ったら、突然引っ越すと言われてただただ泣くしかなかった。子どもの自分には何もできず、目の前の勉強を頑張るくらいしかできなかったです」

それから約6年、猛勉強の甲斐あって名門早稲田大学への進学を実現。学費を援助してもらっていた祖父母へ入学の挨拶のため生家を訪れると、こう言われたという。

「商売は康裕に継がせたいから、卒業したら戻ってきなさい」

この言葉を聞き、再び家業を継ぐ者としての人生が目の前に現れた。それからの須田は、明確な目標に向かって邁進。理工学部に在籍していたが、他学部聴講を活用して経営やマーケティングも貪欲に学んだ。卒業後は叔父の勧めもあり、修業期間と位置付けてアサヒビール株式会社に就職。メーカーの営業として、実家と同じように酒の小売・卸業を営む取引先を多数担当した。
 3年半の会社勤めを経て、96年の秋から家業に参画。会社の重要なインフラである管理システムの刷新や営業サポートを手掛けながら、経営・財務の勉強も続けた。しかし、社会はすでにバブルが弾け、変化の波がひたひたと押し寄せていた時期。このままの商売のかたちでは立ち行かなくなる危機感もあったのだという。

「例えば、酒の価格破壊が起きたり、酒類販売の免許取得が緩和されたり。自由化の流れは止まらず、競争は激しさを増していきました。従来のやり方を続けていては生き残れない。家業を引き継ぐからには存続の道を模索せねばなりませんでした」

そこで須田が下した大きな決断が、業務用酒卸部門を他社に譲渡すること。価格破壊の影響で利幅が小さくなるなか、1社単独でジリ貧になるよりも複数社の卸部門を統合することで事業を継続しようという話が持ち上がったのだ。雇用を守るべく、事業譲渡とともに社員のほとんどは譲渡先に転籍。残ったのは自社ビルのマンションと一般のお客様に販売する小売業。何とか先祖から続く事業を続ける道をみつけた須田だったが、ここで事業の大転換を図ったのには理由がある。

「たしかに、我が家だけのことであればマンションの家賃収入だけでもやっていけたんですが、小売部を支えてくれた社員が一人だけ残ってくれたんです。その人は、私が小学生のときからうちで働いており、子どもの私を配達トラックの助手席に乗せてくれるなど、随分と可愛がってくれた兄のような存在。彼に定年まで安心して働いてもらうためにも、新しい商売をはじめようと決めたんです」

新たにはじめるなら時代に左右されない普遍的な商売をしようと考えた須田は、人にとって必要不可欠な飲食サービスへの参入を決断。しかし銀行をはじめ、須田の挑戦を無謀だという人は少なくなかった。それでも社員のため、生まれ育った早稲田のために新しい商売がしたいと熱意を伝え続ける。すると、「そこまで言うなら」と心を動かされる人たちが現れ、その存在こそ「銀のさら」の運営本部。当時、直営店だった豊島目白台店をフランチャイズ店として売ってほしいと相談した須田の熱意が伝わり、「地域を大切にしたいという須田さんにお任せしたい」と話が進んでいった。

先祖から受け継いだ商いのDNAを、ともに働く仲間たちに託したい

人との縁を大切にしてきた結果が今につながっていると須田は言う。例えば、銀のさらの1号店目を軌道に乗せ、2号店目を検討しているとき。フランチャイズ加盟店のオーナーや店長が集まる場で、ある店長と知り合った。その青年こそ現ブリス・デリ&マーケティング取締役の佐藤。彼を会社に招いたのは、自分と同じ価値観を持つ人だと直感したからだという。

「そもそもは彼がうちに来たいという話でしたが、当時は人員に困っておらず、断るつもりでした。けれどよく話を聞いてみると、『頑張っているのに報われないアルバイトが3人いる。一緒に連れていく代わりに社員にしてほしい』と言うのです。その人情味あふれる行動力・バイタリティに感心し、彼がいた店舗のオーナーと話し合うことに。最終的に、お店ごと当社で引き受けることになったんです」

このように、明治創業の商店が現在のブリス・デリ&マーケティングへと発展した軌跡には、人と人との縁やつながりがちりばめられている。だからこそ、須田はお客様のためだけでなく働く仲間や関係するすべての人へ豊かさを届けたいと願い、これからも意欲的に事業を展開していくつもりだ。

今、飲食事業の主要ブランドは、宅配寿司とベーカリーの2本柱である。だが、須田はこの柱を5つくらいにしたいと考えている。また、それは、働く皆のアイデアで実現させたい。人の役に立ち、必要とされ続ける普遍的な商売であれば、飲食事業でもないまったく新しいサービスであったとしても、ともにチャレンジしてみたいと須田は考えている。

代々続く酒屋から新たな事業に踏み出し、かれこれ10年以上。社員とともにさまざまな挑戦を続けるなかで、須田自身の社長としての志も変化していった。それは、後継ぎとして生まれ、100年の歴史を背負ったものならではの新境地ともいえる。

「5代目社長に就任した頃は、小西の屋号を守ることや先祖から続く商いを須田の子孫に残すことが自分の使命だと思っていました。でも、今の考えは少し違います。いただいた商いを続けたい気持ちは同じですが、続けるためには『誰でも』『何でも』良い。代々が守ってきた『商いのDNA』って、血に宿るものではないと思いますし、先祖だって戦時中の酒が売れない時代は塩や味噌を売って生きてきた。だからこそ、私から次の代へのバトンは、ここで一緒に頑張っている皆に渡したい。そう思っています」


リスナーの目線

飲食事業を新規でスタートする際は、先代たちの誰も書いたことのない事業計画書を見よう見まねで書き、融資を受けるために銀行を訪ね歩いたのだそうです。代々受け継がれてきた商売を守るために、誰もやっていないことにチャレンジする。守るために攻め、進化を続けるというスタンスが、須田社長の強みなのだと感じるインタビューでした。

インタビュー、編集/森田大理 西野愛菜
撮影/後藤敦司

Profile

1969年、東京早稲田に生まれる。1993年に早稲田大学理工学部卒業後、アサヒビール株式会社へ入社し、小売・卸・外食産業向け営業を3年半経験。96年に退社し、酒類の業務用卸・販売を営む家業に参画。2004年に代表取締役へ就任後は、事業の多角化を推進。現在に至る。

関連キーワード

最新ストーリー 代表_ブリス・デリ&マーケティング

「いいね!」
最新情報をお届け

関連ストーリー

タグ

人 (541) 最新ストーリー (157) 社員_アイドマ・ホールディングス (28) 社員_アセットガーディアン (19) WAOJE Tokyo (19) 社員_マケレボ (12) 社員_メディケアー (11) 社員_カスタマーリレーションテレマーケティング (11) KGF (11) 社員_ペー・ジェー・セー・デー・ジャパン(P.G.C.D.JAPAN) (9) WAOJE Tokyo 理事 (9) ピックアップ (8) 社員_ダーウィンホールディングス (7) 社員_シーアールエス (6) 社員_識学 (6) 社員_プルデンシャル生命保険 (6) 社員_ワークスイッチコンサルティング (6) 社員_秋葉牧場 (6) WAOJE Tokyo_イベント (6) 価値観1 (5) 社員_プリマベーラ (5) 社員_D&I (5) 社員_いろはにぽぺと (5) 社員_ブルーコンシャス (5) 社員_ハコブホールディングス (5) 代表_ダーウィンホールディングス (4) 社員_ネットビジョンシステムズ (4) 社員_ジブラルタ生命保険 (4) 社員_SB C&S株式会社 (4) 社員_Surpass (4) 社員_ココザス (4) 社員_インフォマート (4) 社員_風と緑の認定こども園 (4) 社員_ブリス・デリ&マーケティング (4) 社員_ピープルズコネクト (4) 01 社員ストーリー (3) 01 レビュー (3) 特集一覧 ピックアップ (3) 社員_フラー (3) 社員_メディカルネット (3) 代表_株式会社サーキュレーション (3) 代表_オフィスナビ (3) 代表_ブラス (3) 代表_インジェスター (3) 代表_Surpass (3) 社員_ゆうしん (3) 代表_w2ソリューション (3) 代表_ペー・ジェー・セー・デー・ジャパン(P.G.C.D.JAPAN) (3) 社員_コールフォース (3) 社員_コムセンス (3)

カテゴリ

ピックアップストーリー