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ストーリー代表・CEO

クラウドサービスで情報を一元管理。不動産業界をITで支援する

代表_武蔵

不動産業界の営業を
IT分野でトータルに支援

自社開発の情報一元管理システムで、
クライアントのコスト削減、
物件成約率アップに貢献

武蔵株式会社
代表取締役会長
大田 智一郎/Tomoichiro Ota

物件管理から広告出稿までの管理システムを半オーダーメイドで

不動産仲介業者向けの業務システム開発を行う武蔵株式会社。

主力商品は物件管理、顧客管理など、不動産取引に関する情報を一元管理できるシステム『マルチユース』だ。インターネット上でデータを管理するクラウドサービスを用いて膨大な情報を一元管理し、さらにそのソースをマルチに展開できる仕組みになっている。

マルチユースの一番の強みは、1つのソースで『ホームズ』『スーモ』など複数の不動産ポータルサイトへの出稿ができること。通常、ポータルサイトに物件情報を掲載する際は、サイト毎に情報を登録する必要があるが、マルチユースを使えば一度の登録ですべてのサイトへの出稿が完了する。しかも、武蔵が提携しているポータルサイトは約10社。競合他社の約2倍にのぼる。代表の大田智一郎は、システム導入のメリットは業務効率化によるコスト削減だと語る。

「物件情報はサイトによってさまざまな項目があり、それぞれに合わせた情報を登録する必要があるのですが、マルチユースはそのすべてに対応しています。一度システムに入力すれば、ほぼ100%に近い形でデータが連携できるので、大幅に業務工数や人件費が削減できます。また、他社では対応ポータルサイトが増えると追加料金がかかるサービスが多いのですが、マルチユースは契約初期の月額費用のみでずっとお使いいただけます」

不動産会社の営業担当者の強い味方となっている機能もある。マルチユースに入力した物件情報から販売図面、物件資料、チラシを作成できる「提案資料出力機能」だ。この仕組みを使えば、お客様のニーズに合わせた提案資料を営業担当が簡単に作成できる。

物件や顧客を管理するシステムはあっても、そのデータを活用して複数の資料に出力できる仕組みはこれまでになかった。新たに作るとなると、他社では多額の開発コストがかかる。しかし、現場での需要は確実にある。
武蔵ではこうしたニーズにも柔軟に対応し、安価でカスタマイズを請け負っている。パッケージシステムではあるが半オーダーメイド的な側面もある、と大田は語る。

「提案資料出力機能」によって会社の組織体制が変わった例もある。多店舗展開している某不動産会社では、エリア毎の広告戦略に力を入れており、販売図面、物件資料、チラシの制作に莫大なコストと時間がかかっていた。

そこで「提案資料出力機能」の仕組みを導入したところ、販売図面や物件資料などのお客様向けの提案資料を営業担当者一人ひとりが短時間で作成できるようになり、お客様へのコンタクト回数が増えた。また、誰でも操作できるユーザーインターフェイスであるため、営業アシスタントやパートスタッフでも同じクオリティの資料を準備することができ、業務効率の向上にもつながった。

顧客の要望に柔軟かつ迅速に対応できる背景には、自社内の専任エンジニアの存在、そして営業のヒアリング能力の高さがある。営業が顧客のニーズをつかみ、仕様を決めてエンジニアとともに機能を実装していく。武蔵では、両者の密な連携プレーによって顧客満足度の向上を実現してきた。

AI導入により、不動産業界に新たな価値を提供

不動産仲介業者の命題は、多くの物件の成約を取ること。そのためには、ユーザーに適した物件をどの会社よりも魅力的に提示し、より多くの問い合わせを獲得する必要がある。しかし、実現するには膨大なデータの収集や分析が求められる。

顧客の目的を実現するため、武蔵ではあらたな試みがスタートした。AIの導入だ。

AI導入によるメリットは大きく3つ。

1つ目は、ポータルサイト掲載時のエラーに素早く対応できることだ。情報登録時にエラーが発生すると、当然ながらその物件情報は掲載されない。しかし、エラーを検知する仕組みを作るには多額の費用がかかるため、エラーに気づかずに機会損失してしまうケースが多いのだという。AI導入後はマルチユース上でエラーがチェックできるようになる。この改善は顧客にとって大きなメリットだ。

2つ目は、ポータルサイト上での反響の可視化。価格、間取り、立地など物件にはさまざまな条件があるが、不動産仲介業者は少しでもその物件がユーザーの目に魅力的に映るよう、テキストや写真に工夫を凝らす。しかし、従来のシステムには、どの物件に問い合わせがあったのかをシステム側から知る手立ては少なかった。AI導入によってマルチユース上で反響が見えるようになれば、効果測定が可能になる。

3つ目は、反響の高い物件データの蓄積。膨大な工数がかかるデータ分析もAIを導入すれば短時間でできる。反響の高い物件をエリア、価格、間取り、その他といったジャンル別に抽出してデータベース化できるメリットは大きい。従来、不動産会社の担当者の経験や勘に頼って掲載していたものが、ストックされたデータを活用することで、客観的な判断が可能になる。

「1社だけではデータベース化は難しいですが、当社では何社ものデータを蓄積できるのが強み。この仕組みによって、ユーザーへのリーチに貢献できればと思います。武蔵が目指すのは、お客様の要望にできるだけ早く対応すること。そして、他社が提供できないサービスを提供することで、お客様の目標達成を実現することです。クライアントというよりはパートナーとして、事業を通して一緒に成長していければと思っています。そのためにも、今は『マルチユースさえ見れば基本的になんでもわかる状態』にできるよう取り組みを続けていきます」

自らの経験から感じた「IT×不動産」の需要

熊本県天草市に生まれた大田。高校卒業後は専門学校でプログラミングを学び、IT業界草創期のIT系企業に就職した。業界には成長の可能性を感じたものの、システムを「作る側」というポジションが自分に向いているとは思えなかった大田は、リクルートでIT関連情報誌を出すと聞き、転職。パッケージソフトの情報を扱う雑誌の制作に携わるが、時代に先駆けた内容だったため、ほどなくして事業撤退となった。

その後、住宅情報誌事業部に配属され、現在の『スーモ』の営業を務めた。このとき、不動産仲介会社への営業活動を通し、業界の課題、不動産仲介会社が何に困っているのかを知る。さらに不動産販売会社で経験を積んだ後、1999年に独立。不動産仲介業者の課題解決を目指して起業した。

「当時は、一般向けのインターネットが普及し始めた時期でしたが、不動産業界はIT技術の浸透が遅く、主に紙ベースで情報を管理していました。しかし、多数の物件や顧客を管理するためには、IT技術を導入した方が効率が良い。そこで、私たちがその先鞭をつけるべく、システムの開発を決意しました」

ITと不動産業界、両方の経験があり、実務を知っていた大田ならではの決断だった。2001年にはリクルート時代の先輩が起業した会社と合併して不動産ポータルサイトを運営するとともに、マルチユースの前身となるシステムを手がけた大田は、2006年、事業分割する形で武蔵株式会社を創立した。

現在は東京と大田の出身地である熊本にオフィスを構える。東京には営業や管理部門のスタッフだけを集め、システム開発はすべて熊本で行っている。

熊本に開発拠点を置いた理由は、離職率の低さにあるという。東京採用のエンジニアは、他に仕事の選択肢が多数あるためかすぐに辞めてしまい、技術の蓄積が困難。厚い信頼関係を築くのも難しかった。しかし、熊本ではすべてのスタッフが3年以上勤務している。熊本在住のITエンジニアは少なく、未経験者を採用して育成する必要があったが、事務所開設から10年間でナレッジもたまり、より精度の高いシステムの開発が可能になった。

今後は、不動産仲介会社の営業向けアプリの開発にも力を入れていく。現在地周辺の物件や地価情報、物件成約事例などをお客様にその場で共有できるようにし、営業しやすい環境をIT分野からバックアップしていく。

受託ではなく、自社でオリジナル商品を開発することにこだわってきた武蔵だが、その理由を大田はこう語る。

「私がエンジニアをしていた頃は分業で、一人では何もできませんでした。客先に常駐して徹夜をすることも日常茶飯事。自分の会社のスタッフにはそういう働き方をしてほしくなかったので、ビジネスモデルにはこだわりました。自分たちで作ったシステムを、自分たちで営業して売る。他の会社に任せるのではなく、すべてオリジナルの商品で勝負したかったんです。自社でノウハウが溜まれば、また次のサービスもそこから生まれます。今は情報が溢れる社会ですが、必要な情報を効率的に得られる仕組みを作ることで価値を提供し、不動産業界の営業をトータルに支援し続けていきたいです」



 

リスナーの目線

「こういう課題があるからこうしたい」次々とそういったお話をされていた大田社長。時代の先を見据えて行動するという姿勢は、「これからはITの時代だ」とITの専門学校に進学した頃から備わっていたものであると感じ取りました。また、「自分たちで」という言葉に強いこだわりを持ち、社員の働き方にもその意識を色濃く反映させているというお話から、自分たちで不動産営業の時代の次を行くという覚悟がうかがえました。

インタビュー・編集/高橋大道・渡辺絵里奈 撮影/新見和美

Profile

熊本県天草市生まれ。高校卒業後、ITの専門学校に進学。IT系企業へ就職したのち、リクルートへ転職。リクルートでIT関連情報誌の立ち上げ、住宅情報誌の広告営業を行う。さらに不動産販売会社で経験を積んだ後、1999年に当時の先輩とともに不動産業界向けのシステム開発・販売を行う企業を設立。不動産ポータルサイトを運営するとともに、「マルチユース」の前身となるシステムを提供していた経験から、2006年に事業分割し武蔵株式会社を設立。現在は東京と熊本に拠点を置き、不動産に特化したシステム開発・販売を行う。

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