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ストーリー代表・CEO

グラフィックデザイナー佐藤卓氏が共鳴する P.G.C.D. JAPANの「究極のシンプル」ー後編ー

最新ストーリー社員_ペー・ジェー・セー・デー・ジャパン(P.G.C.D.JAPAN)

株式会社ペー・ジェー・セー・デー・ジャパン(P.G.C.D.JAPAN,Inc)
代表取締役 CEO
野田 泰平/ Taihei Noda

株式会社TSDO
代表取締役会長
佐藤 卓/ Taku Satoh

前編はこちら(前編ページにリンクします)

デザインとはプロダクトとユーザーをつなぐ仕事

野田泰平(以下、野田):P.G.C.D. JAPANのプロダクトデザインにおいては、シンプルかつ長く使えるもの、リフィルなど捨てるものは最小限で済むものを作りたいと卓さんにお願いしたんですよね。

佐藤卓(以下、佐藤):通常、基礎化粧品のボトルは再利用できますが、捨ててしまうことが多い。詰め替える度にボトルの中をきれいに洗浄するのは難しいですから。長く使えることを第一に考えるのはP.G.C.D. JAPANらしい提案だな、と思いました。一方で、これまでの「あたりまえ」を選ぶべきではないという想いも湧き上がってきました。

野田:特に『ロシオン エクラ(トリプルエッセンス美容液)』(以下、エクラ)のボトルは、基礎化粧品の容器としてはタブーとされていたガラス製。しかもバルクを詰め替えるのではなく、リフィルを取り替えるスタイルにしたかったので、本当に時間と苦労を重ねましたよね。

佐藤:ご提案したときは、あんなに大変だと思わなかったんですよ。まず、筒形のガラスボトルの底をまっすぐカットするのが難しい。工業製品である底蓋と組み合わせるのも難しい。使う人にとっても、リフィルの詰め替えが大きな負担になってはいけないですから、微調整を繰り返しました。

野田:製造先を探すのも容易ではありませんでした。何十社と回っては断られて。その中でようやく「挑戦したい」と言ってくれた工場と巡り合えました。エクラのボトルを製作できる技術を持つ工場は全国で2社しかない。世界でもできるところはあまりないと思います。エクラのボトルは、まさに工業品と工芸品が融合したもの。こうしたものづくりができるのは日本だからこそ、と思います。

佐藤:大手企業には絶対に真似できないことですよね。

野田:敢えてガラスを選んだのは、「落としたら割れてしまう」儚さがあるから。粗雑に扱うと割れてしまうものなら、大切にしようと思ってもらえますよね。大切にしているものには愛着が湧くし、毎日使うものなら自分の相棒として長く愛用していただけると考えたんです。


使い終わったらリフィルだけ交換でき、常に清潔に使い続けられる


佐藤:お客様にも、さりげなくその価値が伝わっていると思います。「これは自分にとって特別なもの」と思ってもらえているのでは?他のものとは違う、特別な関係を築きたいですよね。

野田:ええ。お会いしたあるお客様は、「P.G.C.D. JAPANは自分にとっての贅沢だから、自室で一人、正座してソープを開けた最初の香りを楽しむ時間を誰にも邪魔されたくない」と仰っていました。こうした時間から生まれる愛着が、その人を美しくする習慣につながっていくんだと考えています。

佐藤:使う人がプロダクトを愛してくれている、至極うれしいことです。また何をさておいてもP.G.C.D. JAPANのプロダクトは中身そのものがいいですよね。石鹸も素晴らしいからリピーターが多いのでしょう。特にエクラは、中身とデザインの調和がとれている。唯一無二の美容液だからこそ、プロダクトデザインが生きるのです。

デザインってね、極端に言えば「嘘」をつけるんですよ。格好つけたり、装飾したりして。「デザイン=格好をつけること」と誤解されることもあるんだけど、私は、デザインは中身とユーザーをつなぐ仕事だと考えている。だから中身が特別なものなら、デザインも特別なものに。中身が普通なのにデザインだけ特別なものにしても、合わないからすぐにバレてしまう。例えば、P.G.C.D. JAPANと同じくシンプルがコンセプトのプロダクトでも、本質的なメッセージが違えばデザインは違ってくるんです。



これまでの「育毛」の概念を覆すP.G.C.D. JAPANのスカルプケア

野田:2014年に発売したスカルプケアソープ『サボン モーヴ(以下、モーヴ)』も開発に4年を費やした自信作です。P.G.C.D. JAPANでも、ずっとスカルプケアの世界を創りたくて。液体シャンプーなども考えたのですが、やっぱり原点回帰して石鹸にたどり着きました。お客様には新鮮に映ったようですが、そもそも昔の人は石鹸で洗髪していたんですよね。

佐藤:若い人にとっては初めての経験であり、ミセス世代以上の人にとっては懐かしく感じられると思います。昔やっていたことが新しく生まれ変わったような、新鮮な体験を野田さんは考え出してくれたと思います。いいデザインを可能にしてくれる発想ですよね。

野田:ありがとうございます。このモーヴの色は、お客様からも大好評で「本当にいい色」と言っていただけることが多いんです。

佐藤:大量生産品であれば、このような紫系の色はまず選択しません。P.G.C.D. JAPANには独自の世界観があって、中身も特別なものですから一般的な色は選びたくなかった。普通を選んだら、P.G.C.D. JAPANじゃなくなってしまう。

野田:同じくスカルプケアアイテムの『カンテサンス(育毛美容液)』も、プロダクトデザインも相まって本当にどこにもない製品に仕上がりました。頭皮に当てると6本のノズルからエッセンスが染み込んでいく。もう、他にはないですよね。


特徴的な 6 本のブーストノズルは頭部の曲線にフィットする設計

佐藤:世界中の人に見せたら、「何これ!」ってびっくりされるよね(笑)。カンテサンスは、海洋生物や宇宙の生物のような不思議なイメージにしたかった。それでいて、未来を感じさせるようなもの。今までの、いわゆる育毛剤とは違う世界観にしたかったんです。スカルプケアシリーズをモーヴカラーにしたのも、赤ワインのようにじゅわーっと頭皮に染み込んでいくさまを表現したかったから。

野田:モーヴとカンテサンスには、自分の髪を育てる時間をかけがえのないものにしてほしい、という想いを込めています。まだまだ育毛剤にはネガティブなイメージがあって、「使っていることを人に知られたくない」「恥ずかしい」と思っている人も少なくありません。だからこそ、使用中の姿がチャーミングで、喜びになるような製品にしたいと考えていたんです。ところが、カンテサンスも製造会社を探すのが大変で、ほとんどは断られてしまいました。

佐藤:「できません」の連続だったよね。

野田:エクラのときもそうでしたが、製造が技術的に難しいと言われたときは、必ず「なぜこのデザインじゃないとダメなのか」を話すんです。「あなたは育毛剤を使っているときのユーザーの表情をご存知ですか?皆さん、どこか後ろめたさを感じながら隠れるように使用している。カンテサンスは堂々と鏡越しの自分と対峙して、未来を描きながら笑顔で使ってほしいものなんです」と。

佐藤:8割の企業に無理だと言われても、中には難しいことをやってみたい、という会社は必ずあります。想いやコンセプトを気に入ってくれて、形にしようとしてくれるところが。

野田:そうなんです。私がカンテサンスへの想いを語ったところ、あるOEM(相手先ブランド製造)会社の社長が「やってみよう」「こんなワクワクする気持ちになったのは創業以来だ」と言ってくれたんです。P.G.C.D. JAPANのプロダクトが人と社会の幸せの一つになることを信じてもらえたとき、物事は進むんだな、と感じました。私たちは、そういう方々に支えられているし、協力してくれる人の想いも背負っている。身が引き締まる思いでした。

自分の感覚、直感を信じよ

野田:卓さんは、いつもプロダクトデザイン案をいくつか作ってくださるので、全部見せていただくのが楽しみなんです。中でもカンテサンスは、見た瞬間「最高!」って、思わず立ち上がって握手を求めましたよね。

佐藤:私も毎回、野田さんがどこに反応するかドキドキするし、楽しみなんですよ。案を出す以上は、どれに決まってもP.G.C.D. JAPANらしいものを提案しています。でも、敢えておススメは言わないようにしている。 言っちゃうと発案した自分の発言が力を持ってしまうので。

野田:カンテサンスのときは、お客様が使っている姿がすぐにイメージできたんです。

佐藤:野田さんはデザインに対して、直感で反応してくれるのがすごくうれしい。今の世の中、それができない人が多いんですよ。自分では「これがいい」と思っているのに、周りや社会の反応にびくびくして、自信が持てない人が。こうした人たちは自分の感覚をないがしろにしているように思えます。

場合によっては理屈も重要。でも、すべてをロジックやデータにしないと「いい」「悪い」がわからない、自分の感覚が信じられない人がいる。それが大問題なんです。人が本来持っている感覚が開花していれば、心地良いこと、楽しいことがもっと増えると思うんです。デザインを考えるときも感覚を大切にしているし、そこに直感が響き合うことでよいものが生まれる。多くの人は、なかなかそれができないんですよね。

野田:学生時代にデザインを勉強していたとき、父から教わったことがずっと胸に残っています。「クリエイティブの源泉は自分の頭の中に浮かんだ発想である。それを自分自身で大切にしないといけない―」。以来、本質的なものを生み出すために、日々考え続けることを大事にしています。

佐藤:きっとお父様は、いいものを野田さんに与えていたんでしょうね。いいものを知っているとよくないものも分かるようになる。いいものを知らないと、いいものは絶対に作れない。野田さんは、いい、悪いの判断基準を持っていますから、直感で「これがいい」と思えるんでしょうね。素晴らしいことです。



本当のシンプルとは、真の豊かさを包括していること

野田:最後にお聞きします。卓さんが考える本当の「シンプル」とは?

佐藤:必要最小限の形の中に、全ての要素が入っているものというように捉えています。

野田:P.G.C.D. JAPANもそうありたいですね。

佐藤:少し前にシンプルがトレンドになっていた時期があります。そのとき「シンプル=何でもそぎ落とせばいい」と誤解している人が多く、危機感を抱きました。本当のシンプルとは「単純に見えるけど、大切なものがすべて含まれている」ことだと私は考えます。P.G.C.D. JAPANもこうした姿勢でものづくりをしているし、野田さんも常にそれを追い求めているのでは?

野田:まさにその通りです。究極のシンプルにたどり着きたい。卓さんは、これからのP.G.C.D. JAPANにどんなことを期待されますか?

佐藤:P.G.C.D. JAPANできっかけをいただいて、まだ誰もやっていないことを一緒に探したいですね。見たことのない世界へ行ってみたい。野田さんはどこへ行くか分からないから楽しいんですよ。

野田:帰ってこられなくなったらどうしよう(笑)。これからも、どこまでもともに旅を続けましょう。



前編はこちら(前編ページにリンクします)

Profile

【野田 泰平】

株式会社JBI GROUP(JBIG)代表取締役 Founder CEO、株式会社ペー・ジェー・セー・デー・ジャパン(P.G.C.D.JAPAN,Inc)代表取締役 CEO。1979 年福岡県⽣まれ。

<学歴>

kuwasawa Design School 卒業

Globis 経営⼤学院 卒業

<学位>

建築学⼠ BARCH (Bachelor of Architecture)

経営学修⼠ MBA (Master of Business Administration)



【佐藤卓】 

1979年東京藝術大学デザイン科卒業、1981年同大学院修了。株式会社電通を経て、1984年佐藤卓デザイン事務所(現 TSDO)設立。

代表作に「ロッテ キシリトールガム」「明治おいしい牛乳」パッケージデザイン、「PLEATS PLEASE ISSEY MIYAKE」グラフィックデザイン、「金沢21世紀美術館」「国立科学博物館」シンボルマークなど。また、NHK Eテレ「にほんごであそぼ」アートディレクター、「デザインあ」総合指導、21_21 DESIGN SIGHT館長を務め、展覧会も多数企画・開催。著書に『塑する思考』など。

ライター・編集/高橋奈巳、西野愛菜

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