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ストーリー代表・CEO

逆境下でもブルーオーシャンを探し、フレキシブルに事業展開し続ける

代表_株式会社シトラス

「生き残るのは変化できる者」
コロナ禍で流動する飲食業界を支援
“第二創業期”を迎え、新規事業にもさらに積極的に挑む

株式会社シトラス
代表取締役
野口 昌一路 / Shoichiro Noguchi

飲食店サポートを軸に次々と新規事業に挑戦。
「おもしろそう」であればまずやってみる

「新規事業の目利きには自信があるんです」そう言い切るのは、株式会社シトラス代表取締役の野口昌一路。

「仕事はあくまでも人生の一部です。だから常識に縛られることなく、やりたいことをすべて実現していきたいですね」

この言葉通り、美しく価値があるものを大切にしたいという思いから、車は5台所有、現在はフェラーリを研究している。またアンティークや現代アートの収集もしており、希少なヴァイオリンも所有。さらに、「常に変化を」というコンセプトで、ここ1年は365日ホテル暮らし。毎日違うホテルに宿泊するという徹底ぶりだ。

その野口が率いるだけに、シトラスの事業は幅広い。「一言では説明できないほどいろいろやっています」と野口は笑う。

最初に取り組んだのは飲食店向けの広告事業だった。そこから売上アップのためのコンサルティング、メニュー表のデザインなど、顧客のニーズに合わせて関連するサービスを次々と展開。さらに商機のありそうな分野があれば、未経験でも積極的に挑戦していったことで事業は拡大、今や飲食店経営や不動産、発送代行まで手がけている。新規事業も年に二つ三つは立ち上げているという。もちろんやみくもに手を広げているわけではない。

「事業として取り組むか否か、その判断基準は三つです。一つ目は『おもしろいと思うことをやる』、二つ目は『お客さんからの要望は断らない』、最後は『良い人材がいれば事業を任せる』です」

未経験のことでも、顧客から頼まれればとりあえずやってみる。例えば、新電力事業。安価な電力を提供できれば飲食店の経費削減につながり、おもしろい事業になると考え、経済産業省への小売電気事業者登録申請など、複雑で面倒な手続きを乗り越えて事業を立ち上げた。

また、墓園事業者から法要に関する郵送物の発送を相談された際にも、パンフレットのデザインから発送までを一手に引き受けた。それが発送代行事業を始めるきっかけにもなっている。自社でカラーコンタクトの販売業者も買収し、小売の経験を積んだこともある。

さらに野口は、自身や社員の人脈も存分に活かす。知人の不動産営業マンが勤務先から独立する際は、その能力を見込んで自社の不動産事業を任せた。その結果、期待以上の成果が上がっているという。

同社の主力事業は飲食店向けの「コンサルティング」と「広告」であり、そこに経営資源を集中させて規模を拡大していくこともできなくはない。それでもあえて野口は新規事業に取り組み続ける。その理由は何なのだろうか。

「『生き残るのは変化できる者』という進化論を常に意識していて。おもしろそうなことを見つけたらとりあえずトライします。複数の事業を持つことで会社としてリスク分散にもなりますしね。ただ自社で続けるのは厳しいと分かれば、迷わず撤退します。起業する前にコンサルタントをやっていた経験から、事業内容に対する思い入れに引っ張られて、判断が遅れないように気を付けているんですよね。実際、新電力事業もすでに事業売却しており、カラコン事業も買収して3年で売却しています」

そして同社のフットワークの軽さ、フレキシブルさは営業手法にも表れている。

「地方であっても勢いがあり、弊社のサービスが求められていると判断できる地域には、お金や労力は惜しまず営業をかけます。また1社テレアポが取れたら1週間くらいは出張して、周辺をキャラバンしてきます。訪問先からは『わざわざ東京から営業に来たのか』と驚かれることも多いですね。小さな店でも親身になってサポートし、人のつながりも大事にしているので、お客さんの紹介で新たな店に出合うことも少なくありません。今では47都道府県すべてにお客さんがいます」

地域でも事業でも、ブルーオーシャンを見つけたらコスト度外視で攻める、が野口の事業ポリシーとなっている。

コロナ禍で飲食店の閉店が相次ぎ、業績悪化。
「気を引き締める機会」ととらえ、足場を固める

さまざまな事業に挑戦すれば、失敗の可能性も当然上がる。未経験の分野ならなおさらだ。シトラスも新電力など複数の事業を手放してはいるが、事業売却で一定の利益は得られている。これが野口が「新事業の目利き」を自認するゆえんだ。しかも同社は創業以来、無借金経営を続けている。

野口は無借金経営にこだわる理由をこう語る。

「実家は100年以上続く老舗呉服店で、無借金経営でした。堅実な運営ぶりをそばで見ていて、倒産したり人に迷惑をかけたりしてはいけない、という意識がすり込まれているのだと思います。もちろん事業を展開していく上で、一定のリスクは負わなければいけません。それでも、会社を長く続けるにはどうするべきかという視点は常に持ち、経営判断をするよう心がけています」

野口がシトラスを立ち上げたのは2010年のこと。大学卒業後に5年間勤めた大手経営コンサル会社を辞めて、独立した。それ以来、顧客である飲食店の業績アップのために試行錯誤しながら、あらゆる事業を展開してきた。だが2020年春頃から日本で新型コロナウイルスが流行し始めると、サポートしてきた飲食業界は大打撃を受ける。同社の事業にも大きな影響があったという。

「緊急事態宣言が出たことで飲食店が店を開けられなくなり、客足も遠のいたことで、支援していたお店が多数閉店しました。そのため会社組織としてもスリム化せざるを得なくなりました」

コロナ禍で人々は外食を避け、自炊やテイクアウト、宅配で家での食事を楽しむようになって外食市場は縮小。これまで一生懸命支えてきた飲食店が店を閉めた。悲観的になってもおかしくない状況だが、野口の表情は暗くない。

「確かに業績は落ちました。しかし正直なところ、今まで危機という状況に直面したことがなく、安定しすぎた経営を続けてきたんですね。むしろ今は、気を引き締めるチャンスだと感じました」

そこで新規の顧客獲得はいったん停止し、既存顧客のフォローに徹底して取り組んだ。ニュースレターを発行したり、連絡頻度を増やしたりと手厚くサポートしたことで、顧客の満足度はアップ。紹介で新たな顧客も獲得できたという。また社内体制を強化する時間もでき、コロナ禍はシトラスにとってプラスの側面をもたらした。

社内外の環境が変化した今は、同社にとって大きな転換点になっている。

「“第二創業期”だと思っています。これまで飲食店向けのコンサルティングや広告事業で、資金や人材といった会社の土台を築いてきました。これを活かして、今後10年間で会社をスケールアップさせていくつもりです。そこで最近は毎月新規事業会議を行い、外部コンサルなども活用して次の一手を探っています」

新規事業も一部はすでに形になってきている。

「『良い人材がいれば事業を任せる』という方針に従い、外部の専門家と組んで、レトロカーやヴィンテージカーの売買を始めました。ヴィンテージものが好きなので、ヴァイオリンも手がけ始めています。価値が上がっていますし、社会的意義もあると思うので。どちらも、もともとは私の趣味ですが、利益も出ていて、ビジネスとして大きな可能性を感じています」

「フッ軽信用経営」をテーマに掲げ、理念を共有するメンバーと“第二創業期”へ

コロナ禍で時間に余裕ができ、野口の心境にも変化があった。それまで以上に多くの人と話をしたことで、自分が本当にやりたいことが明確になったという。それが「3S(スリーエス)ミッション」だ。

「3Sは『死ぬまでに、知らないことを、少なくする』の略で、私の造語です。限られた時間の中で多くの人や店をサポートしていくためには、人生においても仕事においても、決定スピードを上げることが肝心です。3Sミッションに取り組むことで、より多くの経験を積むことができ、スピードアップにつなげられると考えています」と野口は言う。

残りの人生を有意義なものにするために、無駄なことを手放すと同時に3Sミッションに取り組む。

「2021年からホテル暮らしをしています。ホテル暮らしというと優雅なイメージがあるかもしれませんが、僕にとっては“掃除の代行サービス”なんです。自宅は掃除しなければ汚れていき、気分も暗くなりますよね。でも掃除は面倒だし、時間もかかります。ホテルで生活をすれば部屋はキレイだし、自分で掃除をする必要もありません。交通の便がいい場所のホテルであれば、移動時間の短縮にもなります」

一つのホテルにとどまり続けるだけでは経験値は上がらないため、「同じホテルには泊まらない」「有名ビジネスホテルチェーンは使わない」などのマイルールを定めて、ホテルを渡り歩いている。荷物は基本的にリュック一つ。靴下や肌着はその時々で購入し、本当に必要なものだけを持ち歩いている。

またグルメレビューサイト「食べログ」の焼き鳥部門のトップ100店制覇にも挑戦している。寿司や焼肉など、通が多いジャンルではなく、焼き鳥というメジャーながら詳しい人が少ないブルーオーシャンを攻めることで、3Sミッション達成と自己ブランディングにつなげているという。

「最近は会社にも『フッ軽信用経営』というテーマを掲げています。フットワーク軽く、ワクワクするものにはとりあえず挑戦する。そして今いる社員のように、理念が共有できていて、お互いに信用し合えるメンバーとともに経営していきたい、そんな想いを込めました。言葉を大切にしたいので、あえて信頼”ではなく、信用”を使っています。

第二創業期に必要な人材の採用にも取り組んでいます。一番大事なのはやはり理念への共感。自分と考えが合う能力が高い優秀な人材を少しずつ採用し、一緒に働きやすいメンバーを迎えて、これからもワクワクしていきたいですね」

公開日:2022年3月31日

Profile

2005年、成城大学経済学部を卒業後、船井総合研究所に入社。飲食業界を含む企業の支援に携わる中で、コンサルティングやビジネスに関するノウハウを身に付ける。2010年、独立しシトラスを創業。同社では飲食業界に特化したコンサルティングサービスのほか、飲食店経営、不動産、デザイン、発送代行など多くの事業を手掛ける。過去にはアパレル、出版、電気、アクセサリー販売事業などにも参入しており、売却した経験を持つ。趣味は筋トレ、アンティーク収集、ゴルフ。モットーは3Sミッション「死ぬまでに知らないことを少なくする」。


Contact
東京都渋谷区東1-26-30 SHIBUYA EAST BLDG 8F

Staff

インタビュー:垣畑光哉/執筆:にしみねひろこ/編集:ひらばやしふさこ
撮影:田中振一

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