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ストーリー代表・CEO

コロナ禍はピンチでもあり、ギフトでもあった。「経営者の孤独に寄り添う」理念のもと、地方から美容ビジネスを牽引する

代表_株式会社andUS

自分たちだけが成功しても意味はない。
強い経営者を育てることが、美容業界、そして社会への貢献につながる

株式会社andUS
代表取締役
廣岡 伸那 / Shinya Hirooka

1人で戦い続ける美容サロン経営者たち。
その孤独に寄り添うパートナーでありたい

富山県富山市を拠点とする、株式会社andUS(アンダス)の顧客は、全国の美容サロンだ。かつては大手化粧品メーカーの営業マンとして全国を飛び回っていた代表の廣岡伸那が、家族の病気を機に故郷の富山に戻り、2012年に創業した。

「営業経験を活かし、美容サロンの経営コンサルタントとして事業を始めました。現在の主事業は化粧品の製造・販売。従来からの経営コンサルティングに加え、教育事業、役員である妻の美容サロンの経営なども手がけています」

andUSでは「目元」の美容に特化し、サロンに商品を販売している。

「目元コスメのブランド『Omeme.(オメメ)』として、目元の施術サービスである、まつ毛エクステやパーマ、眉毛ケアなどを提供する美容店舗向けのまつ毛専用美容液、マスカラ、クレンジングなどを取り扱っています。自社工場を持たないファブレス方式ですが、パッケージデザインや中身はすべて自社オリジナルで製造。現在、販売先は全国で2700事業者ほどです」

美容サロンは9割が個人経営だといわれている。廣岡は、その経営者たちの「孤独」に寄り添っていきたいのだという。

「経営者にはあらゆる問題に一人で向き合い続けなければならない、孤独な側面があります。全国に30万人いるといわれる美容サロン経営者の孤独に寄り添い、サポートできるパートナー企業になるのがandUSの理念です」

コロナ禍でお客様に届けた笑顔とサプライズ。
ピンチのまっただ中で強く決意した「原点回帰」

目元コスメ「Omeme.」の製造・販売を始めたのは2018年。次第に取り扱い先が増え、廣岡は手応えを感じていた。次なる一手を打つために営業活動だけでなく、社内環境の整備にも積極的に投資した。

「次のステージに進むための努力に徹し、資金はすべて先行投資に回しました。企業理念やビジョンの刷新、新卒採用の開始。そして、今では当たり前になったリモートでの販売環境も、営業活動の効率化と経費削減の観点から、この時期に整備しました」

地盤を固めさらに事業を拡大していこう、と意気込んでいたまさにそのとき、コロナ禍が日本を襲った。

「あの日のことは忘れられません。東京出張から富山に帰る新幹線の中で、緊急事態宣言発令のニュースが流れたんです」

利益のほとんどを先行投資したため資金繰りは綱渡りだった。これから回収に向かうタイミングでの緊急事態宣言。美容サロンの休業が余儀なくされれば、商品もキャンセル・返品になる。

「青天の霹靂、大ピンチでした。ですが、そこで腹をくくったんです。実はその頃、好調とはいえ、思い描いていた成長曲線にはまだ達していなかった。企業理念やビジョンを一生懸命作り、熱く語ってきたのに、市場にもお客様にも受け入れられていないことが悔しかった。だから『今こそ原点に立ち返るときだ』と、新幹線が富山駅に着くまでの2時間7分で決心を固めました」

廣岡の言う原点――それは、美容サロンの経営者一人ひとりの孤独に寄り添い、サポートする会社になるという理念。

意を決した廣岡が新幹線を降りて真っ先に向かったのは、なんと、宝くじ売り場だった。

「富山市内の宝くじ売り場を回って、ありったけのお金で宝くじを買い集めました。それを私の顔写真入りの直筆メッセージと一緒に全国のお客様に送ろうと思ったんです。『世の中が混乱している今だからこそ、私たちは笑顔でお客様と向き合います。一緒に頑張りましょう』という想いを伝えたかった。

会社のみんなにも手伝ってもらい、その日のうちにすべて発送しました。後日、各地から感謝のお声が届いたことで、私も自分のやるべきことを確信したんです。採算度外視で、とにかくお客様のために全力を尽くそう、と」

そして廣岡は「Omeme.」の顧客に対し、無料で経営コンサルティングを始めた。2020年4〜6月の3カ月間、1日3〜5件を毎日休むことなく続けたという。

ピンチをチャンスに変えたマスク社会の到来。
最大の幸運は「目元」にあった

7月には化粧品の発注も戻り始め、無料コンサルティングを通じた新たな顧客との出会いもあり、業績は回復基調に。それほど早く持ち直すことができたのには、運の要素も大きかったという。

「まず、リモートによるオンラインセールスの仕組みを構築済みだったので、この変化に即時対応できたこと。コロナ禍を予想しえなかった頃に進めていたわけですから、本当に偶然でした。また理念やビジョンを見直して、刷新していたことも大きな支えになりました。これがあったから、社員みんなが一つになって危機を乗り切ることができました」

そして最大の幸運は、マスク社会の到来だった。

「誰もがマスクを付ける世の中になり、『お目目』のケアやメイクが、それまで以上に大事になったんです」

目元コスメの底堅い需要を支えに、同社は前年比200%超という過去最高の利益を出し、現在も取引先の数は月100件ペースで伸びている。しかし、自社だけが良ければそれでいいというわけではない。数多くの美容サロン経営者が、いまだ苦境に立たされている。

「コロナ禍によって、美容サロン業界には大きなゲームチェンジが起きました。外出の減少によって、都心部だけでなく、自宅のある郊外や地域の店舗にも顧客が移動し、都心のサービスの質を自宅周辺でも求めるようになったのです。立地や仕組みが揃っていれば利益を上げられる、これまでのセオリーが大きく変わりました。また来店頻度が下がる一方で、滞在時間は延びている。つまり、来店時に施術を一度にしたい、リラックスできる空間でちょっとした贅沢を楽しみたいというお客様が増えています」

変化する消費者心理に対応する道筋を、廣岡はこう語る。

「今お客様に選ばれるのは個人店、特に『存在感のある人』『個性的な人』がいるサロンです。そうしたユニークな店舗を支えるために必要なのは、大きな変化にも耐えうる骨太の経営基盤ではないでしょうか。私たちにできることは、そうした強い経営者を育てることだと考えています」

自分たちだけが成功しても意味はない。
「勝てる」経営者を育て、社会を元気にしたい

コロナ禍への対応に一区切りをつけた廣岡は、新たな試みを始めた。「&INC(アンドインク)」という、美容師や美容サロンのためのサブスクリプション型の教育プログラムだ。

「&INCは、マインド形成や心理学、経営、ファイナンスなど多彩なテーマに関する講義や、専門家を招いた対談などを動画で提供します。すでに150本ほど配信しており、月額会員はこれらをすべて閲覧することができます。会員の方に美容従事者のための福利厚生を提供するなど、サービスをさらに拡充中。今後はコンテンツを充実させ、『経営のパーソナルトレーニング』と呼べるようなサービスへと育てていく予定です」

こうして経営者の孤独に寄り添うことが、ひいては社会への貢献にもつながると廣岡は考える。

「勝てる経営者が増えれば、雇用や消費が活性化します。それは地域を元気にして、人々を豊かにすることにもつながっていきますよね。これからは社会に求められる、社会に貢献できる事業を行い、みんなで幸せに向かっていかなければならない。私たちだけが成功しても意味がありません」

化粧品やコンサルティングなどさまざまな事業をもつandUSだが、その一番の強みは「人を育てること」だと廣岡は言う。それは&INCのような顧客に向けたサービスとしてだけでなく、社員教育や採用にも表れている。

「実は、以前研修を依頼されたことを機に、ある人材教育会社でずっと講師を続けているんです。私が得意なのは、マインド形成に主眼を置いた理念教育。セルフコントロールの精度を上げ、自燃できる人を育てる教育です。長年の講師経験で培ったノウハウを、自社の新入社員研修や幹部研修でも活かしています。これは他社には絶対に真似できない、andUSならではの強みです」

「地方の生活、都会のキャリア」というコンセプトのもと、首都圏にも負けない教育水準と自燃型の環境を備えたandUSに引かれる学生は多い。新卒採用では、富山での勤務必須という条件にもかかわらず、全国からの応募が絶えないという。

「どれだけ質の高い教育をしても、それが下の世代に受け継がれなければ意味がありません。そのためにも新卒採用は非常に重要です。コロナ下で入社した新卒の社員は、役員になることを目指し成長し続けています。将来、私のもとから次世代のリーダーをどんどん輩出していきたい」

未来のリーダーをつくることが、廣岡の次なる夢だ。

「地域経済を引っ張っていけるようなコミュニティリーダーを増やしていく。彼らとともに雇用や産業、消費を生み出し、地方を元気にすることで、富山、そして北陸を中心にした、地方創生の一助となることが今の私の夢です。自社を育てるフェーズから経営者を育てるフェーズに移り、明確な理念とビジョンをもって社会を牽引していける強いリーダー、強い会社を増やしていきたいと考えています」

「経営者の孤独に寄り添う」理念と、人材育成、そして将来の夢。これらのことを、廣岡は強く感じている。

「コロナ禍はピンチであり、ギフトでもありました。今後どれだけ順風満帆だとしても、あのとき新幹線の中で感じたことを決して忘れずにいたい。自分たちの理念の実現に向けてまい進したい。何があっても自ら決断できる経営者を、一人でも多く世に出せるようになりたいですね」

公開日:2022年3月31日

Profile

1984年富山県生まれ。
京都の大学を卒業後、大手化粧品メーカーにて営業の経験を積んだのち、地元富山で美容関連のコンサルタントとして2012年6月株式会社andUS(アンダス)を創業。
現在は、コンサルタント業から派生し化粧品メーカー事業を展開。
美容関連の経営者向けセミナーでの講師経験に加え、コンサルティングや自社経営など多様な経験を活かした研修を行っている。
強みは「成長を生み出す人財育成」。
コンサルティング営業を基盤に、フルリモートによるサポートを武器に顧客接点の高い運営を実現。
大手専門研修トレーナーとしても活動しており、研修登壇時の受講生満足度は常時95%以上。
座右の銘は「袖触れ合うも多生の縁」。人との出会いを大切に事業展開している。


Contact
富山県富山市根塚町3丁目8-7

Staff

インタビュー:垣畑光哉/執筆:安部亮多/編集:佐々木久枝、勝木友紀子
撮影:田中振一

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