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ストーリー代表・CEO

大切なのは「私だけ」ではない「私たち」という気持ち。みんなで会社を作って、みんなで考えていきたい

代表_ソラド

 

株式会社ソラド
代表取締役社長
大里 茂雄 / Shigeo Ohsato

情熱を注いで、マニュアルを超えよう‼

私たちの事業を一言で表現するなら「飲食業向け総合支援事業」でしょうか。現在は、法人向けの仕出し弁当やケータリングを提供する「逸品弁当」というサイト運営に注力しているのですが、これももともとは飲食店の営業時間外を有効活用しようという試みです。

というのも、飲食店の売り上げは、営業時間と席数で概ね上限が決まってしまいます。営業時間外に注目し、お弁当やケータリングの需要を生み出すことで、飲食店の売り上げアップを支援しているのです。「逸品弁当」では高級価格帯に照準を合わせ、『ミシュラン東京』にも掲載されている名店や料亭、高級焼肉店など、約50店に厳選して仕出し弁当を取り揃えていることが、他のフードデリバリー業者との大きな違いです。

それでも、有名店であればどこでも…というわけではなく、「長くお付き合いできるか」「お店で提供される食事と同じ材料、調理法で作っていただけるか」など、私たちなりにこだわったお店選びはさせていただいています。中には「作ってやるから売ってこい」というようなスタンスの飲食店もありますが、そういうお店とは、どんなに有名店であってもお付き合いできません。

商品開発もお店に丸投げするようなことはしません。サンプルを作っていただいて、アルバイトを含めた全従業員で試食をします。「これはちょっと味が濃い」「この盛り付けはどうなのか」など、開発のプロセスには私たち全員のフィルターがかかります。私たちの大きな原動力は、“情熱”だと自負しています。インターネットを駆使しながらもアナログ感、情熱、想い、といったものが欠落したビジネスには決してしたくないのです。

例えば、会議用のお弁当を数十個単位の大口でご注文いただいた企業担当者様は、お弁当を受け取った後、会議室のテーブルに並べる手間は相当なはず。そんな時こそ、私たちの情熱を発揮する時です。お弁当をテーブルに並べるところまでさせていただくことで見えてくるお客様の思い、期待、満足感などは貴重な経験値となり、結果として信頼していただき、お客様の需要を引き出せるのだと思います。

また、いつもご利用いただいている会社へお昼休みなどに伺い、お弁当の試食会も積極的に行っています。試食といっても、お一人様につき一人前をしっかり食べていただきます。一食を通しての味わいや印象、バランス、満足感などを教えてもらうのです。

月に30〜40回、毎日数箇所にて行われる試食会では、スタッフが一様に「このお弁当がおいしい秘密は…」「作り手はこんな方で、女将が朝早く起きて詰めています」など、作り手の情熱をお客様へお伝えしています。現場を知っているからこそ語れる真実を、お客様に情熱を持って伝えることが、信頼していただくきっかけになると思うからです。お客様から「他社に比べて、ずいぶんアナログなことを」と言われますが、私たちにとって、それこそがITに情熱を注いだ、血の通ったサービスなのだと考えています。

その結果、リピーターが少ないと言われているフードデリバリー事業の中でも、私たちは多くのお客様にリピートしていただいています。オンライン注文だけではなく、コンシェルジュから「メインがお肉のお弁当を」とか「和食で2000円くらいのものを」というように、お任せの注文をお電話でいただくケースも珍しくありません。この取り組みは「マニュアルを超えたところに感動がある」という私たちの姿勢の表れです。私たち一人ひとりがお客様の立場に立って「前回は洋食でしたので、今回は旬の食材を用いた和食はいかがですか」といった、マニュアルを超えた提案を心掛けています。



 

ボロボロ泣きながら誓った、応援してくれる人たちへの感謝

今から8年前、28歳の時にカフェサロンの開業から経営まで任されたのが、私が飲食事業に深く関わるきっかけでした。家族や友人など周囲は大反対だったのですが、私はせっかく巡ってきたチャンスを逃したくないとチャレンジ。しかし1年3ヵ月でお店をたたまざるを得なくなりました。原因は経験不足と根拠のない自信。人を雇って育てる、売り上げを上げる、すべてが初めての経験だったのですから、当然の結果ですよね。それでも飲食店への思いを諦められず、その半年後に自分で再度カフェを開業するのですが、東日本大震災の影響なども重なり、これも程なく営業できなくなってしまいました。

大きな失敗を重ねて、家族や友人には合わせる顔がありません。そういう心境の時って、まるで世界が色を失ったように、景色が本当に暗く見えるんです。もう心が壊れる寸前でした。

そんな私を見かねた先輩たちが、「今から飯を食べるからとにかく来い」と電話をくれたんです。お店に行くと、テーブルにはお寿司など、たくさんの料理が並んでいました。家賃も払えない状態で、ろくな食事をするお金もなかった私は、ボロボロ泣きながら頂きました。その時に気付きました。こんなに応援してくれる人たちがいるのに、誰にも相談せず、強がってすべて自分でやろうとしていたことが一番の失敗の原因だったことに。自分の価値観が大きく変わった瞬間でした。

自分がこれまでの失敗から学んだことを糧に、飲食店のサポートをしたい。最初は情熱や夢を持って飲食店経営を始めたのに、経験不足から失敗し、すべてが暗転してしまう人を減らしたい。そう考えた私は、飲食店向けの設計施工会社に入社。和食から中華、フレンチ、バルまで、“潰れない店舗”を作るお手伝いを1年で20店舗ほど手掛けました。

設計施工会社で開業支援を経験すると、今度は自然と開業後のサポートに目が向くようになりました。飲食業界向けのコンサルティング会社は、メニューやホームページの監修などはしてくれても、売り上げそのものにコミットしてくれるところはまずありません。その点でこれまでの経験を一番発揮できそうなソラドに転職したのは3年半前のことでした。

実際に入ってみると、当時は営業マンもいない赤字経営の状態で、とても情熱を持った血の通った会社とは程遠いことがわかりました。そこで私は、これまでのルーティンやマニュアルを覆す取り組みを続けました。その過程で、お弁当の試食会が生まれ、高級仕出し弁当路線に活路を見いだすことができました。すると徐々に社内にも情熱が広がり、会社の空気も変化していったのです。これは私が何かを変えたのではなく、変化をみんなが受け入れ、変化を楽しむことができた結果だと思っています。

入社して半年後、取締役に選任された私は、その1年後には社長就任を打診いただき、より結果にコミットすべく就任を決意した次第です。


「私だけ」ではなく「私たち」という気持ちが、みんなの夢をつなぐ

私たちは今後も、芯はぶれることなく柔軟に変化し何十年も続く会社にしたいと考えています。そこで大切なのは「私だけ」ではない「私たち」という気持ちです。私たちみんなで会社を作って、みんなで考えていきたいんです。

その大きな道のりへ向けて、まずはデジタルマーケティングや独自のシステムを駆使したプラットフォームを築きたい。その構想のひとつが、高級仕出し弁当事業のフランチャイズ(FC)展開です。加盟店の最有力候補として考えられるのは配送会社。下請けの意識ではなく、自らが加盟店として主体性を持ってお弁当を配送することで、配送スタッフがお客様のリピートやクレームに対しても敏感になり、私たちとの間でより高い相乗効果が発揮されると思うのです。

逸品弁当にとどまらず、私たちが本来目指すべき飲食業向けの総合支援もスタートしました。それは開業支援に始まり、改装、後継者がいないお店の事業継承など、これまで私自身が経験してきたこと全てを活かせるサポートです。飲食業界の中で、お店・食・お客様・お店を経営する人、そして経営者の夢をつなぐハブとして、私たちはお手伝いをしたいと考えています。

私が若い人に求めるのは「まっさら」であること。当社では、新卒でも中途でも未経験者しか採用していません。まっさらな人が一番一緒に絵を描きやすいからです。内定が決まった人から「何か準備することはありますか?」と聞かれても「特にはありません」と伝えます。入ってから一緒に考えればいいのです。

ソラドには、インターンを含めた全員でミーティングを行い、部門も立場も超えて議論する文化があります。その際に声や意見が出ない人には、私は本気で注意しています。何も発しないということは、考えていないのと同じだからです。「私には関係ない」「新人だからわからない」ではなく、全員が当事者意識を持って、みんなで考え、みんなで悩んでほしい。的外れでも構いません。トップがミーティングの内容をすべて決めて仕切ってしまったら…それは過去の失敗をした時の私そのものなのです。

私はこれまでの失敗のおかげで、本当に周りに感謝できるようになりました。自分だけで成り立つ会社だなんて、思ったこともありませんし、会社で一番弱音を吐いているのも私かもしれません。チームのみんなで悩んで、考えて、苦しみも喜びも共有していきたいのです。

ソラドにはチャンスは平等にあります。やる気とアイデアがあれば何でも言えるし、耳を傾けてもらえるし、それを実現することもできる。自分が立ち上げたプロジェクトの全体を経験することだってできます。事業の全体像を把握することは、大企業ではそうできないことでしょう。

入社した時には「夢」を書き出してもらっています。みんなの叶えたい夢、進みたい方向性を私たちは最優先します。みんなの夢と会社のビジネスモデルがつながる未来に向けて、私たちは夢と希望を共有していきたいのです。



リスナーの目線

「僕の話をみんなにも聞いてもらって、もし違うと思えば遠慮せずに意見してほしい」と、取材場所をあえて執務エリア中央に指定された大里さんは、社内では体育会系部活のキャプテンのような存在。過去のエピソードについて「あの頃はどうだった?」と社内に話を振ると、あちらこちらから笑い声と思い出話が飛び交う様子から、風通しの良い、一枚岩の社風がうかがい知れます。

Profile

1979年、東京都生まれ。高校卒業後、大手ホテルに入社。レストラン部門にて接客業を経験。その後、医療システムの営業などを経て、2008年にカフェサロンの開業から経営まで経験。2010年、新たにカフェラウンジを開業するも、震災の影響により無期限営業停止となったことを受け、飲食店開業プランナーに転身。飲食店の設計・施工に携わり、1年間で20店舗の開業をサポート。業界の店舗デザインランキングにて1位を獲得。飲食店経営における「営業外時間の有効活用」の重要性を感じ、同事業を展開している株式会社ソラドに2012年9月に入社。入社半年後、取締役に就任。2014年6月代表取締役社長

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