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ストーリー役員代表・CEO

「一人一人が社長」。 自らの責任と裁量において 顧客と社会の仕組みの改革に貢献する

代表_オプト

 

株式会社オプトホールディング / 株式会社オプト
代表取締役社長 CEO 執行役員
鉢嶺 登 / 石原 靖士

新たな価値を生み出し続けることで、日本をけん引する

「一人一人が社長」。そんな企業哲学を掲げ、体現しているのが株式会社オプトだ。同社には、社員一人一人が自らの責任において行動し、「職業的な自立」「経済的な自立」「精神的な自立」を成し遂げることで、真の幸せが手に入るという価値観が根付いている。

オプトは1994年に創業。ターゲットを絞って広告を打つ「ダイレクトマーケティング」を主軸にスタートを切った。

躍進の理由は、マーケティングの「見える化」に取り組んだこと。旧来の広告業界では、広告出稿後の効果を測定するための手段がなく、その成果を確認することができなかった。

コマーシャルの効果について、語られることさえなかったのだ。その状況に疑問を感じたオプトが、広告効果測定ツールを開発。マーケティング戦略に広告効果を活かすという新しいバリューを提案することで業界での地位を確立した。

現在は、2015年の持株会社化を経た新生オプトとして、広告代理サービス、マーケティングサービス、テクノロジーサービスの3つの事業を柱に、デジタルマーケティング全般を手がけている。創業者であり、現在はオプトホールディング代表取締役社長CEOを務める鉢嶺登は、その存在意義を「20年後、30年後、さらには50年後の日本の繁栄、世界の繁栄のために“新しい価値創造”に挑戦し続けていくこと」と語る。

「日本ではほとんどの産業が低成長やマイナス成長という状況の中で、デジタル産業は数少ない高成長分野。日本の経済や将来を引っ張る主要産業になると考えています。インターネット革命の中で、“新しい価値創造”に挑戦し続けながら、世の中全体を変え、日本の未来をけん引していく業界だという意識をベースに事業を展開しています」

オプトホールディングでは、国内に約1200名いる社員全員を対象に、座談会を開催している。時間は、夕方からの1時間半。1度に30人くらいの社員を集めて、冒頭の30分は鉢嶺が会社のビジョンやさまざまなビジネスモデルについて説明し、自社が目指す方向性を示す。

広告代理店のビジネスモデルは基本的に「労働集約型」。売上増加に従い、人員も増やす必要がある。このビジネスのデメリットは、利益率がそれほど高くはならないということ。しかし、1度システムを築いてしまえば安定的な経営ができることがメリットだ。一方、収益逓て い増ぞ う型というビジネスモデルもある。例えば、メディア運営を含め、自社商品を作って売り出すような商売のことだ。収益逓増型モデルは商品開発のための初期投資が必
要となるが、その後のコストはあまり上昇せず、ユーザーの増加に比例して利益も増えていく。オプトでは、労働集約型モデルと収益逓増型モデル、両方のパターンを組み合わせたハイブリッド型モデルを目指している。

「技術者は、テクノロジーに対するほどの関心をビジネスに持っていないのでは」─そう鉢嶺は考えていた。しかし、実際は違った。オプトのエンジニアたちは目を輝かせながら鉢嶺の話に聞き入り、多数の質問を寄せた。そんなエンジニアたちの姿に、改めて心強さを感じているという。

「エンジニアが新しい価値を生み出していくためには、最新技術を追求するだけでなく、ビジネスの視点や感覚を持つことが必要不可欠。自分よがりではなく、ユーザーのニーズを満たすものを作っていくことを意識しながら、開発に取り組んでほしいですね」



クライアント企業の変革、業界全体の仕組みの変革に貢献

鉢嶺のビジョンを現実化するべく、具体的な戦略と人材育成を担っているひとりが、オプト執行役員の石原靖士だ。開発業務の統括をはじめ、新サービスの開発、事業創造を推進している。

「今後はマーケティング自体がAI(人工知能)化されていくので、いかにAIと伴走していくかを考えています。オペレーション業務はどんどんAIに託す一方で、戦略やその実践手法を考える仕事はこれまで以上に価値が高まるでしょう。そうした戦略面の設計に注力していきます。私たちのクライアント企業は、今、変革を迫られている状況。『テクノロジーを使って新しい価値を生みたい』というご相談が多く寄せられていますので、その支援に取り組んでいきます。この流れはあと5年から10年続いていくと思います」

従来の一般的なエンジニアは、クライアントの指示通りにシステムを作ることが多かった。しかし、オプトのエンジニアは、顧客の考えや要望をうのみにはせず、本当に売上につながるようなよりよいシステムの提案をしていくことを目指している。プロデューサー的な視点を持ちながら、技術者としての業務を行っていくのだ。

しかも、一企業の改善だけでなく、業界そのものの改革を担うことも目指している。例えば、旧態依然とした業界や利害関係が複雑な業界では、一企業の方針で簡単にシステムを変えることはできない。その点、オプトは業界のトップやリーディングカンパニーを顧客に持ち、対話できる立場にある。それを突破口として、業界の仕組みを変革していくこともできるというわけだ。

最近は、クライアントから出される課題をもとに、新たな設計を考えて仕組みを構築するデザイナーやプロデューサーの採用と育成にも取り組んでいる。また、エンジニアからビジネスデザインやプロデュース業務に職務内容を転換するケースもある。

実は石原自身も、キャリアチェンジを経験した。もともとエンジニアだった石原は、堀江貴文氏の著書に感化されて独立するも、失敗。

転職エージェントのコンサルタントから「あなたは人と喋ることが下手だから、まず営業を経験したほうがいい」と言われた。そのアドバイスを素直に受け入れ、「日本で一番大変そうな営業会社」として紹介されたオプトに入社。営業で実績を挙げたことで自信を付け、次々と新たなプロジェクトに手を挙げ、チャレンジした。

「やれる、と思ったら実際にはできなくて、壊れかけた時期もありました(笑)。でも、さまざまな事業作りに取り組む中で、技術、営業、マーケティングが線でつながった。その観点を活かすことで成功体験を生み出すことができ、自信を得たんです。オプトでは、挑戦して失敗するのは1点。挑戦して成功すれば2点。何もしないのはマイナス1点。そんなオプトイズムが僕は大好きで、だから今もここで働いているんです」


 

納得して働ける仕組み、環境は社員自身が考えて作る

もともと、営業会社としての文化が強いオプトだが、近年はエンジニアの採用も強化。

「オプトテクノロジーズ」という仮想組織を作り、「テクノロジードリブン」(技術駆動型)をスローガンに掲げた。技術力を高めることに興味を持つ人材が集まってきている。
それに伴い、評価制度も整備した。エンジニアは技術的知見を深めることに価値を感じる人が多く、金銭的対価のみでは不足を感じることもある。また、エンジニアの世界では、多種多様な正解が生み出されるという特徴があるため、それをふまえた仕組みを構築している。

「評価制度については、ドラクエ方式ともファイナルファンタジー(FF)Ⅲ方式ともいえる分散型手法を導入しています。ジョブチェンジシステムがあり、FFで例えるなら黒魔道師、白魔道師、戦士、学者といったように、自分の希望に応じてジョブを選択・変更できるんです。そして、黒魔道師としてレベルは3なのか5なのか…といったように、ホールディング全体の統一基準をもとに評価します」

なお、この評価の仕組みは、エンジニアたち自身が決めたものだ。

エンジニアは、主体的にものを考える文化がより強い。だから、あまり強制力をきかせずに、個々人が組織のルールなどを作成できるシステムをとっているのだという。小中学校の委員会と同様に、経営陣やマネジャーが規則を決めるのではなく、エンジニア自らが委員会を組織し、働きやすい仕組みや環境整備を行っている。

モノづくりへの気風を高めるイベントも開催。例えば、社内ハッカソン(ソフトウェア開発イベント)では、エンジニアたちがアイデアを出し、1日程度で商品開発を行う。生活に利便性や遊びを提供するツール、業務の効率化につながるツールなど、テーマは自由。

コンテスト方式で参加者が投票し、好評だったものには食事券や電子機器などの賞品も進呈される。遊び感覚でイノベーションを起こす楽しみを味わう機会となっている。

また、開発に関してのセミナーやトークショーを行う「市ヶ谷Geek★Night」を実施。自社および社外のエンジニアが参加し、交流を行っている。

同社では、社内コミュニケーションの活性化も重視している。オフィスの一角には18時以降、お酒が無料で飲み放題の「オプトバー」を設置。社員たちが部門や職種の垣根を越えてコミュニケーションをとり、社内ネットワークを作る場として活用されている。

「どんな仕組みを運営するにしても、ルールをガッチリ作ってそれに縛り付けることはしません。基本的なガイドライン、物差しだけ置いておけばいいかな、と。あとは自分自身で考え、動いてほしい。社員を信じて、相応の権限を与えていきます。そういう形で、彼らの市場価値アップ、キャリアアップの支援をしたいと考えています」


リスナーの目線

「この業界では歴史もブランド力も顧客資産も人的資産も持っている。だからこそ挑戦しなければバチが当たる」という鉢嶺氏の言葉に、日本を引っ張っていく責任感と覚悟を感じました。対する石原氏からは、社員個々人を尊重し、信頼して任せようとする想いが響いてきました。個々の力が高められているからこそ、各業界や社会全体に大きな影響を及ぼす存在となり得るのでしょう。

Profile

鉢嶺 登(写真左)
1991年、森ビル入社。1994年、デカレッグス(現・オプトホールディング)を設立、同社代表取締役社長に。2015年4月より現任。

石原 靖士(写真右)
2006年、オプト入社。営業やマーケティング部のマネジャーを経て、2010年、デジミホへ取締役として出向。2014年6月にオプトへ帰任。2015年4月より現任。

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