LISTEN

TOP > ストーリー代表・CEO > 採用に悩む中小企業の味方になりたい きめ細かいサポートでサービス継続率90%
ストーリー代表・CEO

採用に悩む中小企業の味方になりたい きめ細かいサポートでサービス継続率90%

代表_株式会社アドヴァンテージ

自社で「実験」して新しいサービスを創出
副業プロ人事とのマッチングも開始

株式会社アドヴァンテージ
代表取締役社長CEO
中野 尚範 / Naonori Nakano

大手企業採用支援のノウハウを中小企業に活かす
「伴走型」の手厚いサポートに注力

小さな魚たちが集まって大きな魚のふりをし、力を合わせて天敵を追い払う。世界中で愛されているレオ・レオニの絵本『スイミー』。株式会社アドヴァンテージは、そんな会社でありたいのだという。「さまざまな仲間と協力し、一人ひとりが役割を持ち、一緒になって大きな目標に向かって進んでいく」という想いのもと、徹底して顧客企業に寄り添い、採用をサポートしている。

代表の中野尚範が2000年に一緒に起業した仲間からMBOし、アドヴァンテージを設立したのは2005年のこと。

「起業以来ずっと、企業の自社採用サイトの制作や、SNS・Webマーケティングによる、サイトへの求職者の集客を行ってきました。顧客は派遣会社や全国チェーンのドラッグストアなど、大手企業が多かったですね。ただそういった企業は受注金額が大きい分、1社の契約が終了するだけで当社の売上に大きく影響してしまうのが課題でした」

そこでアドヴァンテージは2018年、中小企業の採用をサポートするサービス「チャレンジパック」をスタートする。採用ビジネスは景気に左右されやすいため、東京オリンピック開催後の景気後退局面を見据えて、事前に手を打っておく必要もあった。

大手企業への対応で培ったノウハウをもとに、同社の社員が自社採用サイトの初期設定や採用マーケティングなどをサポート。顧客企業側の作業は、ヒアリングシートへの記入や求人原稿の執筆、写真の提供程度で済む。企業の採用内容や地域事情によっては、ハローワークの利用や大手求人サイトへの掲載などを提案することもある。費用は比較的安価であるにもかかわらず、地に足のついたアドバイスや手厚い支援で、同業他社のサービスとは一線を画す。

「中小企業は、ここまでやらなければ途中で採用支援サービスを使わなくなってしまうことも多いのが現状です。採用サイトを作って終わり、あとは知りません、じゃダメなんです」と中野は言う。

コロナ禍前の借り入れが会社を救った
ピンチをチャンスに変え、契約数を伸ばす

中野の記憶に強く残っている企業がある。北海道の知床半島にある、人口約1万人の斜里町にある建設会社だ。この会社は大手求人サイトを3年ほど利用していたが、採用がうまくいかずに悩んでいた。社長が「この町には人がいないのか」と口にするほどであったが、チャレンジパックを導入し、わずか半年で2人の採用に成功。社長は「ちゃんと来てくれる人がいたんだ」と驚いていたという。これを機に、地方銀行から道内のさまざまな企業を紹介されるようになった。

チャレンジパックのリリースから3年。現在では’建設、物流、不動産、介護、飲食など幅広い業種の約500社と契約している。かなりの勢いに思えるが、中野は「まだまだ。1,000社までは伸ばしたい」とさらなる高みを目指す。

「当社の社員は約60人で、営業は5人だけ。テレアポはしておらず、新規顧客のほとんどが銀行や企業からの紹介、セミナーからの問い合わせです。プッシュ型の営業が多いHR業界では珍しいと思います。その分サポートに力を入れており、継続率は90%程度です」

これまでは大手企業を対象に事業展開をしていた同社であるが、中小企業のサポートにシフトしたのには理由がある。

「中小企業は大手企業と違い、事業戦略の策定や採用担当者の配置など、採用の体制が整っていないところが少なくありません。当社が大手企業の支援で培ったノウハウを活かして採用をサポートすれば、顧客企業に貢献でき、働いている人の幸せにもつながると考えました。

また大手企業の場合、急に予算が増減するなど、不測の事態が起きる可能性が高いです。解約となれば売上に大きく響きますが、中小企業の場合には影響は限定的。その分、多くの企業と契約すればいいと考えました」

中小企業にシフトした背景には、新型コロナも大きく影響しているという。急速に景気が冷え込み、多くの企業が資金繰りに苦しんだ。同社もコロナ前は1億円程度だった月商が、2020年5月には5000万円まで落ち込んだという。

だが経営難に陥ることはなかった。2017年、18年の好業績を受けて、銀行から多額の資金を借り入れていたのだ。借り入れに抵抗のある企業も多いはずだが、中野は資金を十分に準備しておくと決めていた。

2008年のリーマンショック時、同社は経営に大きな打撃を受け、売上を9分の1まで落とした。社員も35人から3人に減らさざるを得なかったという。無借金経営だったことがあだになってしまったのだ。この苦い経験から中野は「とりあえず借りておき、使わなければ返せばいい」と考えるようになった。

「借り入れのおかげで、数年赤字が続いてもやっていけるだけの資金がありました。もともと事業計画として、東京オリンピック後に備えてチャレンジパックを開始、拡大していくフェーズでした。これをチャンスととらえ、中小企業向けのサービスに注力していったのです」

「パンデミックを予測していたわけではありませんよ」と中野は困ったように笑う。痛みを伴う過去の経験から、何かあってもすぐには倒れない準備をしていたことが、結果的に同社や社員を守ったのだ。

会社で試し、次のサービスに活かす
副業プロ人事とのマッチングサービスを開始

新型コロナをきっかけに加速した中小企業支援へのシフト。中野には展望があったが、社員からは戸惑いの声も出たという。

「社員は、大企業の担当をするのは『花形』で中小企業の担当は『島流し』と感じていたようです。中小企業の経営者は個性的な方も多いですからね。理不尽なことを言われて落ち込んでいた社員も確かにいました」

だが中小企業とのやりとりが増えるに連れ、そういった不満は解消されていった。

「中小企業の担当になると、広範囲にわたる形で会社の採用に関われます。さらに、1人採用できただけで非常に感謝される機会があちこちで起こる。それらにやりがいを感じ、マインドチェンジをした社員が増えていきました」

アドヴァンテージでは、コロナ禍により働き方も大きく見直した。まずはテレワークの導入。社員へのアンケートで在宅勤務希望者が多いと分かったため、テレワークを原則にした。社員だけでなくパート・アルバイトにも在宅勤務手当を支給し、オフィスは思い切って解約した。

次に業務委託人材を活用した。リーマンショック時の経験もあり、中野には急激に社員を増やすことへの抵抗があった。そこで業務委託として、社外の優秀な人材を迎えることにした。同社のCOOも、初めは業務委託で参画、そこから事業や理念に共感して今ではナンバー2になっている。

これらの経験から、2021年には副業やフリーランスのプロ人事と、採用で悩む中小企業をマッチングするサービス「採用のミカタ」を開始した。

「今は人材不足ということもあって、企業が優秀な人材を正社員で採用するのは簡単ではありません。ですが、副業であれば年収1,000万円クラスの優秀な人材でも、月額10〜20万円くらいで依頼できます。エンジニアや現場監督の採用、中途採用のノウハウ提供、人事担当者がいないベンチャー企業の人事の助っ人など、企業が抱える課題に合わせてご活用いただいています。広島県在住の方が、テレワークで群馬県の企業で働くといったケースもあります」

採用のミカタのチームは、中野を除く全員が業務委託という異例の構成だ。これは社外人材の力を借りて顧客をサポートするという「実験」でもある。業務委託の活用で、社内からは出てこないようなアイデアが生まれたり、ノウハウが共有されたりするなど、いい影響が出始めているという。

「私はこの会社を『実験場』だと思っています。私が新しいことを考えて試し、うまくいけばナンバー2が仕組み化する。そしてPDCAを回しながらサービスに活かしていく。テレワークを始めたときも、さまざまなツールを導入して業務効率化を図りましたが、その知見は今、セミナーのネタとして活用できています。定期的に開催しているオンラインセミナーもリード獲得に役に立っているので、この手法もいずれ新規開拓に悩む顧客に伝えていきたいと思っています」

ECでできるなら採用でもできるはず
地方企業も柔軟な発想で人材獲得を

コロナ禍で事業環境が大きく変化する中、中野が採用業界の人たちに言い続けてきていることがある。それは「ECでできることは、採用分野でもできる」だ。

「今の時代、地方の小売業者が楽天市場のランキング上位につけることは珍しくない。ECで活躍する地方企業があるのだから、『田舎なので人材を採用できない』なんて言い訳は通用しません。テレワークの普及で、地方の中小企業に東京や海外在住のスタッフが現地から勤務することも可能になりました。本来であれば、大手企業より中小企業の方が変化に柔軟に対応できるはず。中小企業は正社員採用にこだわらず、もっと視野を広げてほしいですね」

コロナ禍の2年間、中野は個人でも精力的に活動してきた。

「オンライン交流会や紹介サービスを活用して、これまでの2〜3倍の人と会いました。そこで知り合った人と共催セミナーをやったり情報交換をしたりと、さまざまな取り組みをしてきました。でもまだまだ足りません。今はこの副業人材の活用をきっかけに、副業やフリーランスのキャリアサポートで何かできることはないかと考えているところです。中小企業については採用だけでなく、営業やマーケティング、資金面の悩みにも対応できるサービスを作りたいですね」

中野の柔軟な発想力、自らやってみる行動力、それをビジネスに活かす視点は同社の大きな強みでもある。「地方におもしろい中小企業が増えてくれば、楽しく働ける人が増え、日本全体がもっとおもしろくなると思う」と話す中野とともに、アドヴァンテージの快進撃はこれからも続く。

公開日:2022年3月31日

Profile

淡路島出身。同志社大学在学中に訪問販売で起業、そのまま就職せず日本初の携帯求人サイトを起業し副社長。同社より子会社をMBOしてアドヴァンテージを設立、大手人材派遣会社と業務資本提携し、上場直前でリーマンショックにより断念、再度MBO。大手派遣会社を複数巻き込み協同仕入れ会社を設立。

中小企業向け採用支援サービス「チャレンジパック」や副業やフリーランス人事を活用する「採用のミカタ」など、さまざまなサービスを展開している。著書に『月20万円以下でできる! いい人が2倍集まる求人広告のワザ』(ダイヤモンド社)。


Contact
神奈川県横浜市港北区新横浜2-5-19 アプリ新横浜ビル6F

Staff

インタビュー:垣畑光哉/執筆:にしみねひろこ/編集:勝木友紀子
撮影:田中振一

関連キーワード

代表_株式会社アドヴァンテージ

「いいね!」
最新情報をお届け

関連ストーリー

タグ

人 (637) WAOJE Tokyo (34) メンバー_WAOJE Tokyo (23) 社員_マケレボ (18) 社員_アイドマ・ホールディングス (18) KGF (17) パートナー_リスナーズ株式会社 (16) 社員_秋葉牧場 (14) 社員_インフォマート (13) 社員_ペー・ジェー・セー・デー・ジャパン(P.G.C.D.JAPAN) (12) メンバー_WAOJE Tokyo(団体表示用) (12) 社員_メディケアー (11) 社員_カスタマーリレーションテレマーケティング (11) 01 社員ストーリー (9) 社員_アセットガーディアン (9) WAOJE Tokyo_イベント (9) 最新ストーリー (8) WAOJE Tokyo 理事 (8) 社員_ダーウィンホールディングス (7) 社員_ココザス (7) ピックアップ (7) 社員_プリマベーラ (6) 社員_プルデンシャル生命保険 (6) 社員_ワークスイッチコンサルティング (6) 企業_イクリエ (6) 価値観1 (5) 社員_SB C&S株式会社 (5) 社員_D&I (5) 社員_いろはにぽぺと (5) 社員_識学 (5) 社員_ブルーコンシャス (5) 社員_ピープルズコネクト (5) 社員_日本ファイナンシャルプランニング株式会社 (5) 女性起業家特集 (5) 卒業特集 (5) 入社式特集 (5) 新入社員特集 (5) 沖縄特集 (5) 代表_ダーウィンホールディングス (4) 社員_ジブラルタ生命保険 (4) 社員_シーアールエス (4) 社員_Surpass (4) 社員_ブリス・デリ&マーケティング (4) ゴルフ特集 (4) 01 レビュー (3) 社員_フラー (3) 社員_メディカルネット (3) 代表_株式会社サーキュレーション (3) 代表_オフィスナビ (3) 代表_ビジョン (3)

カテゴリ

ピックアップストーリー