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ストーリー代表・CEO

子どもたちにワクワクする日本を見せたい。「デジタル人材の流動化により、日本の競争力を強化する」

最新ストーリー代表_株式会社クラウド人材バンク

業界業種や地域の枠を超え、デジタル人材が日本のさまざまなシーンで活躍できる環境を。

金居 宗久 / Munehisa Kanai
株式会社クラウド人材バンク
代表取締役

デジタル人材不足の課題を流動化で解決

少子高齢化が進む中、各方面で人材確保が難しくなっている。その中でも、今後の産業力強化のネックになると指摘されているのがデジタル人材の不足だ。株式会社クラウド人材バンクは、この問題に取り組むため、2021年に創業された。

「クラウド人材バンクが考えるデジタル人材とは、既存業務をデジタル化して生産性を高めるだけでなく、新しいビジネスモデルや顧客体験を創造できる力を持つ人。このような人材が流動的に活躍することで、市場における人材不足を解決したいと思っています」

そう話すのは、代表取締役の金居宗久。クラウド人材バンクでは、ITコンサルタントやプロダクトマネジャーをメインの対象とする、ジョブマッチングサービスおよびプラットフォームを提供している。

「例えば、医療機関に対する予約手段を患者が他ユーザーの口コミを閲覧することで、より多角的に病院を選ぶことができる、という仕組みの開発を弊社の人材が支援した事例があります。これは他の業界や企業群に留まっているデジタル人材を医療業界に流動化することで、顧客体験が劇的に変わった良い事例です」

経済産業省では、同様の人材を「高度IT人材」と呼び、2030年には約192万人が必要となり、最大79万人が不足すると試算している。この問題を解決するために、同社は「デジタル人材バンク」というサービスを立ち上げた。

問題解決の方法としてデジタル人材の流動化を選んだのは、その人たちが保有するスキルや知見を一部の企業の中だけに留めず、幅広い業界や業種で活用してもらうため。それにより、DXやイノベーション創出を加速できると考える。

「流動化実現のために、現在は業務委託の案件を中心にマッチングしています。個人事業主だけでなく、兼業や副業、起業や転職者など、登録者が目指す職種や使命の実現に向けて、最適な方法を一緒に考え、提案しています。企業側に対しても、理念や事業目標を実現するべく、最適な人的リソースの調達の相談に応じています。

また、プログラミング教室やDX研修を提供するために地方の教育機関へ寄付もしています。スキルを身に付けた後は都市部の案件に参画してもらうなどし、都市と地方の人材の流動化に取り組んでいます」

日本の未来のために、デジタル人材の活躍の場を広げたい

この事業の立ち上げを金居が選んだ背景には、自身のそれまでの経験がある。

新卒で外資系コンサルティング会社に入社した金居は、東京一部上場企業や官公庁における多種多様な企業の経営コンサルティングを行った。その後、フリーランスのコンサルタントやベンチャー勤務を経て、2010年に学校教育ビジネスで起業。2015年には、経営コンサルティング事業とプロダクト受託開発事業を柱に再度起業し、事業が順調に成長する中、コロナ禍が発生した。

「移動や会食などの時間が減ったことで、内省する時間ができ、自分は何のために生きているんだろうと考えるようになりました。幸いにも仕事の依頼はたくさんあるけれど、売上や収入を増やすだけでは心が躍らないことに気付いてしまった。教育ビジネスを立ち上げた時は『学校教育を変革するぞ』という想いで頑張っていて、当初はお金で苦労しましたが、希望にあふれ、自然に内からエネルギーが湧いてきたことを思い出しました」

以前は発展途上国を支援するNPOの活動やSDGsのサステナビリティ推進などと、自分との間に距離を感じていた金居。それを変えたのは、現在7歳になる我が子の誕生だったという。

「この子が日本の未来を生きる一人なんだと実感したら、今の子どもたちの胸が高鳴るような日本にしたいと思いまして。日本の未来を良くする、元気にすることが、親であり先達としての責務だと強く感じるようになりました」

日本の未来を良くするためのワクワク感のある新しい挑戦を始めたい。そう考えた金居は、DXがキーワードになり、デジタル化が喫緊の課題とされる中、経営コンサルティングやプロダクト受託開発をしてきた自身の経験は、その課題解決に活かせるのではないかと思い至った。

「2度目に起業した際、自社プロダクトとして日中越境ECサイトを作りました。自分はエンジニアではなく、実現したい世界観や想いがあるだけ。でも、エンジニアリングが分かる人がいたことで、想いをすぐに形にできた。このようなビジネスとテクノロジーの両方が分かるデジタル人材が多様な業界に広がれば、さまざまな人の想いをもっとたくさん実現できる。そうすれば世の中がもっと元気になると考えたのです」

幸い自分には、キャリアコンサルタントの資格を取得した経験がある。そして、小学校からの友人で、現在クラウド人材バンクの社外取締役を務める佐藤卓也は、同業のビジネスで起業し上場をさせた経験がある。条件が揃っているのだからと、デジタル人材のマッチングサービス事業を決意した。

ミッションとビジョンでつながることが、持続可能な関係性の要

クラウド人材バンクのミッションは「人材の流動化により、日本の競争力を強化する」。

そして、デジタル人材バンクの中長期目標としてのビジョンを「“ビジネス”と“テクノロジー”の双方を熟知したデジタル人材が、業界業種や都市/地方の枠を超えて、日本のさまざまなシーンでスキルやケイパビリティを発揮している環境を作る」としている。

創業時にミッション・ビジョンを明確にしたのは、過去の経験からの学びの結果だ。

「日中越境ECサイトを制作した時、改善するためのサイクルをしっかり回して、より価値貢献をできるようにしなければならないのに、作ることが目的になっていました。結局このサイトは維持できず、集まった一部メンバーは離れることになりました。この時、仕事を共にする仲間とはミッションやビジョンといった、何のために存在するのか、どういう世界をつくりたいのかをしっかりと共有し、根底でつながっていなければ、持続可能な関係を結ぶのは難しいと痛感しました」

創業時に金居は四つのバリューも制定した。「ステークホルダーに寄り添う」「持続可能な関係性を構築する」「今日やると決めたことは今日やる」「共創を楽しむ」である。

このバリューを行動指針として働く、社員の数は現在13名。ほぼ全員がリファラル採用ということもあり、ミッション・ビジョンに込めた想いは共有されているが、さらに理解を深めるために、月次の全体会議はミッション・ビジョンについて全員でディスカッションする場として、時間の大半を使っている。

「質問が出ることもあれば、『なんで流動化が必要なんでしたっけ?』という問いかけが出てきたりもします。そこから『流動化することによって、どのようにイノベーションが生まれてくるのか』といった議論が弾みます」

優秀な人には時短で携わってもらうケースもあるため、子育てをしながら働く女性も多い。

「海外で活躍した後、子育てに入って、現在は仕事量を抑えている方などもいます。そういう方々から、海外の人材の流動化や働き方、ワークライフバランスの事例なども聞いています」

2030年の子どもたちに、多様な選択肢がある、可能性に満ちた世界を見せたい

「ワクワクできる新しい挑戦を始めたい」。そう願い、クラウド人材バンクを興した金居。その想いは時間が経つにつれ、より満たされてきているという。

「これまで勤務したり、起業や経営をしたりしていたコンサルティング会社や受託開発会社と、クラウド人材バンクはビジネスの形態がまったく異なります。いわゆる事業会社をゼロから作っていくのは初めての経験なんですよね。以前からコンサルティング活動を通じて、事業会社の経営も理解していましたが、外部から支援するのと実際に自らやってみるのでは次元が違う。一つひとつは大変ですけれど、全体としてはとても楽しいです」

大変なことの連続の中で喜びを感じるのは、面談で登録者が「やっぱりクラウド人材バンクさんは、ほかのサービスとは違う。深いところまで理解して、自分に合ったものを紹介してくれたり、案件参画後も伴走してくれる」と言ってくれた時。

「登録者との面談には特に力を入れています。履歴書や職務経歴書を見ただけでは分からないことも、マッチングにおいては重要ですから。例えば、プロダクトマネジャーのような上流工程に関わる場合、プロダクトを作って終わりではありません。さまざまなステークホルダーとのやり取りや、チームのマネジメントも必要になる。どんな役割でどのような困難をいかに乗り越えてきたのか、どういうカルチャーの会社で育ってきたのか、などを知らずに案件の紹介をすることはできません」

エンジニアも同様で、スキルシートだけでは判断できない。職務経歴書も提出してもらい、過去に携わった仕事の会社の業種や規模、カルチャー、その中でどんな役割でどういった案件を経験してきたのかを丁寧にヒヤリングする。スキルや経験だけでなく、その人が「何をしたいか」を大切にし、キャリア志向や働き方の希望に沿った案件を紹介することも重視している。

「例えば、フリーランスとして働いていて、今は報酬を上げることを重視したいという方には、そういう案件をたくさん紹介します。自分で事業を育てたいけれど、立ち上げの経験がないという方には、それを学べる案件を紹介します。企業文化も重要ですから、スタートアップやベンチャーで働きたい、あるいは自分で事業を作りたいと言っている人に、大企業の案件を紹介するようなことはあまりしません」

人材が流動化することで、受け入れ側の企業も人材の活用法を深く考え、多様な働き方やキャリアパスに対応できる方法を工夫していくだろう。優秀な人材を引き付けるためには、企業側も魅力的にならなければならない。その循環によって、産業界全体が盛り上がっていく。そう考える金居は、クラウド人材バンクという社名の下に、デジタル以外の流動化を進めたい職種やターゲットごとの人材バンクの創設を構想している。 

「2030年には、現在小学生の子どもたちが中・高・大学生になっています。彼ら彼女らが、将来やってみたいことのWhat・Whyが分かっているなら、それを実現するためのHowをたくさん提供したい。就職だけではなく、起業などの多様な選択肢が今よりもずっと身近にあり、可能性にあふれていると感じられる世界にしたい。そう考えています」

公開日:2023年1月11日

Profile

早稲田大学 人間科学部卒。 朝日アーサーアンダーセン株式会社(現PwCコンサルティング合同会社)に入社。その後、GCDF-Japanキャリアカウンセラー取得や起業などを通じて、東京一部上場企業や官公庁における幅広い企業へ向けた経営コンサルティングと受託開発事業を展開。2021年に株式会社クラウド人材バンクを創業し、代表取締役に就任。

Contact
東京都渋谷区恵比寿1-19-19 恵比寿ビジネスタワー2・10F

Credit

インタビュー・執筆:ひらばやしふさこ/編集:勝木友紀子
撮影:新見和美

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