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ストーリー代表・CEO

「デジタルデータソリュー ションカンパニー」として 世界ナンバーワンへ

代表_デジタルデータソリューション

「データ復旧」で11年連続
国内ナンバーワンシェア

2年後に海外展開をスタート。
次の事業柱となる新規事業も続々と創出

デジタルデータソリューション株式会社
代表取締役社長
熊谷 聖司/Masashi Kumagai

 

国内トップのデータソリューションカンパニーとして躍進を続ける

「デジタルデータ」に関連するあらゆる課題や問題に対し、世界最高水準の技術力をもって解決するデジタルデータソリューション株式会社。

累計16万件超の実績から培われた技術力、対応スピード、そして世界トップクラスの設備保有台数という強みを活かし、個人から法人、官公庁まで、データトラブルに陥って困っている人々の依頼に応えている。その技術は2017年5月に東京都の経営革新計画に認められた。

依頼内容は幅広い。法人顧客からは、「財務情報」「顧客情報」「研究記録」など、業務や事業運営に欠かせないデータの修復を依頼される。個人顧客からは「写真」「映像」「メール」など、大切な思い出や記録を取り戻すための依頼が多い。

データは、所有者にとって財産だ。データを守るべき役割を果たす同社には、日々感謝のメールや手紙が数多く寄せられるという。「どうやっても、どこに行っても復旧できなかったのに、本当に助かった」は毎日のようにかけられる言葉。法人であれば、億~数十億単位ものプロジェクトデータを復旧させるなど、「会社が救われた」と喜ばれることも多い。国家機密に関わるデータ復旧を成功させた際には「日本が救われた」という賛辞も受けた。

代表取締役社長の熊谷聖司は、自社の理念をこう語る。

「当社は売上アップが目的ではなく、『困った人たちを助けたい』という想いで集まっている集団なんです。人の役に立てているという実感を、常に味わうことができうれしいです」

主力であるデータ復旧をはじめ、「デジタルデータの問題解決」に関わる幅広い領域へ展開している。中でも成長を見込んでいる分野が「データフォレンジック」。いわば「データ鑑識」だ。不正や犯罪が行われた際に証拠データを調査・解析。つまり、破損や、故意に消去されたデータを復旧するサービスであり、犯罪捜査や法的紛争などにおいて法的な証拠性を明らかにする目的で利用される。法人では不正会計や雇用・労務、個人では離婚訴訟など、さまざまなトラブルの解決に貢献する。

また、個人向けに提供する「ワランティサービス(データ復旧保証サービス)」も支持を得ている。個人レベルでも膨大なデータを扱うようになった昨今、デジタルデータも重要な「個人資産」。それを守るため、低額な保証料で高額なデータ復旧費用をカバーするサービスだ。

同社は、2018年1月にIDEMAデータ復旧部会(国際ディスクドライブ協会)の部会長に就任。デジタルデータを守るマーケットでの業界標準を、中心的立場で整備していく。

 

多大な負債を抱えた会社を引き受け、1年で再建を果たす

学生時代は野球に熱中していたという熊谷。「社会の役に立つ仕事がしたい」と土木の専門学校に進み、設計事務所に就職した。しかし、世の中にはIT企業が台頭。同年代社長が活躍する姿をテレビで目にし憧れを抱き、24歳のときIT・通信会社に転職する。

電話回線の営業として働き始めると、入社1ヵ月目でトップの業績を挙げた。

「僕は子どもの頃からビビりなんです。周囲からは自信家に見えると言われますが、実は臆病で神経質。でも、それが営業活動では功を奏したんです。自分からガンガン話すことはできないけれど、常に相手の様子を観察するため、心の動きが読み取れる。相手の気持ちをつかんで提案できるというわけです。今も、人と接するときは『何を求めているのか』を常に考えながら対話していますね」

営業として好スタートを切ったが、3ヵ月目で会社が倒産。その会社のトップセールス10数名が集まって新会社を立ち上げ、熊谷も参画した。今の会社の前身となる会社である。

入社直後は、会社に愛着があったわけではない。数ヵ月稼いで辞めればいい、後はどこに行っても生きていける、という考えだった。

しかし、会社が成長し、自身も成長していくにつれ、「経営」に対して「こんなにおもしろいものはない」と感じるようになる。次の展開が楽しみで、経営ノウハウや課題解決法を身に付けるため、ビジネス書も読みあさった。こうして熊谷は、事業部長から専務取締役へと一気に駆け上がった。

その過程で、熊谷が主導となり始めたのがデータ復旧事業だった。自社のデータが消えるトラブルがあり、業者に依頼すると「できない」と言われた。そこにビジネスチャンスを見出し、データ復旧サービスに乗り出したのだ。当初はアメリカやロシアから最新技術を取り入れ、さらに自社独自の技術を研鑽していった。

熊谷が手がけるデータ復旧事業は順調に業績を伸ばした。ところが、別の幹部が手がけたさまざまな事業がことごとく失敗し、16億の負債を抱えてしまう。

「16年続いた会社を潰すわけにいかない」と覚悟を決めた熊谷は、前社長と役員からすべての株式を買い取り、代表取締役に就任。民事再生によって負債を1億6千万まで減らし、わずか1年で完済した。

「倒産寸前から再建に取り組んだ1年間は、毎日地獄の日々でした…と、表向きは言ってるんですが、実は不安はまったくなかったんです。絶対にできると思っていたから。ビビりのくせに、そういうところは大胆なんですよね(笑)。ただ自信には根拠がありました。先の計算はちゃんとできていたんです。数字はきっちり見るほうなので」



「理念」を持った人材を育成し、世界ナンバーワンを目指す

そして、この時期、熊谷が見つめていたのは数字だけではなく「人」だった。数字を作るのも会社の雰囲気を作るのも「人」。「会社は人がすべてだ」と実感した。

スキルを高め、成果を挙げたとしても、「企業理念」「経営理念」を守らないメンバーがいれば会社はいずれ滅びると、熊谷は考えている。マーケティングより、戦略より、理念を社内に浸透させることが最優先課題なのだという。

そこで熊谷は1年を費やして経営理念手帳「DDS WAY」を作成し、社員に配布した。

手帳は100ページ以上にも及ぶが、根幹の理念とは「変化する社会環境に応じ、お客様の問題解決に役立つサービスの提供を通して社会の発展に貢献する」「私たちと関わりのあるすべての人たちに常に誠実に接し続ける」というものだ。

標語を掲げ、手帳を配るだけではない。熊谷は数人ずつ社員を集め、書かれている理念について「つまりはどういうことか」を丁寧に解説する。「変化する社会環境」というが、「では、実際にどんな環境変化が起きているか」の具体例を挙げる。自身の想いを一方的に伝えるだけでなく、メンバーの考えも聞いて議論を行う。

こうして理念の共有に力を入れた結果、離職率も大きく低下したという。

もちろん、理念を実現するための知識、技術の向上も同時に進める。技術部門では、エンジニアと共に世界中をまわり、世界トップクラスの技術者との交流を深めている。

「まずは自分の中に理念を持ち、その実現に向けてスキルを習得し、失敗を恐れず挑戦する。その実践を促すことで、メンバーを成長させ、会社も成長させていきます」

これから迎えるメンバーは、総合職として入社し、研修後、適性に応じてさまざまな部署に配属される。その後もジョブローテーションによりキャリアチェンジが可能。実際、文系出身の社員が最初は営業を担当したものの成果が出せず、技術部門に異動し、現在はトップクラスのエンジニアとして活躍している例がある。一方、エンジニアからキャリアをスタートし、今では次世代技術を活用した新規事業の立ち上げに一役買う者もいる。

事業やサービスの開発だけでなく、個々のメンバーのキャリア形成においても「チャレンジ」を推奨される環境といえるだろう。

デジタルデータソリューションは、常に新規ビジネスの可能性を探っている会社だ。時間をかけて事業計画を練るというより、「なんかいけそうじゃん。やってみようよ」といったように、朝に発案されたものがその夜には動き出すという。

「当社の方針として『やって失敗する』のはOKなんです。失敗を恐れてやらないのはNG。やって失敗して怒られたり評価が下がったりした人は1人もいません。自分のアイデアを持ってどんどん挑戦していきたい人には、おもしろい環境だと思います」

現在も、数々の新規事業が立ち上がっている。それらはすべて海外展開を視野に入れている。今、掲げるビジョンは「世界ナンバーワンのデジタルデータソリューションカンパニー」になることだ。

まずはアジアを中心に展開し、その後ヨーロッパ、北米に進出するか、あるいは最初から北米市場を狙うか――2年後を目途として戦略を練っている。

「2026年には世界トップシェア、売上高1000億円を目指し計画を実行していきます。国内で多くのお客様に喜ばれてきたように、世界でさらに多くのお客様を助けられる存在になりたいですね」

 

リスナーの目線

自身を「弱虫で臆病」と認めつつも、幅広い経営理論と数値分析力を武器にして大胆なチャレンジをする一面も持ち合わせている。デジタルデータの技術を磨き上げる一方で、一人ひとりと膝を付き合わせて「言葉」を交わす時間を大切にする――その資質と行動の多面性こそが、成長をけん引しているカギなのではないかと感じました。

インタビュー・編集/青木典子 撮影/出島悠宇

Profile

1976年生まれ。専門学校を卒業後、設計事務所勤務を経てIT通信系企業に転職。入社1ヵ月目でトップセールスを記録する。2000年、同僚が立ち上げたデジタルデータソリューション株式会社に参画し、2003年、役員に就任。2004年にデータ復旧事業(ブランド名:デジタルデータリカバリー)の立ち上げを行う。近隣アジア諸国やヨーロッパ・北米のデータ復旧企業や、研究者と共に技術開発に取り組み、過去10ヵ国へ計10回以上赴き、デジタルデータリカバリーの技術向上に注力した。

2014年9月にデジタルデータソリューション株式会社代表取締役社長に就任。

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