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ストーリー代表・CEO

ユニフォームの コンシェルジュとして お店の価値と利益を 向上させる

代表_エムアンドエス

デザインからレンタルまで
トータルプロデュース

「おもてなしのプロをもてなす会社」
を理念に、ユニフォームの枠を越えた
さまざまな価値を提供

株式会社エムアンドエス
代表取締役
齋藤 優 / Masaru Saito

お店のブランド力を高めるユニフォームを提案し、運用を支援

「ユニフォーム」は、会社やお店の印象を大きく左右する大切な要素だ。特に飲食店においては、インテリアや食器などと同様に、店を魅力的に演出する役割を果たす。また、慢性的に人手不足の飲食業界においては、スタッフ自身が「着たい」と思えるユニフォームを採用することで、人材確保にも効力を発揮する。

株式会社エムアンドエスは、ユニフォームのデザイン提案から製作、販売、レンタル、管理まで、ユニフォームに関するトータルプロデュースを手がける会社だ。

顧客は飲食業をはじめ、小売業やメーカーなど。飲食店の納入先は、20店舗程度をチェーン展開する企業を中心に、個人店から100店舗以上の大型チェーンまで幅広い。高級店が多いのも特徴だ。

昨今では、ユニフォームのカタログを持って行っても「要らない」という顧客が増えているという。汎用的なデザインや素材ではなく、自店のコンセプトによりふさわしいユニフォームを求めているのだ。

代表取締役の齋藤優は「ユニフォームのコンシェルジュでありたい」と語る。

「ユニフォームには、ポリエステルなど耐久性のある化学繊維が使われるのが一般的。しかし、例えばオーガニックを打ち出すお店や、高級感のある『和』を演出したいお店からはコットンや麻などの自然素材を使いたいというご要望もあります。最近ではデニム素材も人気ですね。もちろん、世の中のファッションのトレンドにも左右されます。また、20代のスタッフが着たいと思うもの、20代から60代まで幅広い年齢層に似合うものなど、お店のスタッフの年齢層も考慮する必要があります。当社では、ユニフォーム専門のデザイナーがお客様の要望を聞き、理想のイメージを形にします。縫製工場とも提携し、小ロットのオリジナルユニフォーム製作にも対応しています」

さらには、付加価値のある企画も仕掛ける。例えば、ファッション専門学校に依頼して学生にユニフォームのデザインコンペをしてもらい、採用したデザインをプレス発表する。

顧客にとっては、優れたデザインのユニフォームができるだけでなく、宣伝効果も得られるというわけだ。

ユニフォームが決まったら、販売して終わりではなく、レンタルサービスも行う。汚れたユニフォームを定期的に回収し、クリーニングして再納品する仕組みだ。レンタルには初期費用の削減、在庫管理の合理化、衛生基準の維持といったメリットがある。すでに使用しているユニフォームをエムアンドエスが買い取り、レンタルユニフォームとして運用するサービスも提供している。

ユニフォームレンタル会社は数多くあるが、エムアンドエスならではの特徴は、ユニフォームの「稼働率」を細かく管理している点にある。スタッフ一人ひとりがどの程度の頻度で着替え、月あたり実質何着使っているかのデータを出すことで、その店にとって最適な投入枚数を算出して提案する。

「それをしない業者のほうが、実はもうかるんですよ。お店がムダに多く使ってくれれば、レンタル提供側の売上は上がりますから。でも、それでは最終的にお客様の満足にはつながらない。お客様にコスト削減、利益向上の対策を提供できてこそ、パートナーとしての価値を認められると思うんです。それに、『ユニフォームがない!』などの事態が発生したとき――多くの場合、他の人が着ていたり置き忘れていたりするんですが、納品データの管理を徹底することで、問い合わせにもすばやく答えることができるんです」

 

「正しくないことはやりたくない」という想いで転職

ユニフォームビジネスに20年以上携わってきた齋藤だが、社会人としてのキャリアは生命保険会社からスタートした。大学卒業後、大手生命保険会社に入社し、拠点長として保険外交員のマネジメントを行っていた。

「マネジメント」の素地が養われたのは大学時代。中学~高校と野球部でピッチャーとして活躍したが、身体の故障により、大学では野球部でマネジャーを務めた。マネジャーの仕事は、マスコミ対応、OBとの折衝、寮生活の管理など、チーム運営全般。監督に叱られて落ち込んでいる部員には監督の真意を伝えて励ますなど、メンタルケアも担った。

そうした経験を活かし、生命保険会社でもマネジメント手腕を発揮したが、29歳のときに退職を決意する。上司から、売上数字の計上のために強引な手法をとることを求められた齋藤は、上司と度々衝突していた。「会社のためだからといって、嘘はつけない。正しくないことはできない」。そう考え、見切りをつけたのだ。

退職を決めた齋藤に「うちに来ないか」という声をかけてくれたのが、取引先だったユニフォームレンタル会社の社長だった。高収益を挙げていた企業であり、「なぜもうかるのか」に興味を惹かれ、営業として入社した。

働いてみてわかったのは、「顧客にムダに使わせる」ことで利益を挙げているという実態。クレームを受けても「しょうがない」で済ませ、改善しようとしない姿勢に「これでいいのか」という疑問が浮かんだ。

そんなとき、アメリカの大手企業系列のユニフォームレンタル会社からスカウトを受ける。ユニフォームレンタルはもともとアメリカで生まれたサービスだ。「本場のノウハウを身に付けたい」と考え、誘いに応じて転職した。

その会社では、しっかりした仕組みは学べたものの、齋藤は物足りなさを感じるようになった。大手であるため組織が細分化されており、契約を結んだ後はサービス運用部門に任せることになる。営業として、顧客との関係を深堀りできない体制だった。

「私は、お客様とコテコテのお付き合いをしたかったんです。おそらく、前職の生命保険会社で『お客様の人生に寄り添い、サポートする』というやりがいを知ったからでしょうか。人への興味が強く、特にビジネスの世界で勝負しているオーナー経営者さんと信頼関係を築き、長く付き合っていきたいという想いがありました」

顧客と近い距離で、本当に喜んでもらえるサービスを提供したい――そんな想いが強まり、起業を決意した。お客様に満足を提供できるという手応えはつかんでいた。前職で成功体験を得ていたからだ。

前職ではクレームが多く、毎日のようにお客様に呼び出されて怒られる中、改善方法を探って試行錯誤を繰り返していた。クレームの多くは「汚れが落ちていない」というもの。そこで、各店舗を回り、「スタッフが規定の着替え回数を守っていない」という原因を突き止めた齋藤は、それをデータにして「稼働表」として顧客に提出した。すると、「これはすごい。会議で使う」「ここまで頑張ってくれるなら、契約更新するよ」と感謝された。

その顧客は、齋藤が起業を考え始めたとき「きみがこの仕事をやるのなら、発注する。早く会社を作ってくれ」と後押ししてくれたという。好評を得た「稼働表」は、もちろん、現在もサービスの運用に活用している。 

 

飲食店経営者にとって距離が近く、何でも相談できる存在でありたい

飲食店は多くの業者と取引をしている。肉・魚・野菜といった食材の卸業者を中心に、酒屋、厨房機器会社、清掃会社、飲食業コンサルタントなどだ。そうした出入り業者の中でも、顧客にとって一番距離が近い存在でありたいと、齋藤は言う。

そこで、飲食業界と取引がある業者を集めて勉強会を開催するなどして、ネットワークを構築。「志」を持った仲間とつながりを持ち、情報を仕入れて、飲食店に提供している。今では、「この魚を手に入れたいんだけど、扱っている業者を知らない?」「デザートメニューを増やしたいんだけど、〇円以下で調達できるところがないかな」など、飲食店オーナーからさまざまな相談が寄せられる。

「ユニフォームだけでなくさまざまな面で、お客様にとって価値のある情報を提供する。誠心誠意尽くすことによって、信頼関係をより強固にしていきたいですね。エムアンドエスの理念は『おもてなしのプロをもてなす会社』。飲食店を経営するお客様は、ホスピタリティを磨き上げている方々ですから、当然、自社が受けるサービスに対する目もシビアです。それを意識して気を引き締め、顧客満足を追求していけば、結果として自身のホスピタリティが高まります。社員たちにも、そうして『信頼を得る力』を磨いてほしい。その力は、一生の財産になるはずです」

エムアンドエスの次なるビジョンは、拠点の拡大だ。管理力・サービス力を維持できるサイズの拠点を展開し、関東一円をカバーすることを目指す。各拠点は「支社」ではなく、「グループ会社」として独立させ、ホールディング化する構想だ。

「各拠点のトップは、年収1千万以上得られるようにしたい。だから、これから入社する方も『子会社のトップ、オーナーになる』という気持ちで入ってきてほしいですね。自身が経営者となり、その地域の飲食店オーナーたちとパートナーシップを結ぶ。自分が納品したユニフォームを着てスタッフが生き生きと働き、お店が活性化して繁盛店となる――そんなやりがいを味わってほしいと思います」

 

リスナーの目線

過去のエピソードの数々をお聞きしていて感じたのは、「正義感の強さ」。利益を得るために他人を欺いたりごまかしたりするなんて絶対許せない、という信念が響いてきました。「お客様とコテコテの付き合いがしたい」という人情家でありつつも、データの分析や関連業者とのネットワーク構築など、冷静な戦略家の一面も併せ持つ齋藤社長。拠点拡大に伴い、業界のあり方そのものも変えていかれることでしょう。

インタビュー・編集/青木典子、宮本理司 撮影/田中振一

Profile

1964年、埼玉県出身。明治学院大学卒業後、大手生命保険会社に入社。銀行とのタイアップ商品をオーナー経営者に案内する営業を経験後、拠点長として保険外交員のマネジメントを行う。その後、ユニフォームレンタル会社2社で経験を積み、起業を決意。損害保険代理店として生活費を稼ぎながら2年かけて起業準備を進め、2002年、株式会社エムアンドエスを設立。

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