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ストーリー代表・CEO

「課題大国から、挑戦大国へ」世の中の課題に挑戦する企業と企業をつなげるPRMツール開発の裏側

最新ストーリー代表_パートナーサクセス株式会社

次世代へ向けて、挑戦者を生み出し続ける社会を作る

永田 雅裕 / Masahiro Nagata
パートナーサクセス株式会社
代表取締役CEO

企業間連携のあり方を変える。代理店連携管理クラウド「PartnerSuccess」の開発・提供

国内メーカー企業の約80%は、自社サービスやプロダクトの販売チャネルを複数持っている。自社からの直接販売だけでなく、パートナーである代理店と連携してサービスやプロダクトを販売する。こうした代理店販売は、流通市場の約75%を占めているという。

「現状の代理店販売には大きな課題があります。メーカーが作ったプロダクトを販売する代理店は、一次請け、二次請け、三次請け……という形式の下請け構造。メーカーは代理店企業が増えれば増えるほど、コミュニケーションコストや管理コストが上がるため、収益を得にくくなるのです」

そう話すのは、パートナーサクセス株式会社の代表取締役CEO永田雅裕だ。

2019年に設立された同社は、「アライアンスをハックする」をミッションに掲げ、企業間の連携をテクノロジーで変えようとしている。同社が開発・提供するPRM(代理店連携管理クラウド)「PartnerSuccess」は、メーカーと代理店の双方向コミュニケーションを可能にし、コストを一定に抑えて収益が取れる構造を構築する。

小さくても優秀な企業が、大きく飛躍するきっかけを提供したい

「代理店連携管理クラウドで企業間の連携のあり方を変える」という着想は、永田がパートナーサクセス株式会社を立ち上げる前に起業した、販売代理事業での経験に基づいている。

29歳で1社目の会社を起業した当時は、世の中がスマートフォンにシフトしていく真っ最中。画像だけでなく、動画もシェアできる時代になった。動画の次は何が来るのだろう? その時、永田が思い描いたのは「空間」のシェアだった。

「事業について考える時、私は『行列のできる飲食店の法則』を思い描きます。いい料理人といい給仕人がいれば、おいしい料理を作って、その料理の魅力を伝えることができる。そうすれば、その店には行列ができます。私は給仕人として、料理がどんな想いで作られたか伝えることはできますが、自ら料理を作ることはできません。そこで、良い“料理人”を探す必要がありました」

永田が考える「360度空間シェア」というサービスを作れる料理人はどこにいるのか。周りを見渡した時、飛び込んできたのが、「ストリートビュー」を提供するGoogle社だ。Googleなら世界でトップクラスのすぐれたエンジニアがいる。

Google社とつながりのある企業に紹介をしてもらい、運良くGoogle社のパートナー企業となった永田は、屋内版ストリートビューを広めるべく、提携する飲食店やホテルを開拓していった。提携施設に直接赴いて、施設内を360度カメラで撮影する。そうした制作まで含めて請け負ってくれるパートナー企業を400社ほど集めて、全国に屋内版ストリートビューを広げていった。

その結果、1年目でGoogle社から新人賞を授与され、3年後には世界のGoogleパートナー企業3,000社の中でトップ5に入る実績を積み上げた。当初まったく無名だった永田の会社は、Google社に認められたことで大手企業から声がかかるようになり、代理販売業で事業を拡大していった。

「Googleのような大きな会社に認められたことで、明日つぶれるかもしれない小さな会社が大きく飛躍できました。世の中には、こんなふうに一生懸命やっていても、日の目を見られない企業がたくさんあります。その問題を解決したくて、PartnerSuccesを作りました。PartnerSuccessにデータを集約することで、そうした小さな企業が見つかりやすくなる。それを足がかりに組織を大きくしてもらって、日本を変える原動力になってほしいと考えています」

開発組織を一から立て直し、唯一無二の仕組みを作りあげる

日本市場の先駆けとなるべくPRMの開発に着手した同社だが、開発までには大きな苦労が伴った。

PartnerSuccessは業務システムであるため、顧客管理や受発注、請求管理など幅広い要求に対応しなければならない。いわば、間取り1Kの部屋を作るのではなく、5階建てのビルを建て、さまざまな用途に使えるよう設備を整えていかなければならない。また、外部連携をするための仕組みが非常に煩雑で、設計には膨大な時間を費やした。

一般に、業務システムは自社のために構築されるものだ。例えば、営業担当者がお客様データを入力して管理するような使い方をする。PartnerSuccessでは、こうしたデータを外の企業からも見られる設計にする必要があった。

「『あるデータは見られるが、あるデータは見られない』。家に例えると、キッチンには入れるが、寝室には入れない。こうした部屋のドアの開け閉めのような部分が複雑で、さらにさまざまな企業が絡み合うために、設計は困難を極めました。日本でこの領域にチャレンジした人がいないわけでなく、皆さん、これで挫折をしたのだと分かりました」

課題解決に対するニーズがあり、大きなビジネスになるという手応えはある。それを信じて懸命に開発に取り組むメンバー。しかし、いざ顧客にプロダクトを提案しても、期待したような反応が得られなかった。作っても作っても「まだ足りない」と言われているようで、何度も作り直しが発生した。延々と試作品の開発を繰り返す毎日を、永田は「暗いトンネルの中を歩き続けているようだった」と振り返る。

「自分たちのやろうとしていることは、正しいのだろうか」

時間が経てば立つほど不安が募り、1年が経過する頃には、初期の開発メンバーが去っていた。永田はCEOとしての自信を失い、社内は徐々にギスギスした雰囲気になっていった。

自分たちに何が足りていないのか、開発がうまくいっている組織はどんな考え方を持っているのか。悩んだ永田は、他社で開発責任者をしているエンジニアに話を聞き、開発組織の立て直しを図った。また、1カ月をかけて他社のCTOなど約20人に教えを請うた。そして気付いた。

「自分自身はコードが書けるわけではないので、エンジニアとして開発はできない。しかし、エンジニアの仕事を理解したり、勉強したりすることはできる。これまで、そうした理解をするための行動をしてこなかった。エンジニアからすると、私は話も相談もできない『裸の王様』のような存在だったのだと」

他社の開発責任者たちへのヒアリングから学びを得て、新しいチーム構成で開発に臨んだ結果、ほかにないユニークな仕組みにたどり着いた。

それが「オープンプラットフォームモデル」と名付けた企業間連携の仕組みである。FacebookやLINEなどのSNSに近いもので、1人1アカウントを取得して、友だち追加をすることで別アカウントとつながる。PartnerSuccessのアカウントを企業ごとに作成することで、アカウント同士の連携が可能になる。

従来は、メーカーがコミュニケーションツールのアカウントを取得する際、その中に代理店のアカウントも含めて取得していたために、メーカーと代理店のやりとりはクローズドな状態となっていた。PartnerSuccessでは企業ごとに独立してアカウントを持つため、オープンにコミュニケーションをとることができる。

「より良いプロダクトをリリースできたことで、IT系上場企業などのお客様からの反応も集まるようになりました。売上が伸びてきて、ようやく暗いトンネルから抜けられた気がします」

次世代に向けて挑戦者を生み出し続ける社会を作りたい

「2027年までに、時価総額1,000億円以上の状態で200億円の資金を集めて上場することが次の目標です。その先は、2040年までに1兆円企業を作る」

そう語る永田には、こんな想いがある。

「日本は課題大国といわれています。課題が多いということは、事業テーマが多いということ。事業テーマが多いということは、挑戦者にとっては非常に良い土壌だということです。今後は、『挑戦者を生み出し、挑戦し続けるものとともに』というビジョンのもと、新しいことに挑戦しようとするスタートアップを生み出す仕組みを作っていきたいですね」

5歳と2歳の子どもの親でもある永田は、次世代への強い想いも口にする。

「20〜30年後の子どもたちの心を動かす国にできるかどうかは、私たちミレニアル世代にかかっています。ミレニアル世代がどんな想いを持って社会を作っていくか。挑戦者を生み出せる社会にできるのか。どうすれば挑戦し続ける人たちと協力し合えるのか。そこにチャレンジしたいという想いが、事業の根本にあります」

今後はプロダクトをより多くの企業に広げられるよう、認知活動、営業活動を行っていく。その前提として、開発組織をより充実させ、開発スピードを上げることに注力する。

「PartnerSuccessは『企業と企業のあり方をデジタルで変えていく』という唯一無二な仕組みです。新たなビジネス機会を生み出せるツールを開発して、世の中を変える。エンジニアとして、そんなイノベーティブなテーマに取り組める環境はおもしろいのではないでしょうか」

PartnerSuccessはメーカーと販売代理店の連携を促す仕組みを提供しているため、「今どんなサービスが流行っていて、これからどんなサービスが伸びていくのか」といった世の中の流れをつかむことができる。投資家的視点や経営的視点で世の中の商流を見られることから、ビジネスを学びたい人にとっても良い経験になるという。

「デジタルで世の中の仕組みをアップデートすることで、必要な人に必要なモノやサービスが届くようになるでしょう。そんなより良い世の中を実現するため、パートナーサクセス株式会社は力を尽くしたいと思います」

公開日:2022年9月8日

Profile

1984年生まれ。母の実家が商売をやっていた影響から20代で経営者になることを決め、25歳から営業や営業コンサルを個人事業主として開始。29歳の時に、GoogleストリートビューやVR事業を展開する「LIFESTYLE株式会社」を創業した。
連続起業家として2社目となる「パートナーサクセス株式会社」を2019年に創業。ベンダーと販売代理店をつなぐ、PRM(代理店連携管理クラウド)の開発と提供を行う。Googleや日本メーカーのパートナーとして戦略構築し、事業を拡大している。
TechCrunch2021など、数々のスタートアップコンテストで入賞や優勝実績あり。

Contact
東京都港区西新橋1-1-1 WeWork 日比谷FORT TOWER

Staff

インタビュー・執筆:森田大理/編集:佐々木久枝

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