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ストーリー代表・CEO

ICT×最新テクノロジーでインフラ業界を改革もっと便利で快適な世の中を創造する

代表_ベイシス

サッカースタジアム・球場
コンサート会場など大型施設の
インフラ整備に高い実績

IoT、AI、RPAのテクノロジーで
インフラ業界の効率化・生産性向上を目指し
社会に貢献する

ベイシス株式会社
代表取締役社長
吉村 公孝 / Kimitaka Yoshimura

ICT事業×最新テクノロジーでインフラ業界をけん引する

何万人もの観衆で埋め尽くされたサッカースタジアム。試合時間残り1分で逆転ゴールが決まり、会場を揺るがすような歓声が沸き上がる。一緒に来られなかった仲間に、すぐにでもこの感動を伝えたい。「すごいゴールだった!」。スマホを手に取り、さっそくSNSのアイコンをタップする。「あれ?つながらない」――。試合の熱狂は一瞬で冷め、高揚した気分はイライラに変わるだろう。

そんな事態に陥らないよう、通信環境を守っているのがベイシス株式会社だ。

サッカースタジアム、球場、コンサート会場など多ければ7万人もが集まる大規模施設で、試合のハーフタイムやイベント終了直後などに一斉通信が行われてもつながるよう、膨大な通信容量に耐えうるインフラネットワークの構築を支援している。Wi-Fi、LTE(4G)などの通信回線をはじめとした社会的インフラを裏方で支え、スマートフォンやタブレットを快適に使える環境を維持している。

「日常的に欠かせないインフラを整備することは、人々の生活を支える社会貢献性が高い事業と自負しています」。こう語るのは代表取締役社長の吉村公孝。

同社は、大型スタジアムのほか、全国各地の飲食店や駅前、待ち合わせスポットなど、多くの人が集まる場所のインフラを整備し、東京電力やKDDI、ソフトバンクなどの大手通信会社から厚い信頼を寄せられている。

また、台風など自然災害の発生時や1日限りの野外フェスなど、一時的に通信量の上昇が見込まれる際は、通信キャリア会社からの依頼で、仮設の基地局を開設することもある。2011年、東日本大震災が発生したときは、通信キャリアの社員とともに現地入りし、仮設アンテナを立てるなど、災害復旧に協力した。

その一方で、IoT、AI、RPA(ソフトウェアロボットによる業務自動化)などの最新テクノロジーをインフラ業界で応用し、点検やメンテナンス作業の効率化をサポートしている。

一般的に、通信業界は大手企業が管轄するピラミッド構造の世界。中でも現場仕事を担当する下請け企業は、紙で情報をやりとりするなど、未だ非効率な作業を続けている。

こうしたアナログな環境を最新テクノロジーで効率化できれば、インフラ業界全体の労働環境の改善を図ることができ、運用や保守のコストダウンが可能になると吉村は考えている。

「日本における少子高齢化、労働人口減少の問題を考えたとき、効率化できる作業はテクノロジーに任せ、人は想像力やコミュニケーションが必要な仕事をやるべき。インフラ業界では、アナログな労働環境のために、長時間労働や残業を強いられるケースも多い。『働き方改革』を制度として取り入れる前に、効率化を進めれば、自然と働きやすい環境になるのではないでしょうか」

こうした観点から、ベイシスではテクノロジーを使ったインフラ業界の自動化を推進。2018年より開始したRPA事業は、携帯電話ネットワーク設備のソフトウェアバージョンアップや、携帯電話基地局工事に必要な部材の発注書作成の自動化など多岐に渡る。

また、現在、開発を進めているのが、電力インフラで導入が進められている『スマートメーター』に特化したAI画像認識システムだ。

これまでの電力メーターと異なり、スマートメーターは電力使用量をデジタルで計測し、メーター内部の通信機能によってデータを送信できる。そのため、検針業務を自動化することができる。工事作業者は旧メーターからスマートメーターへ交換する際に、その場で交換前の電力使用量データを専用の機器に手入力、レシートを印刷し電力会社へ報告する。人が目視確認した上で入力するため、作業ミスが多発し、報告内容のチェック作業も膨大な時間が発生していた。

そこで、AI画像認識を用い、手入力で出力した数字とメーターに表示される数字を自動でチェックするシステムを開発。入力時に出てくるレシートとメーターを撮影し、スマホでサーバーにあげると、AIが画像を認識。ミスがあれば自動で抽出され、データはRPAでメール送信される。これにより、交換作業はより速やかになり、品質向上・作業時間削減に貢献できる。

他には、ドローンによる検査システムも開発中。携帯電話基地局や電力供給の要である鉄塔を空からドローンで撮影し、映像をAIで解析することで不具合を発見するシステムだ。わずかなネジの緩みなどから骨組みや鉄筋の欠陥を検証し、事故の防止を目指す。鉄塔は全国に何万本とあるため、自動で安全点検が可能になれば、作業員の効率も上がる。その他にもビルの壁面、高速道路のトンネル、コンクリートの点検などにも応用できる可能性がある。

「社会的なニーズを鑑み、AIやRPAのテクノロジーを用いたインフラ構築・運用で、通信、電力、ガスなど生活インフラの自動化が進めば、いずれ利用料金の引き下げにもつながるかもしれません。より暮らしやすい社会の創造に貢献できると思います」

 

バブル景気崩壊により危機感を感じ、通信インフラの世界へ

広島県に生まれた吉村は、小・中・高とバスケに熱中して過ごした。大学入学後はスポーツサークルに所属し、仕切る役割。好奇心旺盛で、アイデアマン。皆が楽しめることを考えるのが得意だったという。

好景気の最中に育ったため、将来は「いい学校へ行き、良い会社に入り、終身雇用で定年まで働く」ものだと思っていた。幼少期から自分の未来に夢を描くことなく、普通の人生を歩めればいいと思っていた。ところが、大学入学時にバブル景気が崩壊。終身雇用が崩れ、大手企業や銀行さえ倒産する様を見て、人生設計が狂ったと感じた。そこで初めて「自分は何をやりたいか」を考えたが、すぐに答えは出なかった。

それでも、アルバイトを通じて多くの社会人と出会い、自分の仕事を楽しんでいる人はかっこいいと感じるようになった。経営者、会社員、フリーランス、職業に関係なく、夢や目標に向かって、頑張っている大人たちの姿を見て、『自分もそうなりたい』と希望を抱いた。

大学卒業後、吉村は大阪の通信エンジニアリング企業へ就職。インターネットや携帯電話が急速に普及するのを見て、「今後、絶対に世の中が変わる」と感じ、この業界を選んだ。

入社後は、携帯電話の通信インフラ整備を担当。まだ電波が入らない地域が多かったため、通信事業者からの依頼が途切れることがなく、全力で仕事に打ち込んだ。

当時は携帯電話の利用明細と一緒に、「使用可能エリア拡大」のお知らせが郵送されていた。そこに自分の担当地域が含まれていると、社会に貢献できていることを実感、やりがいを感じた。

「自分も会社を創り、この分野で仕事をする」。そう決意した吉村は、1996年、会社の同期2名と創業。4年後に法人化し、広島でベイシスの前身となる企業を設立した。

無線環境の構築に必要なアンテナ設置箇所の調査や調整試験、アンテナ設置などを行うインフラエンジニアリング事業は、需要が多く、次々と仕事が舞い込んだ。中国エリアから拡大を進め、5年後に東京へ本社を移転。その後、全国に支店を設立し、会社は順調に成長していった。

しかし、あるとき、ふと社内を見渡すと、組織だけは大きくなったものの、社員には一体感がなく、競争力に乏しい集団になっていることに気付いた。社員の満足度は低く、優秀な人材から離職。そして追い打ちをかけるように、リーマン・ショックが発生。その影響で、通信各社のインフラ投資額がシビアになり、仕事は激減。瞬く間に経営状態は赤字に陥った。

「私自身が売上や利益だけを追い求めていたために、招いた事態でした。『ICT関連事業を通じて、便利で快適な世の中を創造する』という創業時の志が、完全にぶれていました」

理念に共感してくれる仲間と挑戦し、成長し続ける会社に

自身を振り返り、猛反省した吉村は、会社の理念やビジョン、目標をもう一度全社員に理解してもらおうと、全国の支店を回り始めた。やがて、社内に活気が戻り、理念に共感する人材も集まるようになった。この経験から、企業理念の重要性を再認識し、2013年、社員とともに理念を見直すプロジェクトを実施。皆と理念を話し合い、1年かけてじっくり創り上げた。

こうして、企業理念、「ICT関連事業を通じて便利で快適な世の中を創造すると共に、全社員の物心両面の幸福を実現します」が誕生。ビジョンを「世界中から必要とされる企業になります」と決めた。翌年、吉村は、社名を「ベイシス(基盤)」に変更。定期的に理念の見直しを行い、現在も2019年の6月の完成を目指し、これからのベイシスに相応しい理念を皆で模索している。

設立20周年を2020年に控えたベイシス。その理念を実現するために、吉村は「時代とお客様のニーズに合わせて、私たちが変化し続けなければならない」と語る。

成長し続けるためには、会社のカルチャーやビジネスモデルのチェンジが必要と考え、2017年にシステムエンジニアリング事業を、翌2018年にはRPA事業を本格的にスタートさせた。

また、社員それぞれの業務や課題、そして社長である自分の仕事について互いに理解を深めるため、「社長ランチ」を開催。社員たちと交流しながら、事業プランを語り合うこともある。社員のモチベーションアップにつながり、吉村自身も経営のヒントをもらえる有意義な場だという。

「社員には、日々の仕事が未来に、どう会社の発展につながるかをイメージしてもらえるようにしています。一人ひとりのスキルを高めて、市場から選ばれ続ける企業でありたい。同じ価値観を持つ仲間を増やして、協力し合いながら一体感を持って働ける会社にしたい。そして、新規事業や海外進出、抜擢人事など、社員が成長できる機会を提供し、やる気のある人が挑戦できるチャンスをつくる。今、新しい取り組みもどんどん行っています。そこで手を挙げてくれる人がいないと寂しい(笑)ので、成長意欲のある人、挑戦したい人にぜひ仲間になってほしいですね」

 

リスナーの目線

「通信」という分野の可能性に魅了されて、この道にコミットしながらも、常に新技術や海外などの新領域にもチャレンジを続ける吉村さん。言葉を選びながら丁寧に話す言葉の端々に、理系出身者らしいロジカルな発想と志の高い倫理観が伝わってきました。通信という〝公器〞を扱うには、どちらも必要な資質なのだと強く納得しました。

インタビュー・編集/青木典子高橋奈巳 撮影/鈴木愛子

Profile

1972年、広島県生まれ。2000年7月にサイバーコネクション(現ベイシス)を設立。携帯電話インフラの構築、電波エリア最適化などのインフラエンジニアリング事業を立ち上げる。2018年現在、国内拠点6拠点で全国の携帯電話・Wi-Fiなど無線通信インフラ作りを通じて、便利で快適なICT社会の実現に向けて事業を拡大している。
人生の目的と目標に気づき、その実現を目指す

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