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ストーリー代表・CEO

20代に成功体験は要らない

代表_ユナイトアンドグロウ

ユナイトアンドグロウ株式会社

代表取締役社長
須田 騎一朗 / Kiichiro Suda

このままだと大企業に就職する! という恐怖

私は少年時代からすでに、弱者の視点に立って社会の問題を是正したいという思いを強く持っていました。社会をフラットにしたい、差別やいじめをなくして誰もが活躍できるようにしたい。だから高校生の時には、将来はジャーナリストになろうと思っていました。そのために一番いい大学と考え、早稲田大学を目指しました。 しかし、実際に入学してみたら話が合う学生は一人もいませんでした。私がイメージしていた、社会に抗う学生がいたのは30年前の話だったのです。心底がっかりしました。 当時の学生の就職事情といえば、空前の売り手市場です。先輩に可愛がられていたこともあり、試しにある大手企業の一次面接に行ってみました。すると、その職場はとても勢いがあり、明るく楽しげでした。そして、大学の先輩にあたる社員さんが寿司屋でごちそうしてくれました。 寿司を食いながら、私は恐怖を感じました。その会社を「いいな」と思った自分が怖かったのです。こんな勝ち組の会社に就職したら、社会を変えたいとか弱者の視点に立って活動したいという思いなど、あっという間に消えてなくなってしまうに違いありません。 そこで、その先輩に「大学を中退しても入社できますか?」と聞いてみました。すると「それはダメだ」と。それなら大学を卒業しなければいい、中退しようと決めました。 親にも相談しないまま、3年生の時に勝手に退学しました。両親に報告した時は、絶句された記憶があります。私はその場で話をすぐに切り上げて、すでに決めてあった新聞販売所に行きました。今風に言えば「大学中退のフリーター」になったのです。

理想のプロジェクトを請け負う

新聞販売所に始まり、販売店を回るトラックの運転、引っ越し屋の助手などのバイトもやりました。 中小企業の社長の運転手をしていた時のことです。その男性は社長と名乗っていましたが、その正体は詐欺師でした。ある上場したばかりの企業に赴き、学習塾の事業部を立ち上げて架空の外注費を計上し、数千万円も騙し取って姿をくらましたのです。私は約半年間、その「社長」の下で仕事を手伝っていたので、事業のコンセプトは理解していました。皆が騙されたくらいですから、社会的に意義のある素晴らしい事業でした。「社長」が姿を消して詐欺が判明してから、私は2週間ほどかけてこの半年間のリポートを書きました。改善すべき点や展望も添えて提出し、この会社を離れたのです。 すると1週間ほど経ってから、その会社の役員に呼び戻され、この事業をお前に任せる、と言われたのです。ウソの事業をリアルにしてほしいと。会社としては、上場したばかりで新規事業を頓挫 させられないから、失敗しても構わないというつもりで私に託したのです。私はやるからには絶対にやる! と決めて必死で働きました。そんな流れで23歳の私は、大学の同窓生と同じ時期に会社員になったのです。 結果、約1年半で事業を拡大し、63店舗まで展開、生徒も300人を超えました。途中から会社の事業に正式に組み込まれ、新規採用の社員も入ってきたので、後を引き渡して辞職しました。

誰にも言わなくても、ずっとイメージすれば人生はその通りに

「社長」の下で働いた時も入れて2年間、全力で会社員生活をした私は、すっかり燃え尽きていました。そして今度こそ、自分は文化芸術の道に行くのか、会社員になるのかを選択しようと考えました。そのために原点であるフリーターに戻り、これがラストチャンスと思いながら、昼間はトラックの運転助手をして、夜は何時間も読書をしました。 私の父は経営者です。だから、昔から父の跡を継ぐべきなのか悩んでいました。そしてその頃は、継いで親孝行すべきだろう、そしていつか経営者になるなら、やはり会社に入って修業すべきだろうと考えていました。もちろん、今だったら、そんな考えにはなりません。その時の自分に会ったら、「親よりも世界を救え」と言うでしょうね。 悩みながら毎晩とにかく本を読み漁るうちに、ソニーの創業者である盛田昭夫著『MADE IN JAPAN』(朝日文庫)に出会いました。それは、本当の意味で私に転機をもたらす本でした。 それまでの私は、中小企業というのはどこも旧態依然としていて、ロクに給料も上がらないのにひたすら働くところだと思っていました。でも、起業家は夢を持って会社を創るということ、そして努力や工夫をすれば会社は成長するということを知ったのです。 「そうか、自分でやればいいんだ!」と、目が覚める思いでした。そして「30歳で起業する」と決めたのです。 そして、自分が起業するにはマーケティング力が必須だと考え、マーケティングリサーチの会社に入りました。25歳でした。ところが、1年経ったところで世間ではバブルが崩壊、会社の受注も一気に減りました。そして、私のような新人ですら営業に駆り出されるようになりました。私は「これはチャンス!」と嬉々として営業に励み、当時はまだ成長途上だったIT関連企業を顧客として新規開拓しました。そして、コンピュータ業界に詳しくなっていきました。 その後、IT関連に強い広告代理店に入り、そこで知り合った人に協力してもらって、30歳で起業に至ったのです。起業を決意してからの約5年間、ずっとその思いは心に秘めていました。口にすれば「お前にできるわけがない」と頭ごなしに否定されるだけだと思っていましたから。でも、ずっとイメージしていたから、その通りになったのだと思います。

普段は目立たない人もスターになる舞台

当社には、ミッションが2つあります。働き方を革命すること、そして中小企業を強くすることです。情報や資源が限られている中小企業を助け、強くすることができれば、日本の社会の97パーセントを助けることになります。つまり、日本の社会を良くすること、元気にすることとイコールです。 これらは、私が昔から使命としていること、社会のフラット化にもつながっています。 当社の社員たちは、「シェアード社員」という新しい働き方をしています。彼らは社員としてクライアントの会社の中に入り、その会社の課題を見つけ出して自ら仕事を作り、その会社を元気にする存在です。 ですから、指示・命令してくれる上司といったものは存在しません。進捗を報告する当社の上司、そしてもちろん現場の上司もいますが、今月の仕事、今日の仕事、これからの1時間の仕事の内容を決めるのは自分です。自分で考えて動ける自主性を、誰もが持って仕事をしています。 9年前に新卒採用した社員は現在は執行役員で、これまでに約30社を担当しています。社会人9年目で「転職30回」と履歴書に書いたら、なかなか信用を得られないでしょう。でも当社の場合は、誰もが様々な会社で自分の持ち味も生かして活躍しつつ、たくさんの経験を積んで成長しています。 思い返せば、私が学生の時に打ち込んでいたことの一つが演劇でした。高校生の時は、既存の脚本を使って芝居をしていましたが、浪人・大学時代は、出演者にヒアリングして本人の言葉を台詞に仕立てたりしていました。普段は目立たない人でも、こういう役でこの台詞でここに立たせて、そして音楽はこれで、といったことを考えて演出すると、彼らは舞台で急に輝き出します。そうやってそれぞれの持ち味を引き出すのが、とても楽しかったのです。 現在は、劇団が会社に、舞台はクライアントの会社となりました。当社の社員は、お客様である企業を元気にするエンターテイナーなのです。

永遠に動き続けるエンジンを手に入れる

20代は失敗体験をどれだけ積み重ねられるかが大切でしょう。後に成功する人にとっては、できるだけ悲惨な状況に陥るほうがいい。失敗の積み重ねで、成功する道が見えてきます。 ある起業家は、社長になりたい、女の子にモテたい、金持ちになりたい、恰好良くなりたい、といった動機で会社を始めたとしても、それだけでは息切れしてしまう、と言っていますが、その通りだと思います。 会社の経営は、ある種の「憤り」がないと続けられないのです。青春時代にどのような憤りをセットするかが、後のその人のエネルギー量を決めます。ですから20代の人には、30代、40代になっても、その先までも、ずっと永遠に動き続けるエンジンを手に入れてほしい。失敗を積み重ねていく中でこそ、そのエンジンを燃やすエネルギーを獲得できるはずです。

リスナーの目線

須田さんとは、かれこれ10年近いお付き合いになります。トライアスロンで絞られた体躯と流暢な英会話力などから、よほどスマートな人生を送ってきたものとばかり思っていたのですが、あまりにも不器用で、悶々とした20代を過ごしてきたことに驚かされました。若いうちの回り道や葛藤があればこそ、今は確固たる仕事観を持ち、公私共に輝いていられるんですね。

Profile

1966年埼玉県生まれ。 早稲田大学第一文学部を経て、出版社・マーケティングリサーチ会社・パソコン 通信会社・広告代理店などで経験を積む。 1997年、個人ユーザー向けのテクニ カルサポート代行サービス会社を創業。Eメール/電話/全国訪問のサービスを 組み合わせることで、大手メーカーや通信会社からの受注拡大に成功。2005年、 株式会社テクネット(現:ユナイトアンドグロウ株式会社)を創業。 前職時代に「難しい」と判断して撤退した事業のやり直しが創業のきっかけ。中堅・中小企業の情報システム部門やバックオフィス部門を支える「レンタル社員サービス(現名称:シェアード社員)」の開発に成功し、同社を成長させている。

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