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ストーリー代表・CEO

元ホテルマンが確立した新たなマグロ解体ショーの形。お客様の期待を超える感動を創りたい

最新ストーリー代表_株式会社トータルフロー

「魚売らへん?」の一言が人生を変えた。

鈴木 賢志 / Kenshi Suzuki
株式会社トータルフロー
代表取締役社長

エンターテインメント性あふれるマグロ解体ショーを提供

「マグロをただ淡々とさばくだけでは、ショーとはいえない。私たちが目指すのは、マグロのエンターテインメントショー。観客の期待を超える解体ショーを実現するため、さまざまな工夫をこらしています」

2006年の創業以来、株式会社トータルフローを牽引してきた、代表取締役社長の鈴木賢志はそう話す。同社は日本でも数少ない、マグロの解体ショーをビジネスとして展開する企業だ。

鈴木が言うように、同社のショー「鮪達人(まぐろのたつじん)」は、その高いエンターテインメント性に定評がある。独自の演出をつけたマグロのオープニング映像からスタートし、「マグロ入刀式」や「マグロクイズ」といったゲスト参加型のコーナーを挟むことで、最後まで観客を飽きさせない。

使用するのは、鮪達人が拠点を構える和歌山県産の生マグロ。生マグロの流通量は市場全体のわずか1割で希少価値が高く、冷凍マグロにない新鮮なうま味や食感を味わえる。ショーの出張エリアは日本全国にとどまらず世界各国に及び、企業の懇親会から商業施設の集客イベント、結婚式に至るまで、幅広いシーンでの実績を持つ。

マグロを起点とした事業は解体ショーだけではない。本社のある大阪市天満では、マグロのフルコース料理を出す紹介制レストランを経営。デザートにまでマグロを使うユニークぶりだ。

「組織規模の小さい私たちがどこにでもある事業に参入しても、勝てるわけがない。他社との差別化を図るなら、当社にしかできないような面白いことに、本気でチャレンジしようと考えました。コース料理の全品マグロを出すレストランなんて、調べる限りうちだけだと思います」

2021年には大阪府泉佐野市のふるさと納税の返礼品に出品したり、EC事業を強化したりと、事業のスケールアップも図っている。

ブライダルで培ったノウハウを活かし、自分たちにしかできないショーを

今でこそ、マグロ解体ショーの出張ケータリング実施件数トップを誇るトータルフローだが、設立当初の主力ビジネスはブライダル事業。結婚式のコンサルティングやブライダル関連商品の販売を行っていた。元ホテルマンの鈴木にとって、培ってきた経験を活かしながら、人生における晴れやかな日をサポートできるやりがいの大きい仕事だった。立ち上げ時から業績は上々で、経営者として申し分のない状況といえた。

ところが会社設立から1年後、突如マグロ解体ショーのビジネスに参入。きっかけはある人物の一言だった。

「ウエディングの二次会会場の提携話でレストラン側からコンタクトがあり、和歌山市内のあるレストランを訪れました。運営元は家族経営の企業。店長である息子さんと、専務を務めるお母様がアテンドしてくださいました。一通り会場の説明や内覧が済み、話がまとまりかけていた最終段階で、突然専務が言ったのです。『魚売らへん?』と。ブライダルの話をしに来たはずなのに、なぜ魚?と驚きを隠せませんでした」

 話を聞いてみると、その運営元企業は魚の仲卸業者だと判明。鈴木の営業力を買ったうえでの発言だった。唐突な提案だと思いつつ、鈴木の「断りたくない性格」が「持ち帰らせてください」と答えさせた。

すると数日後、続けて転機が訪れた。たまたまマグロの解体ショーを見かけ、「これなら専務と協力しながら、マグロをうまく活用できるかもしれない」とひらめいたのだ。新たなビジネスモデルが生まれた瞬間だった。

「2007年当時、マグロの解体ショーをビジネスとして手がけている企業はほぼなく、競合相手の少ないジャンルであることは間違いありませんでした。何より私の中に勝算があった。その時見たマグロの解体ショーは、ショーというより、単にマグロの解体を見せているだけ。マグロパワーで観客は集まっていましたが、盛り上がっている様子はありませんでした。その点私たちには、ブライダルフェアやイベントで鍛え上げた演出力、プロデュース力がある。『自分たちならもっと面白くできる!』と感じたのです」

さらに鈴木の背中を押したのは、ブライダル事業とマグロの解体ショーに共通点があったこと。それは、運用方法だ。ブライダルシーンやパーティーで提供する機会も多いケータリングは、食材や備品といった必要材料の事前調達、当日の搬入やセッティング、サーブ、後片付けが主な業務フロー。「このノウハウを応用すればマグロ解体ショーの実現も難しくはない」と、鈴木はすぐに動き出した。

とはいえ、鈴木をはじめトータルフローのメンバーにとって、魚を扱うビジネスは未知の領域。きっかけをくれた専務の知恵を借りて、マグロの仕入れ先の選定や魚職人の採用を行いながら、台本作りや企画立案に励み、事業の枠組みを構築していった。中でも苦労したのはマグロをさばく職人の育成だ。

「職人さんのほとんどが寡黙で、黙々と魚をさばくタイプの方。MCを立てるとはいえ、場を盛り上げるには、職人さんのトーク力は必要不可欠でした。しかも原価の高いマグロを使用するためリハーサルはできず、ほぼぶっつけ本番。職人さんによっては頑なに話さない人もいて、こちら側もあの手この手で気分を乗せるのに必死でした。でもマグロ解体ショーは、観客の笑顔や反応をじかに感じ取れるのが特徴。場数を踏むことで、少しずつ職人さんのテンションも上がり、楽しんで参加してくれるようになりました」

和歌山県には日本でも有数の生マグロ水揚高を誇る勝浦漁港がある。「地元の名産品を使うことで、地域貢献できる」という想いも、鈴木の情熱に火をつけた。

困難に立ち向かい続ける日々を支えた想い

満を持してスタートしたマグロ解体ショー事業だったが、立ち上げからしばらく、業績は芳しくなかった。「和歌山県外では多少需要がありましたが、県内は全然だめ。いずれにしても鳴かず飛ばずの状態でした」と、鈴木は当時を振り返る。

「最初の5年間の受注件数はごくわずか。受注ゼロが数カ月間と続くのも珍しくありませんでした。当時はブライダル事業の売上で乗り切っていましたね」

ところが頼みの綱だったブライダル事業に徐々に暗雲が垂れ込める。主たる収入源だった顧客が経費削減を開始。ついには契約解除を余儀なくされ、トータルフローは一気に倒産危機に追い込まれた。

不運は続いた。創業以来共に歩んできたパートナーが突然会社を離れ、競合として新会社を立ち上げたのだ。「いろいろ話をした結果、スタッフがほしかったら連れていっていい、と私から言いました。連れていかないなら、もちろん責任をもって預かる、とも」。その結果、折半するはずだった負債は鈴木一人で背負うことに。そこから「魔の数年間」を送ることになる。

「正直、当時の記憶があまりないのです。営業に、資金繰りに、とにかくがむしゃらに突っ走っていたと思います。売れるものはどんどん売って、思いついた施策は破れかぶれで実行してみる。その頃協力してくれたスタッフには感謝しかありません。何が良くて何が悪いか振り返る暇もないほどに忙しい日々を送っていましたが、不思議と気持ちが折れたり、自己破産を考えたりすることはありませんでした」

もともと打たれ強い性格だという鈴木だが、根底にあったのは、マグロ解体ショーのヒントをくれた専務への使命感。簡単に諦めるわけにはいかない理由があった。

「専務は、初めてお会いした1年後にがんで亡くなられました。打ち合わせなどで何度もお会いしましたが、ご病気のことは知らされておらず、私にとっては青天の霹靂。本当に気丈でパワフルな方でした。専務の一言がなければ、私も会社もなかったかもしれない。道半ばで諦めて、恩返しもできないなんて悔しすぎる。辛い時期を乗り越えられたのは、そんな気持ちを原動力にしていたからかもしれません」

鈴木の粘り強い営業が実を結び、トータルフローのマグロ解体ショーの知名度は少しずつ向上。大きく風向きが変わり始めたのが、2016年のこと。ビジネスを開始してから10年近くが経っていた。

マグロにフォーカスしたビジネスで、お客様を笑顔に

マグロ解体ショービジネスのパイオニアとして歩み続けること15年。次なるフェーズに進むため、鈴木は長年立ち合い続けた現場を離れ、社員に任せるようになった。それでも問い合わせや依頼を受けると、ガッツポーズをするほどうれしいという。

「苦しかった時代の名残があるのでしょう。1件の重みやありがたみが身に染みついているのです。利用者や観客にはファンになって帰ってもらいたいので、現場には私が大切にし続けてきた心がけを継続してもらっています」

元ホテルマンとしてのポリシーである、丁寧で迅速な対応を徹底している鈴木。新規の問い合わせが来てから早ければ30分以内に、資料や見積書も添えて返信する。ショー当日のスムーズなオペレーションにも自信を持っており、「どの現場でも高いクオリティーのショーを届けられるよう教育している」と話す。

鈴木が見据える次なるビジネス展開、その基軸にもマグロがある。

「まずは飲食店を東京、名古屋などにも展開して、さらに全国での基盤を強くしたいですね。また、当社が胸を張ってお出ししているマグロを生ツナなどでも楽しんでいただけるよう、専門の店舗やEC販売での展開も考えています」

さらに大きな夢は、マグロをテーマにしたホテルをつくることだ。

「ホテルに勤めていた身として血が騒ぐのは、やはりホテル運営です。ロビーにはデザイン性のあるマグロのオブジェを置いて、ウェルカムドリンクならぬウェルカムマグロをお出しする。ギャグのような話と思われるかもしれませんが、私たちが普通のホテルを運営しても面白くないですよね」

トータルフローの理念は「感動を追求する企業」であること。これからも人を感動させ、笑顔にできるような楽しい事業を展開し続けていきたい、と鈴木は言う。

「私たちの提供するエンターテインメントで、暗いニュースの多い世の中を少しでも明るくしたい。今はまだ一筋の光でも、やがて、太陽のように大きな光を放つ存在になりたい。そう願っています」

公開日:2022年9月8日

Profile

1973年大阪府門真市生まれ。高校まで地元の門真にて過ごす。
リゾートビジネスの専門学校を主席で卒業後、東京本社のホテルに入社。さらにホテル業務を追求するため、ホテルの配膳会に所属し、ホテルニューオータニ大阪、ザ・リッツ・カールトン大阪など、さまざまな一流ホテルに従事する。28歳の時にブライダルプロデュース会社の責任者を任され、ブライダルに関するあらゆる事業を経験。
32歳で株式会社トータルフローを創業。「感動を創造する」を理念に、ブライダルのコンサル、出張マグロ解体ショーなどの事業に着手。2017年より、出張部門で日本一のマグロ解体ショーの実績を誇り(自社調べ)、現在まで継続している。

Contact
大阪府大阪市北区東天満1丁目11-1 東天神ビル3F

Staff

インタビュー・執筆:堤真友子/編集:勝木友紀子
撮影:正畑綾子

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