LISTEN

TOP > ストーリー代表・CEO > “半農半IT”という生活スタイルを実践。ともに楽しむ仲間を増やしていく
ストーリー代表・CEO

“半農半IT”という生活スタイルを実践。ともに楽しむ仲間を増やしていく

代表_どなぽん観光合同会社

コロナ禍を追い風に地方移住し、半農半ITへの関心と実践を核としたコミュニティを創る

どなぽん観光合同会社
代表
飯田 和馬 / Kazuma Iida(愛称:どなぽん)

長野県信濃町に移住し、“半農半IT”のスタイルを実践

足元に広がる天然のパウダースノーに照り返る朝陽がまぶしい。視線を上げれば、雪を冠した山々の雄大な景色が広がる。ここは、長野県上水内郡信濃町。冬の朝は自宅から5分のスキー場で2時間ほどスノーボードを楽しむのが、どなぽん観光合同会社代表、飯田和馬の日課だ。スノーボードの後は事務所を兼ねた自宅に戻り、妙高山が望めるワークデスクでIT事業の業務に勤しむ。

「信濃町に移住して、ちょうど1年になります。日常的にスノーボードを楽しみながら“半農半IT”という暮らし方ができる移住先を探し、この地に決めました。決め手は、近場に複数のスキー場があったこと。雪の状態が一番良い時間帯に滑りを楽しめ、自宅の庭でもスノーボードができる環境に、とても満足しています」

と飯田は満面の笑顔を見せる。“半農半IT”とは、半分農業をしつつ、自分のスキルと知見を活かしてIT事業を営む生活スタイルのこと。飯田は移住前から得意としていた、Webマーケティングのコンサルティングを企業向けに提供する事業と並行して、農業も営んでいる。加えて、最近は古民家を改装した自宅で紹介制の民泊事業も始めた。

移住を機に立ち上げた『どなぽん観光合同会社』の「どなぽん」は「どんなことでもぽん!と解決」の意。一度聞いたら忘れられないキャッチーなネーミングにも、マーケターとしての飯田のセンスが光る。

世の中の潮目と重なった、地方移住という選択

神奈川県出身の飯田は、大学卒業後、東証一部上場企業2社に勤務。2社目では、3Dプリンターを活用した製品設計や生産ライン立ち上げに携わり、仕事を楽しんでいた。歴史あるメーカーで福利厚生なども充実しており、退職する人は少なかった。しかし飯田は、そこで人生の大半を送ることに徐々に疑問を感じてしまったという。

「楽に働くにはいい会社でした。私は当時からスノーボードが好きで、ここで勤めあげた後に雪山の方に移住することも考えていました。しかし自分の人生、それで終わっていいのかなとも思案していまして。試しに副業でWebサイトの制作やブログでのアフィリエイトを始めたら、当時の給料よりも稼げてしまった。そこで独立を意識し始めました」

同時期に偶然知り合った東京の中小ベンチャーの社長から「うちで新規事業の全体統括をやってほしい」と誘われる。独立するつもりであることを理由に断るが、口説き落とされて入社。執行役員COOとして、物作りの事業を新規で立ち上げた。この会社で働いたことはとてもプラスになったと飯田は当時を振り返る。

「新規事業を一気に立ち上げる経験ができたことに加え、元はWeb制作などを主力事業としていた企業だったことから、私自身の知識と経験がさらにパワーアップしました。人脈も一気に広がりましたね。入社以来、全力投球し続けて5年。40代を目前に、このまま東京で激しくビジネスを続けるのか、心の底からやりたいことを中心とした生き方にシフトするのかを真剣に考え、後者を決断しました」

これまでは休暇が取れると、冬はスノーボード、夏はキャンプで楽しんでいたが、それらを非日常的なイベントではなく日常にすると心に決め、2020年初頭から移住先の検討を開始。その矢先にコロナ禍が拡大し、移住候補地を訪れることができなくなってしまう。春夏を見送り、秋に実施されたGO TOキャンペーンを活用し、ようやく候補地を巡ることができた。そして、ここ長野県信濃町を移住先に選定。同時に家を購入し、同年11月末に移住した。

「コロナ禍が移住のきっかけになったのではなく、移住のタイミングと偶然重なりましたね。コロナ禍により移住先探しは後ろ倒しになりましたが、結果的には、ミーティングがすべてオンラインに切り替わるという最高のタイミングで移住できました。コロナ禍がなかったら、オンラインベースでのサポートに対してクライアントさんから不安の声が出ていたと思います。『オンラインの方が効率的だよね』という時代になり、信濃町以外の仕事はすべてオンラインベースで進められています。コロナ禍が良い追い風になりました」

心を開いて地域に溶け込み、雑談や相談から仕事が生まれる

信濃町への移住を決めて最初に手がけたのは、購入した古民家の改修。10部屋ある広い家は、そのままでも住める状態ではあったが、より快適に暮らしやすくするために、床や壁などのセルフリノベーションを行った。

「移住と事業の立ち上げが同時でしたので、家のどの部分を事務所にするかなど、一つひとつを決めながら配置していくのはやはり時間がかかりました。プロに頼めば短期間で最高のものができるのでしょうけれど、それでは移住して古民家で何かをやることの意味がなくなってしまう。ある程度、自分たちでやっていくのが楽しかったりもしますしね」

また、この生活の様子を発信しようと、YouTube に『どなぽん観光チャンネル』を開設。DIYの最中に、ご近所から山盛りの野菜がお裾分けとして届いた様子なども紹介されている。

「最初の冬は予想以上に雪かきが大変でしたね。大型の除雪機を持つ近所の方々に助けていただいてしのぎました。その後も田んぼや畑を無料でお借りしたり、稲や野菜の育て方をいろいろな方に教わったりするなど、町の方々には随所で助けられています」

移住した先で地域社会に受け入れてもらえないという悩みもしばしば耳にする中、いち早く溶け込めた理由を、飯田はこう語る。

「人から信頼してもらうためには、まず自分から自己開示することが必要だと考えています。ですので、移住の際に自己紹介のチラシを作り、挨拶の品と一緒に近隣に配りました。チラシの中に『田んぼや畑をやってみたい』と書いたことから、貸してくださる方につないでいただけたんですね。チラシは随時アップデートしていて、新しく知り合った方に渡しています」

春から秋にかけて、借りた畑でトマトやスイカ、メロンなど50種類の野菜や果物を収穫。夏には黒姫山に分け入って、信濃町の名産「根曲がりダケ」を数十キロ採取。直販や道の駅に卸したほか、隣人にも食べてもらって好評を得た。秋には、ほとんどの工程を手作業で行った人生初の米200キロを収穫し、「どなぽん米」のパッケージに包んで近隣に配った。

「配れるものはどんどん配ります。消防団にも入っていますし、地域行事にもすべて参加しています。事業というよりは地域貢献の気持ちで、町内の個人商店や飲食店のメニュー作成や集客のお手伝いも。『Wi-Fiがつながらない』『パソコンを買いたいが、どれを買えばいいか分からない』といった相談も頻繁にいただくようになりました」

そう楽しそうに話す飯田のポリシーは、「相談されたらできる限りのことは全部やる」。自分がやるのはここまで、と線引きをせず、間口を広く取り柔軟に対応。オープンマインドで気さくな人柄に相談が集まり、つながりも仕事も生まれていく。それが、移住前からの飯田の強みだ。

「IT事業の方も『手伝ってほしい』という話が自然に舞い込んで来ますね。ビジネスをしている知人と30分も雑談すると、『それ手伝ってよ』という話になるので。営業よりも成果物にコミットすることを大事にしています」

店舗型ビジネスに強くWeb系が弱い企業に、Webマーケティングの施策や人材確保、組織作りなどのアドバイスをするコンサル業務に加え、最近は大手ネットマーケティング企業と一緒に、同社が抱えるクライアント企業のソーシャルセリング(SNSを活用した営業)にも取り組んでいる。

“半農半IT”に関心を持つ人たちのコミュニティを創り、仲間を増やしたい

「大地震などの自然災害が起きたときのことを考えると、都会はリスクが大きいと思います。先日の震度4の地震でさえ、エレベーターが止まり、階段で40階まで上った話を複数の人から聞きました。大地震が来たら、命が危ないですよね。無事であっても、電気が止まったら水も出ず、コンビニの商品は争奪戦になるでしょう。

僕が暮らしているような山奥なら、裏山からの湧き水があるので、水に困ることはありません。米も野菜もあるし、木で火をおこすこともできる。助け合える人もいて、ここにいれば生きていけるという安心感は大きいです」

安心して暮らせる場所で日々の暮らしを楽しむ人が増えてほしい、それが飯田の願いだ。その願いを叶えるために、今後は “半農半IT”という生活スタイルを一緒に考えるコミュニティづくりをやっていきたいと考えている。

「半農半ITに近いことをしている人は、すでに全国各地にいるはずなんですよね。そういう人たちと、半農半ITに興味がある人の両者をつないでコミュニティ化すれば、これから始めたい人は情報収集ができて、先に進みやすくなると思います。すでに始めている人は、情報を提供して喜んでもらえますし、実践者同士の横のつながりも作れます」

コミュニティ自体をビジネスにしようとは考えていないが、「共通の関心を持つ人が集まったら、何かが絶対に生まれるはず」と、飯田は確信を持って今後の展望を語る。

「人が集まれば、その中で一緒に仕事をしようという話も出てくるでしょう。農業に関心はあるけれど体験したことがない人には、うちに来て手伝ってもらうなど、いろいろなことが自然に生まれてくると思います。それがどう派生して何になるかは、今はまだ分からないけれど、最終的には良い形になると信じています」

仲間集めの第一歩として飯田は、自身の半農半IT生活の発信に力を入れていく。YouTubeの「どなぽん観光チャンネル」では、日本各地を旅行した様子も発信しているが、これからは信濃町での田舎暮らしの生活ぶりを中心にしていくという。さらに田舎暮らしや半農半ITに興味があれば、クローズドのコミュニティに招待するので、各種SNSよりお気軽にご連絡をいただけたら、と話す。

「予想外の苦労も含めて、正直なところを伝えていきます。ぜひYouTubeや半農半ITコミュニティをご覧いただき、つながっていただければうれしいですね」大きな笑顔でそう結んだ。

公開日:2022年3月31日

Profile

大学卒業後、東証一部上場企業を2社経験し、東京のIT系ベンチャー企業でCOOを5年務めた後に独立して長野県信濃町へ移住。子供の頃から好きだった自然、雪、そしてスノーボードができる世界へ飛び込み、生活スタイルを0から構築する。半農半ITの農業とは稼ぎの主軸という位置づけではなく、あくまでも生活を豊かにする農業活動であり、自分で食べるお米や野菜は自分で作り自分と周りの人が笑顔になることを大事にする。今後は半農半ITコミュニティをベースに新たなる挑戦を続ける。


Contact
長野県上水内郡信濃町古海819

Staff

インタビュー:垣畑光哉/執筆:ひらばやしふさこ/編集:浜田みか
撮影:宮下公一

  • 働きたい応募
  • もっと会社を知る資料ダウンロード
  • その他
    お問い合わせ

関連キーワード

代表_どなぽん観光合同会社

「いいね!」
最新情報をお届け

関連ストーリー

タグ

人 (637) WAOJE Tokyo (34) メンバー_WAOJE Tokyo (23) 社員_マケレボ (18) 社員_アイドマ・ホールディングス (18) KGF (17) パートナー_リスナーズ株式会社 (16) 社員_秋葉牧場 (14) 社員_インフォマート (13) 社員_ペー・ジェー・セー・デー・ジャパン(P.G.C.D.JAPAN) (12) メンバー_WAOJE Tokyo(団体表示用) (12) 社員_メディケアー (11) 社員_カスタマーリレーションテレマーケティング (11) 01 社員ストーリー (9) 社員_アセットガーディアン (9) WAOJE Tokyo_イベント (9) 最新ストーリー (8) WAOJE Tokyo 理事 (8) 社員_ダーウィンホールディングス (7) 社員_ココザス (7) ピックアップ (7) 社員_プリマベーラ (6) 社員_プルデンシャル生命保険 (6) 社員_ワークスイッチコンサルティング (6) 企業_イクリエ (6) 価値観1 (5) 社員_SB C&S株式会社 (5) 社員_D&I (5) 社員_いろはにぽぺと (5) 社員_識学 (5) 社員_ブルーコンシャス (5) 社員_ピープルズコネクト (5) 社員_日本ファイナンシャルプランニング株式会社 (5) 女性起業家特集 (5) 卒業特集 (5) 入社式特集 (5) 新入社員特集 (5) 沖縄特集 (5) 代表_ダーウィンホールディングス (4) 社員_ジブラルタ生命保険 (4) 社員_シーアールエス (4) 社員_Surpass (4) 社員_ブリス・デリ&マーケティング (4) ゴルフ特集 (4) 01 レビュー (3) 社員_フラー (3) 社員_メディカルネット (3) 代表_株式会社サーキュレーション (3) 代表_オフィスナビ (3) 代表_ビジョン (3)

カテゴリ

ピックアップストーリー