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ストーリー代表・CEO

品物に込められた「人の想い」に寄り添うリユースショップ

最新ストーリー代表_株式会社スタンディングポイント

120年以上の歴史を経て根付いた
社会貢献への姿勢

SDGsのゴール達成を目指し、
地域活性化や途上国支援にも注力

株式会社スタンディングポイント
代表取締役
若森 寛 / Kan Wakamori

「なぜ売りたいのか」「どんな思い出があるのか」をくみ取る

「買い取れば当社の利益になる品物であったとしても、お持ち帰りをおすすめすることもあります」

洋服・ブランド品の買取&販売店『エコスタイル』を運営する株式会社スタンディングポイントの代表取締役・若森寛が大切にしていること。それは「物」だけでなく「人」をよく見て、その人の想いに寄り添うことだという。

「買取サービスを利用するお客様は、少しでも高く売りたいのはもちろんですが、同時に気持ち良く手放したいはず。接客する鑑定士やスタッフが、持ち込まれた品物にまつわる思い出やエピソード、そして『なぜ売りたいのか』をくみ取ることで、お客様の心の満足につながると考えています。そんな接客ができるように、さまざまな研修に力を入れ、会社独自の接客コンテストも実施しています」

買取サービスを利用する顧客は、さまざまな事情や感情を抱えている。経済的に厳しくなった人、引っ越しを機に新たな生活を始める人、新しい買い物や旅行を楽しむ資金を得たい人、思い出と決別したい人――。ワクワクしている人もいれば、苦しさや寂しさを抱えている人もいる。エコスタイルの鑑定士やスタッフは、そんな想いをくみ取るために、お客様の表情や声のトーンにも気を配りながら対話する。

ときには、思い入れが強い品を手放そうとしている人に出会うことも。そんなときは、状況に応じて背中を押してあげることもあるし、逆に「お持ち帰りいただいて、これからも手元に置かれてはいかがですか」と声をかけることもある。

ある店舗の鑑定士が複数の品物の買取相談を受け、いつものように一つひとつの品物について、エピソードを聴きながら対応したことがあった。後日、その顧客から手紙が届き、実は自身が余命4ヵ月で身辺整理のためにお店を利用したと綴られていた。そして、「○○さん(鑑定士)と思い出話ができて楽しかった。最後に利用したお店がエコスタイルで良かった」と締めくくられていた。

「想像もできないような背景があることを実感した、印象深い出来事でした。お客様にはそれぞれの想いがあることを知っている私たちだからこそ、品物の価値を正確に査定することはもちろん、“人”に寄り添う姿勢をずっと大切にしていきたいと考えています」

120年以上の歴史を持つ企業の社内ベンチャーとして創業

エコスタイルのこだわりは、人の想いに寄り添うことだけではない。そもそもリユース事業を立ち上げた背景には、「SDGs」(※)への意識がある。

※SDGs(Sustainable Development Goals)/国連サミットが掲げる持続可能な開発目標。「貧困をなくそう」「すべての人に健康と福祉を」「質の高い教育をみんなに」「ジェンダー平等を実現しよう」など、17種類のゴールが設定されている。

「SDGs12番目のゴールとして『つくる責任 つかう責任』があります。これは少ない資源で、質の高いものを多く得られる生産・消費を目指すもの。リサイクル(再資源化)にはエネルギーを消費しますが、リユース(再利用)なら環境に負担がかかりません。日本では年間29億着の衣服が製造され、売れ残った15億着が廃棄されている現実がありますが、メーカーはブランド価値を守るため、リユース事業に積極的に取り組むことが難しい。だからこそ、私たちがリユースの市場・文化を広げていきたいのです」

こうしたエコスタイルの「社会貢献」への意識の源は、実は120年以上の歴史の流れを汲んでいる。エコスタイルの事業は2001年にある会社の社内ベンチャーとして立ち上がったもの。その母体企業は、浜松を本拠地として住宅メンテナンス・リフォームを手がける「株式会社アイジーコンサルティング」だ。

アイジーコンサルティングの創業は1899(明治32)年。「木造の橋や鉄道の枕木が白い虫によって腐朽・崩壊する現象を食い止めたい」と、シロアリ防除の研究に乗り出したのが始まりだった。公共設備や歴史的建造物をシロアリ被害から守る奉仕活動を行い、その活動を継続するために事業化。一般住宅向けにも事業を拡大し、現在まで120年を超える歴史を築いた。創業時の社会貢献意識は脈々と受け継がれ、現代においても街の清掃活動・植樹による森の再生活動・震災ボランティア・義援金寄付など、幅広い環境・社会貢献活動に取り組んでいる。

若森は22歳のとき、営業職として同社に入社。会社の成り立ち、今も受け継がれる理念に強く共感し、この会社の一員であることに誇りを感じるようになったという。

「工務店の方々と話をする中で、阪神・淡路大震災で倒壊した木造住宅の約4割にシロアリによる腐朽が見られたことを知って衝撃を受けました。物を大切に使い、メンテナンスし、長く使い続けることの意義や価値を実感し、社会に貢献できる仕事にやりがいを感じていました」

若森に転機が訪れたのは入社2年目。当時の社長が新しい事業を育てる風土作りを目指し、「経営者を100人輩出する」という目標を掲げた。

若森は服飾専門学校を卒業後、20歳でアパレルブランドの製造卸事業を起業した過去がある。販売は好調だったが、資金繰りの悪化により1年半で撤退。営業力を磨くために住宅業界に飛び込んだものの、「いつかまた起業したい」という想いを持ち続けていた。

そこで、「今ある物をより長く」という創業の理念と、自身のアパレル経験を組み合わせ、「アパレルのリユース事業」を起案。それが受け入れられ、浜松に1号店を立ち上げた。その5年後・2006年に分社化し、株式会社スタンディングポイントを設立。代表取締役に就任した。 

現在は東京・浜松・大阪に拠点を展開するほか、非対面の宅配買取サービスが多くのメディアに取り上げられ、全国から多数の買取依頼を受けている。会員数は15万名超に達しており、500回以上リピート利用している会員もいるという。

支援活動は継続してこそ意義がある

リユース事業が単年度黒字化を果たし、ポジティブな気持ちで新しい商材やサービスの開発を進めていく中で、若森にふとある感情が湧き上がった。

「日本はとても豊かだなと感じました。今の自分たちが恵まれていると思ったんです。そうすると、TVのドキュメンタリーなどで目にする『豊かでない国』の情報が気になるようになって……。事業以外でも社会に貢献できそうなことを探し、さまざまなNPOを調べ、訪問しました」

こうして、手を結んだのが、「認定NPO法人 世界の子どもにワクチンを 日本委員会」。開発途上国では20秒に1人、子どもが感染症で命を落としていることを知った。そこで、買取1点につきBCGワクチン1人分を開発途上国に寄付する活動を2009年に開始。以来10年強の間に90万本近くを寄付し、現在も続けている。

活動開始の翌年、若森はミャンマーへの現地視察ツアーに参加した。気温42℃の中、旧型プロペラ機と、今にも壊れそうなバスで移動し、ワクチン接種会場へ。そこで会った母子は、石がゴロゴロ転がる未舗装の道を5時間かけて歩いて来ていた。そして接種後はまた5時間かけて同じ道を戻るのだ。

若森も支援者(ドナー)としてワクチンの経口投与を体験。そばで見守る母親が目に涙を浮かべる姿を見て、感謝されていることを実感した。

「『続けなければならない』と思いました。利益が出たときだけ突発的に寄付するのではなく、継続することが現地にとって必要。支援を続けられる会社であるために、収益を上げ続けなければならない。そのためにはお客様に喜ばれるサービスを提供しなくてはないない。そんな想いでこの約10年を走ってきました」

ワクチン寄付活動は、SDGsのゴールにある「貧困をなくそう」「すべての人に健康と福祉を」に該当する。これ以外にも、エコスタイルが取り組んでいるSDGsゴールが「パートナーシップで目標を達成しよう」だ。ここでいう「パートナー」は、「地域活性化」「地域のつながり」という目標に向けて協力する地元の企業や個人事業主を指す。

例えば、創業地である浜松の大型店舗には、無料催事スペース『TsunagaRe:』(つながり)を設けた。地域への貢献を目的としているため、スペース利用料や売上歩合などは受け取らない。フードやスイーツの販売、エステやマッサージ、各種教室・セミナーの開催など、理念に共感してくれた企業や個人事業主に完全無料で開放している。

さらに、SDGsゴール「働きがいも経済成長も」にも注目。自社スタッフがやりがいを感じながら仕事に向き合えるように、提案を気軽にあげられる制度や、評価項目を可視化した公平な評価、期待値を明確にする面談、職場の環境作りにも力を入れている。

「当社の理念は『R&Eビジネスの創造を通じて社会と社員の生活向上に貢献します』。これからも『R&E』を軸とする新たな事業にチャレンジしていきます。例えば『リペア』『レンタル』『エシカル』などの事業。物を売買して終わりではなく、さらに幅広いR&Eサービスへ展開していくことで、お客様と長くお付き合いを続けていきたいと思います」

リスナーの目線

若森社長は、東日本大震災の折には自ら被災地へ赴き、避難所での炊き出しボランティアにも参加されたそうです。近年、SDGsが注目され、多くの企業が取り組みを始めていますが、「義務なので仕方なく」「世間向けのポーズとして」という企業があるのも事実。しかし、若森社長が生々しい体験談を語るご様子と、何より10年以上もボランティアを継続しているという事実から、それが真の「本気」が感じ取れました。

Profile

静岡県浜松市生まれ。父親の会社を継ぐため工業高校に進学したが、高校2年生のときに父親の会社がバブル崩壊により倒産。大学進学をあきらめ、特待生として進学可能な服飾専門学校に進学した。20歳でアパレルブランドの製造卸を起業したが、1年半で撤退。22歳のとき、株式会社アイジーコンサルティングに入社し、住宅メンテンナンス事業の法人営業職を務める。23歳で社内ベンチャーとして、アパレルのリユース事業をスタート。2006年に分社化し、株式会社スタンディングポイントを設立。代表取締役に就任した。
座右の銘は『今この瞬間の連続が未来を創る』

Contact
<本社>東京都港区南麻布5-15-11 広尾セオハウス1F

Staff

インタビュー・執筆:青木典子/編集:佐々木久枝

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