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ストーリー代表・CEO

「ワクワク感」を大切に 楽しいことを仕掛けたい。 新規事業展開も進め、 新たなステージへ

代表_アルサグループ

議員秘書としての修業を経て
二代目社長に就任

教育にも注力。
社員が自ら考えて行動を起こし、
キャリアプランを描ける体制をつくる

株式会社アルサ/株式会社ホウエイ
代表取締役社長
中田 大史 / Hiroshi Nakata

アルサグループが築いてきた事業を進化させていく

アルサグループ創業者・中田春昭の長男である中田大史。2011年、株式会社アルサほかグループ会社の社長に就任した。

父が築き、拡大してきた事業の数々を進化させる。さらに新たな市場ニーズに応える新規事業を生み出し、次世代へつないでいく――それを自身の使命だと感じている。

大史は大学を中退し、アルサに入社した。しかし、入社2年目より3年半の間、外部に修業に出ていた期間がある。その間に務めたのは政治家の秘書業務だ。

「正直に言うと、20歳そこそこで当社に入社した時点では、高い志を持っていたとは言えませんでした。でも、外の世界での経験を通じ、仕事において大切なことを学べた。そして、経営者として目指すべきことが見えてきたんです。父が築いてきたアルサグループを、守るべきところは守り、時代に応じて変えるべきところについては新たなチャレンジをしていきます」

子どもの頃の大史の目に映っていた父・春昭は、優しく、いつも冗談ばかり言っていた。会社経営のストレスやプレッシャーも感じていたに違いないが、家庭で仕事の話をすることはなかった。仕事で家を空けることが多かったものの、家にいるときは大史と遊んだり、海に連れていってくれたりした。「いずれ会社を継げ」と言われたことはない。しかし、大史は何となく、自分が継ぐのかもしれないとぼんやり思っていた。

中学・高校時代は、それほど努力せずとも成績は上々。ところが大学に進学した途端、挫折感を抱くようになる。それまでは全寮制の環境で、指導されるがまま勉強し、良い成績をとって大学に行きさえすればいいと思っていた。しかし、大学では能動的に考え、学ぶ姿勢が求められる。敷かれていたレールがぷっつりと途切れ、どうしていいかわからなくなってしまった。目標を持てず、やりたいこともない。勉強する気が起こらず、遊んでばかりの日々を過ごした。

「これといった目標がないなら会社に入れ」という父の言葉に押され、アルサに入社。

最初に手がけたのは、天然水宅配事業の立ち上げだ。中国や韓国に出張して取引先を開拓するなど、事業開発に取り組んだ。「社長の息子」としてのプレッシャーを感じることもなく、仕事を楽しんでいたという。


 

議員秘書として厳しく指導される日々。後継者としての心得も学ぶ

入社から1年ほど経った頃、あるパーティーで政治家と知り合った。当時、自民党の幹事長を務めていた大物だ。愛想の良さが気に入られたのか、「秘書を探している。東京へ来てうちで働かないか」と誘われた。

「議員秘書」と聞いてまっさきに思い浮かんだイメージは「不正が発覚したら代わりに逮捕される人」。ドラマでしか見たことがない未知の世界だが、大史は「やってみよう」と覚悟を決めた。チャレンジ精神は父譲りなのかもしれない。父も、いい修業になると思ったのか、反対することなく送り出した。

こうして議員秘書となるべく上京。初日に事務所へ挨拶に行くとさっそく洗礼を受けた。

「事務所のスタッフさんが缶コーヒーを出してくださったんです。その後、『国会議事堂でも見学しておいで』と言われ、見に行って戻ってきたら、いきなり注意されました。『中田君、君の飲んだコーヒーがそのまま出てたよ。自分で片付けなきゃ』と。あぁ、ここでは遠慮なく、あえて厳しく指導してくれようとしているんだな、と感じました。それがありがたく思えて、身が引き締まりましたね」

議員とは、朝から晩まで行動を共にした。1日30件もの決裁事項の確認と処理、電話の取り継ぎやアポイント調整、関係者へのメッセージ伝達、来訪者の対応などに追われた。

物事をスピーディに進められないときは厳しく指摘された。大史が情報や案件を握ったままだと、議員の行動のタイミングが遅れてしまう。「君のせいで日本が止まるんだ!」。そんな叱責の言葉が今も耳に残る。

人との接し方、振る舞い方も学んだ。事務所では「先生は影響力が強いからこそ、スタッフは平身低頭でいなければならない、横柄な態度を取ってはいけない」と徹底指導された。「世間からどう見られるか」を常に意識した振る舞いを心がけるようになったという。

そして、「後継者」としての意識も新たにした。政治家には世襲も多く、議員の子息である秘書と交流する機会もある。そんな「二世」の秘書が、あるとき他人に責任転嫁する場面に遭遇したことがあった。その姿を見て、「二代目の在り方」について肝に銘じた。

「父親の陰に隠れていてはだめですね。二代目にはただでさえ、周囲の目が厳しい。だからこそ、物事を投げ出したり、逃げたりしては絶対にいけない。自分が前に出て、しっかりと物事を受けて立つ姿勢でいなければ、と実感しました。人として当たり前のことですが、後継者はなおさら、そのことを肝に銘じなければいけないのだと思いました」


社員が主体性を持ってキャリアを築いていけるように

議員秘書を務めるのは3年と決めていた。その期間を終えた大史は、2008年、「後継者」としての覚悟を持ってアルサに戻った。

再入社後は、自社の課題がよく見えるようになっていた。政治活動にも、資金をどう調達し、どう活かすかというビジネス的な動きがある。さまざまな業種の企業との交流もあり、ビジネスの動向に関する情報も入ってくる。そうして培ったビジネス感覚で自社を見ると、大史は先行きに危機感を抱いた。「事業構成が偏っていて、利益率も低い。このままでは、会社は持続的に成長していけない」――。

社長である父も同じ課題意識を持っており、新規事業の立ち上げを強化していた。ときには、進め方について父と意見を衝突させながらも、ベクトルを合わせて事業の多角化を進めていった。

再入社して3年後の2011年、大史は代表取締役社長に就任する。父から引き継ぎを告げられた時、大史は「まだ早い」と感じた。そのとき、31歳。まだまだ経営経験は浅い。

しかし、何もできないからこそ、父からも社員たちからも「教えてもらう」姿勢で取り組めばいいのではないか。そう意識を切り替え、代表権を引き受けた。

大史がまず目指したのは、「社員をより大切にする会社」だ。

「再入社後にしみじみと実感したんです。うちの会社のメンバーは皆、真面目で、本当にいい人たちだなぁ、と。この人たちあってのアルサグループ。だからこそ、もっと社員一人ひとりに目を向けたいと思ったんです」

大史は、社員たちは口には出さないが、不満も抱いているのではないか、と感じた。なぜなら、自分自身が平社員の立場で働いていて、物足りなさを感じたからだ。

父は創業者として、先陣を切って走り続けてきた。社員たちはその背中を見て、追い掛けてきてくれた。けれど、トップの指示に従ってついていくだけではなく、自分で考えて行動すること、それによって成功体験を積み、自分のキャリアを構築していくことができてこそ、「働きがい」を感じられるはず――そんな想いを抱いていた。

社長に就任した大史は、社員が自分自身の将来のビジョンを描き、キャリアを積み重ねていけるようにするための教育体制や評価制度の整備に取り組んだ。これらを活用することで、社員たちが成長を実感しながら、ステップアップを目指せるようにしたいという。

そして自分に子どもが生まれ、親になったことで「教育」への意識はさらに高まった。

「私自身、大学に入ってからやりたいことがわからず、道を見失った時期がありました。今思うと、自分の頭で考える力が育っていなかったんですね。だから、社員も与えられたことだけをやるのではなく、『自分がどうしたいか』『どうなっていきたいか』を自ら考え、道を決めていけるようになってほしいと思うんです。やりたいことがあれば社員が自ら手を挙げて挑戦できるような環境をつくりたい。社員が経営に対しても意見を出し、参画できるような体制にしていきたいと考えています」

社長就任から8年が経った。自分ならではの取り組みが実を結んだものもある。

しかし、自身の仕事について「安易な自己評価はしたくない」と大史は言う。社長になると褒められることが減り、怒られることもまた減っていく。だからこそ、自分で自分を「できる」と評価しない。「できる」と思ってしまったら、それが「驕り」になり、成長が止まってしまう。できたことより、できていないことのほうが多い。「まだできる」「もっとやれる」と常に自問自答しながら成長していきたいと考えている。

今後は、M&Aによって加わった事業を時間と手間をかけて育てていく一方、保育園向けの寝具レンタルサービスをはじめとする新規事業にも力を入れていく。

50周年を機にロゴマークも一新。爽やかさ、上品さ、優しさ、温かみを感じさせるロゴマークにより、社内外の人々にアルサグループが新たなステージに進んだことを感じてほしいという。

「事業環境の変化のスピードが速い昨今、対応していくのは大変なことです。それでも、とにかくワクワクすること、楽しいことを仕掛けてチャレンジしていきたい。次の50年、100年に向けて、社員やお客様と一緒に成長していきたいですね」



リスナーの目線

取材当日、風邪で体調が万全でないにも関わらず、インタビュー中はまったくそれを感じさせないハツラツとした笑顔で話してくださった大史社長。普段も「ピエロみたいな感じ」といいますが、それは「大変なことでも楽しむ。社員にも楽しんでもらいたい」というポリシーからだそうで、「意外と真面目に考えてます(笑)」とのこと。健全な危機感を持ちつつも、楽しむ。創業社長とはまた違うタイプの、リーダーとしての強さを感じました。

インタビュー・編集/青木典子、横山瑠美 撮影/木下将

Profile

1980年、福岡県福岡市に生まれる。家業である株式会社アルサに入社し、天然水宅配事業の立ち上げを担当。入社2年目、上京して国会議員の秘書として3年半働いた後、2008年、アルサに再入社。2011年、代表取締役社長に就任。

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