
「共感」が人をつなげ世の中を創る。リスナーズでその仮説を実証したい
役員リレーインタビュー
フラー株式会社
代表取締役COO兼CCO
櫻井 裕基 / Hiroki Sakurai
フラーの組織や文化を創り、整えるのが僕の役割です。渋谷は会社の外に出ていろんなことを発信したり持ち帰ったりするのですが、僕は会社の中で、社員の皆がいかに能力を発揮できるかを考えて組織創りをしています。
狙ったわけでもないのに、昔から副学級長、副議長など何かと“副”の役割を担うことが多いんです。先頭に立って皆を引っ張っていくというよりは、皆の背中を押す。いつの間にかそういう役回りになっているし、そういう立場に置かれるとすごくやる気が出ます。
僕は「人を見る」ことが好きなんです。フラーの社員は全員大好きだし、社員のためだったらいくらでも労を惜しまない、という気持ちでやっています。
役員を含めフラーの皆はそれぞれタイプが違うんですが、360度全体を見渡して「櫻井が後ろにいるから全力を出せる」と思ってもらえるような存在でありたいですね。
継続力でしょうか。嫌なことでも継続することで自分の力になると思っています。
それを実感したのが、「アイスホッケー」の経験です。小学校2年生から始めて高専時代には国体にも出場しましたが、実はアイスホッケーを好きになったのは始めてから10年近く経った頃でした。
始めたきっかけは、親が「この子は太り過ぎだからスポーツをやらせよう」と。自分では記憶がないまま始めて、親から言われるがままに練習に行って。やっぱり途中で嫌になることもありました。ですが、「小デブ」だった子どもが「動けるデブ」になって、高専に入ると厳しい寮生活もあいまって10kg痩せ、「めっちゃ動けるプレイヤー」になった。「氷上でバク転できるかも」と思うくらい身軽さを感じて、連盟の人からも「化けた」と言われたぐらい。国体の選手にも選ばれ、その頃ようやくアイスホッケーが好きになりました。
やり続ければ、自分の自信になって返ってくる。積み重ねることの大切さは、会社の経営においても意識していますね。
今続けているのは、アプリで日記を書くこと。毎日です。2016年4月から始めたので、もう2年以上続けています。どんな場所でどんな人に会ったのかを、写真とともに記録するために始めました。
その日記アプリでは、1年前・2年前の今日の日記が表示されるんです。それを読んで「1年前はこんなことをしていたんだ」と振り返ったり、「人生ってすげえな」と思ったり。
ここでも、継続することで自分の力になるということを実感しています。
「間(ま)」という言葉です。「あいだ・ま・かん」などいろんな読み方もしますし、「時間」「人間」「隙間」などその使われるところは多種多様で、私たちの周りにはさまざまな「間(ま)」が存在しています。物事と物事の「間」にあるものを自分の目で見て、適切な判断をしていきたい。
僕はエンジニア、デザイン、経営などさまざまな経験をしてきたのですが、そのおかげでいろんな視点を持てていると思っています。
例えば、『iPhoneX』を見たとき、技術視点では「Swift(プログラミング言語の一種)で作られているんだろうな」、デザイン的視点では「ガラス加工かな」、経営的視点では「このタイミングで市場に投入したのは…」といったように、多面的に見られるようになった。
世の中のあらゆる仕組みにしても、先人たちが苦労して作り上げてくれたものがあるわけですが、それに対して違った視点で見ることで、また新しい解が生まれてくるんです。
いろんな「間」が見えてくると、自分の中で化学反応しあっている感じがします。
一方で、皆が情報に踊らされないようにしたいという想いもあります。情報過多の現代社会で、普段触れる情報の量が格段に増えたことで、物事に対してすごく表面的に捉えてしまっているような気がします。
だからこそ、僕自身は情報を鵜呑みにせず、ブラックボックスの中身をちゃんと見ていくことを心がけています。本質を見極める目を持っていたいですね。
インタビュー・編集/青木典子、堤真友子 撮影/平山諭
「共感」が人をつなげ世の中を創る。リスナーズでその仮説を実証したい
会社も、自分自身も。柔軟に形を変えながら、 長く・多くの人に価値を届けていきたい
「あなたにとってのサステナビリティとは?」持続可能な社会へ向けて、問いと対話を通じて変化を促す存在でありたい
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