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ストーリー代表・CEO

持続可能な社会のために、「共に未来を生きる」をミッションに

最新ストーリー代表_株式会社富士通ゼネラル

「事業を強化することが社会課題を解決する道筋となる。全社一丸で取り組むサステナブル経営

斎藤 悦郎 / Etsuro Saito
株式会社富士通ゼネラル
代表取締役社長
経営執行役社長 CEO(Chief Exective Officer) 兼 CSO(Chief Sustainability Officer)

先進的な製品とソリューションで世界100カ国以上で事業を拡大

1936年の創業以来、メーカーとして多くの先進的な製品を生みだしてきた株式会社富士通ゼネラル。柱となるのが、空調機、情報通信システム、電子デバイスの3つの事業だ。

代表取締役社長の斎藤悦郎は「3事業とも持続可能な社会の実現につながる重要な事業。私たちは『サステナブル経営』を成長戦略の中核に据え、本業を通じた社会課題の解決を目指しています」と力を込める。

連結売上高の9割を占めるのが、空調機事業である。世界100カ国以上で展開しており、海外売上比率が8割以上を占めるグローバル事業だ。業務用空調機部門では、製品の販売だけでなく、設備設計から機器の選定、据付工事といったソリューションを提供する。

情報通信システム事業では、消防・防災システムを提案・製造・販売・保守までの一貫したソリューションサービスとして提供。人々の生命や財産を守ることに貢献している。民需として、外食産業や医療機関の業務ソリューションも提供している。

電子デバイス事業は、車載カメラや電子部品ユニット製造を柱に、商品設計から製造、販売までを一貫して行う。パワー半導体モジュールの開発・製造にも注力。世界的な半導体不足を受け、自社製品への搭載だけでなく、家電・産業機器メーカーへの外販を行うなど事業を拡大させている。

全社を挙げて、新たな「FUJITSU GENERAL Way」を構築

富士通ゼネラルの企業理念「FUJITSU GENERAL Way」は2018年に誕生した。斎藤は2015年の社長就任後ほどなく策定を検討し、2017年、社員らと共にミッションプロジェクトを立ち上げた。

何よりも意識したのは、できるだけ多くの人を巻き込むことだった。職場ごとにプロジェクトメンバーを決め、メンバーが職場の意見収集や調整を行った。OB、社外取締役など、さまざまなステークホルダーにも参画を促し、創業時からの想いや出来事をレビューしたり、未来を想像したりしながら、あるべき姿を議論した。

議論の内容はその都度、職場にフィードバックし、進むべき方向について社員の意見を聞くなど丁寧に進めた。「我々が貢献するべき対象は、果たして今、目の前にいるお客様だけでよいのか」と問う声も挙がった。

「もちろん、今日のお客様は大切です。しかし、未来のお客様、あるいは未来の社会も大切にし、寄り添っていく姿勢が必要なはず。そんな決意を企業理念に込めようと考えました」

当初、議論は半年程度を予定していたが、その期間を大幅に延長し、結局1年ほどを要した。

2018年、新たな企業理念「FUJITSU GENERAL Way」が完成。ミッション(目指すべき姿)として掲げたのは「共に未来を生きる」。

ミッションを実現するための「フィロソフィー(大切にする考え方)」として、「自発的に取り組みます」「人を思い活かします」「誠実さを大切にします」の3つを挙げた。社員には、自己研鑽や創意工夫、先見力、自発的に新しいことに挑戦する姿勢を求める。また、多様な価値観を認め合い、誠実に働くことも期待する。

「今までと同じことをやっていては、イノベーションは起こせません。性格や性別、国籍や言語などが異なる人たちとの価値観の融合が必要です。社員同士が互いを想い合い、尊重し合うこと。そこから新たな価値が生まれる。社長就任時からの『人を思い活かす経営』を引き続き進めていきます」

さらに、「共に未来を生きる」に込められた未来のお客様や社会も大切にし、寄り添う姿勢は、その後のサステナブル経営の方針策定にもつながっている。

「私たちの『共に未来を生きる』はSDGsの『誰一人取り残さない』と同義語ですので、サステナブル経営を事業の中心にしようと決めたのです」

例えば、灯油やガスといった化石燃料を使う暖房器具は今なお多いが、富士通ゼネラルは、ヒートポンプ技術を搭載するエアコンへの置き換えを推進し、温室効果ガスの排出削減に取り組んでいる。情報通信システムは安心・安全に関わるビジネスであり、次世代型パワー半導体モジュールは省エネに寄与する。

「我々の事業を強化することは、そのまま社会課題の解決につながっている。ひいては、サステナビリティに大きく貢献できる。進むべき方向性を定めることで、事業を伸ばす原動力になると考えたのです」

企業理念の再設定は改革の“一丁目一番地”。10年かけ、浸透を目指す

斎藤が富士通ゼネラルに入社したのは1977年。国内営業を4年経験した後、海外営業として、香港、シンガポール、オーストラリアに合わせて15年間駐在した。2008年末に本社へ戻り、2015年社長に就任した。

企業理念について意識し始めたのは、海外営業で世界を飛び回っていた頃だ。当時は海外営業の人員が少なく、若手の斎藤も広範囲の仕事を担当、取引先のトップや幹部層と話す機会に多く恵まれた。そこでたびたび話題にのぼったのが「企業理念」だった。

企業理念はその会社の存在意義やイメージをアピールする言葉。商談先のトップらが自社の理念を熱く語る様子に強い感銘を受けた。当時の富士通ゼネラルにはそれに該当するものがなく、斎藤は尋ねられても答えることができず、歯がゆい思いをした。

「私は次第に『企業理念』に強い憧れを抱くようになりました。社外に対しても社内に対しても、明確に言葉で定義することが、会社を動かす大きな力になると感じたからです。実は、富士通ゼネラルには2008年に定めた企業理念があったのですが、グループ会社の理念をアレンジしたもので独自性がなく、社員に浸透していませんでした。だからこそ、社長就任後の改革として“一丁目一番地”に据えたのが、企業理念の再設定だったのです」

斎藤は新しい企業理念が社員に認知され、浸透し、実践されるまでには10年かかるとみている。

新しい企業理念が誕生して、2022年で4年目。現在、全社への浸透を図るさまざまな活動が行われている。

その一つが、製造・販売拠点を含む全世界の各職場に配置した180名の「企業理念プロモーター」だ。企業理念のミッションやフィロソフィーに沿った取り組みをしている好事例を社内に共有し意見を出し合うなど、理念浸透のための草の根活動を展開している。人事制度も2020年に改訂し、評価基準に「企業理念の実践」という項目を設けた。

企業理念の再設定後、富士通ゼネラルは社員を対象にアンケートを行った。直近のアンケートでは、「我々の企業理念に共感できますか?」という問いに対して、「イエス」と答えた人が96%。「日々の業務の中で企業理念を意識して仕事していますか?」の問いには、90%が「イエス」と回答している。

斎藤は「ここまでは、思った以上に企業理念の浸透が進んでいると思います。しかし、全員が真に企業理念を意識して行動に移せるようになるまでには、もう少し時間がかかるかもしれません。その時が訪れるのが楽しみです」と話す。

持続可能な社会を残すことは、未来の担い手たちとの契約

「サステナビリティなしに我々の事業は語れない」

斎藤が想いを新たにしたきっかけは、新型コロナウイルスの世界的流行だった。2020年初めに流行の兆しを見せ始め、世界の国々が次々とロックダウンする中、日本でも4月に緊急事態宣言が発令。この年のゴールデンウイークに、斎藤は今後の会社の方向性について深く考え込んでいた。

「新聞を見ると、コロナ禍にもかかわらずGAFAMがものすごい勢いで業績を伸ばしていると書かれていました。GAFAMの時価総額の合計が東証第1部の合計を上回り、インドのGDPをはるかにしのいでいると。一方で、7億人まで減っていた飢餓人口が、再び8億人に拡大したという記事もある。格差がどんどん大きくなっている今、『誰一人取り残さない』というSDGsの考え方は果たして実現できるのだろうかと心揺さぶられる思いでした」

斎藤は、会社として「持続可能な社会を残す」ことに舵を切るべきだと決意した。

神奈川県川崎市にある富士通ゼネラル本社の向かいには、地元の子どもたちが通う小学校がある。その小学校の先生から、コロナ禍で校外学習などに行けずに困っているという話を聞いた。斎藤は本社の敷地内探検や環境問題に関する出前授業を提案し、さまざまな部署に所属する社員が先生役を務めて実施した。子どもたちにも先生方にもとても喜ばれたという。

富士通ゼネラルではサステナブル経営の重要テーマの一つである「社会への貢献」の中で、「次世代人材育成」と「地域社会のコミュニケーション」をうたっている。小学校の子どもたちとの交流は、サステナビリティの意義を再確認し、社員のモチベーションの向上にもつながる価値ある取り組みだった。

「富士通ゼネラルの皆さん、いつもありがとう。お仕事頑張ってください」。富士通ゼネラルの社屋に面した小学校の窓には、子どもたちが書いた大きな文字が貼ってある。

「なんともうれしい言葉です。そのメッセージの真の意味は、『持続可能な社会を作れるように、お仕事頑張ってください』だと受け止めています。持続可能な社会を継承していくことは我々の義務であり、未来の担い手たちとの契約です。今後も、企業理念とそこにひもづくサステナブル経営に全力で取り組んでいきたいと思います」

公開日:2022年12月23日

Profile

1977年、富士通ゼネラル(当時ゼネラル)入社。
入社5年目、海外営業配属。86年に香港駐在で販売会社の設立を担う。97年シンガポール販売会社社長、2003年オーストラリア販売会社社長、2009年経営執行役、11年経営執行役常務を歴任。15年より社長となる。
新型コロナウイルス感染の拡大する20年5月、米国の巨大IT(情報技術)企業の時価総額がコロナ禍でも跳ね上がっているというニュースと、社会活動が停滞し、飢餓に苦しむ人が増えているという2つの正反対のニュースを目にし、「持続可能な社会」の実現が必要であることを改めて痛感。
「省エネ性に優れた空調機器を売れば、世界の二酸化炭素排出量が減り、地球温暖化を食い止められる。本業を強くすればするほど、持続可能な社会に貢献できる」。そう気持ちを新たにし、同年7月よりサステナブル経営を強力に推進。

Contact
神奈川県川崎市高津区末長3丁目3番17号

Credit

インタビュー・執筆:宮原智子/編集:室井佳子
撮影:田中振一

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