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ストーリー代表・CEO

人材不足の課題に挑む。仕事とスキルアップの機会の提供を通じ、働く人の可能性を広げる

最新ストーリー代表_株式会社ジンザイベース

企業と外国人材のウェルビーイングを目指して

中村 大介 / Daisuke Nakamura
株式会社ジンザイベース
代表取締役

面接だけでは、「自社で活躍できる人材」を見極められない

日本の少子高齢化はとどまるところを知らず、労働力人口の減少が加速している。そのためさまざまな業界で外国人雇用が緩和され、労働力人口に占める外国人の割合が増えている。しかし、多様な人材の雇用で人手不足を解消し、組織の活性化に成功している企業はまだ少ないのが現状だ。

この問題を解決しようと、2021年に創業されたのが、就労・定着・教育の3領域で外国人材をサポートする、株式会社ジンザイベースである。代表取締役の中村大介は、自社の役割を「企業と求職者双方のウェルビーイングが実現できるように支援すること」と語る。

「現在は、『特定技能制度』に基づいて在留資格を持っている人に限定して、就労機会を提供中です。就業した後の定着の支援も行います。当社は国から『登録支援機関(21登-006355)』として認められており、支援すべき10項目にも対応。受け入れ企業の体制構築のコンサルティングにも力を入れています」

マッチングの入口となる情報提供については、求職者には企業情報や就労情報をTikTokやFacebookなどのSNSを活用して、現地語で提供。受け入れを検討する企業に向けては、Jinzai Plusと名付けたWebサイトを通じ、特定技能制度の概要から業界・出身国に応じた採用方法、受け入れ企業の事例インタビューなど、役立つ情報を動画も活用して提供している。

求職者には「どんな人になりたいか」という希望を聞き、現時点で足りていない知識やスキルがあれば、教育の機会を提供。在学中の就職活動のサポートや、技能実習生のキャリアアップ支援、特定技能としての就労者の転職支援も行っている。

特定技能制度で外国人就労が認められている産業は、外食業、飲食料品製造業、介護などの計12分野。就職時に試験合格が課せられる職種が多い。例えば、雇用ニーズが大きい外食業では、年3回全国で開催される外食特定技能試験の合格者でなければ就労ができない。

「教育支援では、試験を突破できるようにコーチング、教育を行います。現地語に翻訳した試験勉強用のテキストを使って学んでもらい、模試も行います」

目指すのは社会のDX”ダイバーシティトランスフォーメーション”

ジンザイベースのパーパスは「ダイバーシティ&インクルージョン」。 

「多様性を受け入れる社会を創りましょうということです。大胆な言い方をすると、制約条件を取り払って、ノーボーダーの状態を実現すること、就労機会をどんどん提供していくチャンスメーカーになっていくことをパーパスとして掲げています」

このパーパスの下で掲げるミッションは、「Be++ 働く人の可能性を最大化する」。一つ目の「+」は仕事、二つ目はスキルアップ。この二つを提供し、「働く人の可能性の最大化」を実現することで社会を変えていこうとしている。

「このミッションを達成することで社会や未来に与える影響を、弊社では『社会のDX』と呼んでいます。通常DX はデジタルトランスフォーメーションを指しますが、私たちの言うDXは『ダイバーシティトランスフォーメーション』。情報格差による可能性の限定や、生まれや育ち、国籍・性別・年齢で可能性が狭まることのない世界を目指しています」

幅広い就労機会の提供を通じ、多様な人材の可能性を引き出すこと。誰もが「なりたい自分」を実現するため、成長し続けられる社会をつくること。それがジンザイベースの使命であり、そのために日本で働く外国人労働者のエンパワーメントを実現し、日本社会の多様性をアップデートしていると中村は熱を込める。

中村は新卒でコンサルティング企業に入社。全国の中小・中堅企業を中心に経営戦略の相談に乗り、事業規模拡大の提案をしてきた。4年目に独立し、仲間と共に起業。コスト削減や改善のコンサルティングを中心に事業を展開した。その中で、地方の企業がスケールアップする際、多くの企業が「人の採用と定着」の課題に直面することに気付く。日本の人口は減少し、若者が減ってきている。地方で生まれ育っても都市に流れる人が多い。必然的に、地方企業は外国人に頼るしかない。そういう現状を目の当たりにして、2015年に技能実習生を対象とした求人サービス企業を立ち上げた。

「技能実習生は転職ができず、一旦会社に入ったら一定期間そこで働き続けなければならないという制約があります。『人材側に寄り添ったうえで、その人の可能性を広げていく』という当初思い描いていた志向とは一致しない部分が、しだいに看過できなくなっていきました。そこでその会社を売却し、転職可能な特定技能人材を対象とするジンザイベースを作ったんです」

人材側に寄り添い、「働く人の可能性を最大化する」をミッションに掲げた根底には、フィリピンのセブ島に留学した時の経験があるという。

異文化に飛び込むのが好きだった中村は、学生時代によく海外へ行っていた。セブ島に留学中、アイランドホッピングで訪れた島で小学校中学年くらいの子どもと親しくなる。

「その子の夢を聞いて衝撃を受けたんです。給料が高いセブ島で働くことが夢だと。でもセブの賃金水準は日本よりはるかに低いものでした。フィリピン人であれば英語ができるから、アメリカなどの英語圏に行った方がいいのではないかと言ってみましたが、彼には金銭面以外にも、どうすることもできない事情があったのです。私は自分がいかに恵まれていたかに気付きました」

厳しい状況下でもやる気を持って頑張る人たちがいる。もしいろいろな制約がなく、彼らが社会やビジネスの場に参入することができたら、大きな意味で世界が変わってくるのではないか。その想いが、中村がダイバーシティを進める原点になっている。

豊富な情報を適切に提供し、自分で選び、自分で決める

ジンザイベースのバリューは、至心・超越・自責・共創。

至心は「社会・顧客・チーム、仕事に関わるすべてに対して真摯に向き合う」、超越は「常に最高のパフォーマンスを発揮できるよう自らを高め続ける」、自責は「失敗から学ぶために、自らの言動に責任を持つ」。そして、共創は「自立した個々人が相互に協力し合い、組織を活性化させる」。

この四つのバリューも創業時に中村が決めたものである。これらをバリューとした理由は「社会人になってからの15年間に出会った優秀な人の共通点は、この四つに集約されると思ったから」だという。

「当社メンバーの採用時には、ジンザイベースが目指す方向性に賛同してもらえるかを丁寧に見ています。創業間もない今の段階では、メンバーには夢と希望しか提供できない。だからメンバーは、パーパスとミッションに共感して入社してくれた人ばかりです」

外国人材が可能性を発揮するためにも、この四つのバリューが重要だと中村は考えている。例えば、「自責」。「自分で選び、自分で決めてもらう」ために、求人企業の中から応募先を決めるプロセスにはジンザイベースは関与しない。マッチング、クロージングを行わないだけでなく、おすすめや提案もしないという。

「自分で決めたことは、たとえ間違いに気付いても、反省し次に活かすことができます。同業他社の中には、自社にとって都合の良い案件を“おすすめ”として提案するケースもありますが、私たちはしません。その代わりになるべく多くの『情報』を提供しています」

同時に企業側にも、求職者と話し合ってお互いにメリットのあるところを見つけてほしいと要請している。

「面接という、上から目線で人を選ぶ形には限界がきていると思います。意思疎通が一方的であることが、採用後のギャップの主な原因です。対等という前提でコミュニケーションを取ってスタートすれば、少なくとも後から『こんなはずではなかった』という事態は減ると考えています」

日本人の意識を変え、DXを世界に広げた先にある「ノーボーダー」の未来

ジンザイベースは、支援した外国人材がスキルアップのために転職したいという場合でも、全力で応援するスタンスを貫く。

「採用してくださった企業との関係を考えれば、ウェルカムではありません。でもどっちつかずになりたくないので、『働く人の側に付く』と決め、ミッションとして掲げています。離職される企業には、何が問題だったのか、どういう改善が必要なのかをコンサルティングします」 

過去の日本では、主に中国の人たちが自国よりも高い報酬を求めてやってきた。いまや中国は日本を追い抜き、アジア諸国と日本の経済格差は縮まっている。日本が受け入れ体制や待遇を何も改善していなければ、人は離れていく。

「現時点で日本には技能実習生だけでも40万人強います。黒字であっても人手が足りず倒産する企業も、今や当たり前です。潰すか、外国人に働いてもらうかという二択になっている会社はたくさんあります。いかにして彼ら彼女らに選んでもらうか、心地良い環境を提供するのか。そんな意識を持ち、受け入れ体制や関係性を構築していかなければ立ち行かなくなってしまいます」

報酬面だけなら韓国に行った方がよく、手続きの早さでは台湾に劣る。台湾のGDPはおよそ10年後には、日本を超えるといわれている。もはや実利面での日本の優位性は見当たらない。だから変えるべきは、まず日本人の意識と中村は力を込める。

日本人の意識を変え、日本社会を変えた先に思い描く未来は、「ダイバーシティトランスフォーメーション」を成し遂げ、「ノーボーダー」を実現した世界だ。

「今は第一フェーズとして、海外から日本に来て日本の中で働くことを支援していますが、それだけでは働く人の可能性が限定されてしまいます。将来は、日本から海外、海外から海外も視野に入れています。いかにして広げていくか。影響力を最大化するために、日々努力を続けています」

公開日:2022年12月23日

Profile

1985年、兵庫県神戸市生まれ。2008年に近畿大学経営学部を卒業後、フランチャイズ支援および経営コンサルティングを行う東証一部上場企業に入社し、新規事業開発に従事。2015年、スタートアップを共同創業。取締役として、外国人労働者の求人サービスの複数立ち上げ、システム開発を主導。海外の学校や送り出し機関との太いパイプを活用し、ベトナム、インドネシア、タイ、ミャンマー、バングラデシュの人材、累計3,000名以上の採用に携わり、99.5%の達成率にてクライアント企業の事業計画の推進に成功。パフォーマンスを倍加させた新しいシステムを活用し、国内在住の外国人材の就職の課題を解決すべく、2021年に株式会社ジンザイベースを創業。趣味はキャンプとゴルフ。

Contact
東京都千代田区神田錦町2丁目2−1 KANDA SQUARE 11F

Credit

インタビュー・執筆:ひらばやしふさこ/編集:室井佳子
撮影:田中振一

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