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ストーリー代表・CEO

主力保険の売上が大幅ダウン。コロナ禍による妊婦の社会課題に保険で挑む

代表_株式会社ウィズハート

保険とWebを掛け合わせ、本当に困っている方を支援するべく、妊婦向けの医療保険を提供

株式会社ウィズハート
代表取締役
木代 晃輔 / Akisuke Kishiro

Web×保険。双方の強みを活かして「Web専業」の保険代理店を展開

株式会社ウィズハートは、Webサイトから自分に合った保険を探して契約できる「Web専業の保険代理店」だ。「海外旅行保険に入りたい」「病気になったが保険に入れるのか知りたい」など、何らかのニーズがある方が検索エンジンでリサーチし、ウィズハートが運営する保険比較サイトにたどり着く。代表取締役の木代晃輔は、同社が扱っている保険の特徴をこう語る。

「コロナ禍前は、海外旅行時に加入する海外旅行保険をメインで取り扱っていました。海外では日本の健康保険が使えませんので、一週間ほど入院・手術しただけで数百万円〜数千万円という莫大な医療費がかかることもあります。そんなリスクに備えて保険に加入される方が多かったです。

しかしコロナ禍で海外旅行が激減したのに伴い、海外旅行保険も売れなくなりました。そこでメイン商品を転換、現在は『妊婦向け医療保険』や『持病を持っている方向け医療保険』など、保険会社があまり販売しないニッチな保険商品を取り扱っています」

木代は大学卒業後、中堅損害保険会社の共栄火災海上保険株式会社に入社し、2年ほど保険商品の開発に携わった。当時は個人情報の重要性が叫ばれるようになってきた時代で、個人情報漏洩に対する保険や、会社の強みでもある農業や漁業に特化した保険などの開発業務に従事した。

「ただ、大学時代から個人の趣味としてWebサイトの制作・運営をしており、Web関係の仕事もしてみたいと思い描いていました。保険会社を退職したときに『Webと保険を掛け合わせて、何かやってみよう』と思い、現在の業態に行き着いたんです」

主力保険の売り上げダウンの中で見えた一筋の光。「ニッチな保険へのニーズ」

新型コロナウイルスの感染拡大により、海外旅行保険を主力としていたウィズハートは大きなピンチを迎える。

「コロナ禍前はアジアを中心に海外旅行に行かれる方が増えていて、また同時に国策としても学生の海外留学を後押ししていましたので、海外旅行保険の売上が大きく伸びていたんです。しかし、コロナ禍で海外への渡航需要がなくなったことで、海外旅行保険の売上も壊滅状態に。実に売上の約7割が消失しました」

コロナ禍の初期は、半年ほどたてば収束するのではと、あまり危機感を持っていなかった木代。しかし半年が経過しても感染者数は減らず、増加の一途をたどるのみ。「そろそろ海外旅行保険とは違う分野に注力しなければ」と思い始める。

そんな中、わずかながらも着々と売上が伸びていた保険がある。妊婦向けの医療保険だ。

コロナ禍になる直前、妊娠中だったウィズハートの女性スタッフが切迫早産で入院した。妊娠22週で妊婦健診に行ったところ異常が見つかり、そのまま緊急入院となったのだ。彼女はそこから3カ月もの間、病室のベッドでずっと寝たきりの状態だった。

「切迫早産は、赤ちゃんが未成熟のまま、いつ生まれてしまってもおかしくないという状態です。もし早過ぎで生まれれば、赤ちゃんは生きていけません。少しでも長く赤ちゃんをお腹にいさせるため、体をあまり動かさないよう、ひたすらベッドの上での安静生活が続きます。本人はもちろん、ご家族の身体的・精神的負担はものすごく大きいですし、長期の入院なので費用もものすごくかかります」

スタッフの入院体験以来、妊娠・出産は命がけだと再認識した木代。同じような境遇の妊婦や家族の負担を少しでも和らげたいと思い、妊婦でも加入できる医療保険を見つけ出し、Webサイト上でひっそりと販売を続けていたのだ。

「一般的な医療保険は妊娠中だと加入できないか、たとえ加入できたとしても今の妊娠・出産のリスクは保障対象外となるケースが多いです。しかし『妊娠中で、今回の妊娠・出産も保障してくれる医療保険に加入したい』という妊婦の方々の声は確実に増えていました。

弊社で販売を始めた『妊婦向け医療保険』は、通常の病気やけがを保障するのはもちろん、妊娠中や出産時に異常が起きた時の入院や手術などにも対応しています。今後はこの妊婦向け医療保険に力を入れたらどうかと考えました」

コロナ禍で増える妊婦のリスクを目の当たりに。主力商品の転換を決意

コロナ禍で売上7割減という大打撃を受けたウィズハートであるが、Webでの保険販売に特化していたことが唯一の救いになったという。

「対面営業が必要かなと考えていた時期もありましたが、コロナ禍で対面販売の機会は激減しました。オンライン以外での契約が難しい今、『Web専業にしておいてよかった』と実感しています」

また、パンデミックの最中には妊婦向け医療保険の売上が伸びた、と話す木代。妊婦が新型コロナウイルスに感染すると重症化しやすい、という統計データが公表されたり、緊急事態宣言下の医療崩壊で妊婦の入院先が見つからず、赤ちゃんが死亡するなどの痛ましいニュースが報道されたりしたことで、需要が増えたのではと推測している。

「実際に、コロナ禍で妊婦の負担は格段に増大しています。例えば妊婦が出産する際に、新型コロナウイルスに感染している場合、通常分娩では出産することができず、必ず帝王切開手術での出産になります。また、妊娠中に異常が見つかって入院しても家族が見舞いに行けない、産んだ後も子どもにはしばらくは会えないなど、妊婦の心身にかかる負担が非常に増えました。コロナ禍によるストレスでうつ病になってしまう妊婦も急激に増加しているんです」

妊婦にこれ以上のリスクを負ってほしくない。保険の仕組みで何とか支援できないかと、木代は痛切に思った。

「事前に保険に加入することで、医療保険から保険金が支払われれば医療費の心配はしないで済むし、家計も助けられる。過酷な状況であっても、一つでもプラスに思えることがあれば妊婦やその家族の精神的な負担を和らげることもできるのではと考えました」

同時期に、自社のWebサイト経由でコロナ禍での妊娠・出産に関する相談が届くことも増えていった。木代はこの問題に全力で取り組む必要性や、社会的な意義を強く感じるようになったという。

真のスタートはここから。医療現場からの声を大切に、妊娠・出産・産後の苦労を保険で支えていく

ウィズハートは現在、妊婦向け医療保険の販売に加え、コロナ禍での妊娠・出産におけるリスクの情報提供にも注力している。

「産婦人科で働いている医師や看護師にコンタクトを取り、医療現場から発信されるリアルな情報をWebサイト上に掲載しています。現場の情報はなかなか入手できないので、取り組む価値は大いにありました」

医療従事者の方とパイプができた結果、出産後の困りごとに関する情報も入るようになったという。

「例えば、子どもが早産で生まれた場合、子どもだけNICU(新生児集中治療室)に入院し、保育器から出られるまで入院を続けます。早産時期が早いほど、命が助かる確率が低いといわれています。そんな中でも親御さんは毎日母乳を届けにいかないといけません。また無事に保育器から出られたとしても、子どもに障害や後遺症が残る不安も付きまといます。

さらにコロナ禍の影響で、面会時間が極端に短くなり子どもの顔が十分に見られない、スケジュールを調整しないと母乳を届けられないなど、親御さんの負担がさらに増大しました」

このような出産にまつわる過酷な状況下のサポートを少しでもできればと、木代は保険を通してできることを常に考えている。

「ウィズハートは、このような方たちを保険を通して支えたいと考えています。切迫早産で入院した弊社スタッフは、入院した直後『なぜ切迫早産になってしまったんだろう』と自責の念に駆られ、子どもの命や成長への不安で心が押しつぶされそうだったと言っていました。

ただ、入院前に医療保険に加入していたおかげでお金の心配だけはしないで済み、悩みが一つでも減ったのはとても大きかったそうです。極限状態のときにお金の心配なんてしてほしくないですし、それこそ保険に頼ってほしいですね」

これからも、妊娠・出産にまつわるトラブルは増えていくのではないか、と木代は予想している。高齢出産が増えることで、妊娠異常による入院や帝王切開などの件数も増加しているからだ。また不妊治療を経て出産するケースも増えているが、不妊治療を経た妊娠・出産は、流産や早産の確率が通常妊娠よりも高いというデータもある。不妊治療への健康保険適用が今後開始されれば、不妊治療を受ける人が増え、トラブルの件数はさらに増加するとみられる。

「医療保険でサポートする場面は増えるかもしれません。そのニーズに応えるべく、新しい妊婦向け医療保険の開発を保険会社にお願いしているところです。子どもが早産入院したときに親御さんにお見舞い金を出すなど、これまでになかった保障も含めていきたいと思っています」

今後は医療現場の方々とのつながりを深めながら、病院やNICUに通う親御さんからリアルな意見をさらに集めたいと考えている。入院や手術を経験し、保険金を支払ってきた方たちから生の声を聞くことも計画中だ。そうして集めた意見を、新しい医療保険の開発やWebサイトでの発信に活かしていく。

「弊社の業績はまだ30%程度しか回復していません。しかし今は真のスタートラインに立てた感覚があります。コロナ禍によって、病気をお持ちの方や妊婦さんが抱えていたリスクが顕在化・可視化され、会社に新たな使命ができました。その点だけは、会社にとってコロナ禍での唯一のプラスです。将来的には、出産後の子育て世帯をバックアップするような保険やサービスも提供していきたいと考えています」

公開日:2022年3月31日

Profile

1981年神奈川県横浜市生まれ。
関東学院高等学校を卒業後、早稲田大学に入学。
保険数理・確率論を勉強し、共栄火災海上保険株式会社に入社。
企業保険が中心の新種保険部門に所属し、主に商品開発業務を担当。
26歳で退職し、その1年後に株式会社ウィズハートを設立。
自社にて保険比較・相談サイト「保険ウィズ」を立ち上げ、妊婦向け医療保険をはじめ、日本全国からの保険の悩み・相談に応えている。
趣味はバスケとランニングで、定期的に体を動かして健康管理。
「バーチャロン」というレトロゲームも。


Contact
神奈川県横浜市鶴見区東寺尾中台3-6

Staff

インタビュー:垣畑光哉/執筆:金指 歩/編集:ひらばやしふさこ
撮影:田中振一

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