人を観察することで相手を理解し、
適切な「距離」でサポートする

株式会社メディケア―

大橋 悠Yuu Ohashi

横浜南事業所 営業職

人見知りだった自分が、コミュニケーションの楽しさを知った

「『便利になった』と言われる仕事は世の中にたくさんあると思います。でも、『できないことができるようになった』と言われる仕事って、そうそうないと思うんです」

福祉用具のレンタル・販売を手がける株式会社メディケア―で営業を務める大橋悠は、仕事のやりがいをこう語る。身体が不自由になり家に引きこもっていた人が、杖や車椅子を手に入れることで散歩を楽しめたり、買い物に出かけたりできるようになる。利用者の生活が変化する姿を見たとき、「よかった」と思う。

「できないことができる」を安定維持するために、利用中のお客様を継続サポートすることが大橋の主な仕事。メディケアーを通じて福祉用具を導入した利用者から「杖の高さを変えてほしい」「車椅子の空気が抜けた」といった連絡を受けると、利用者宅を訪問し、対処する。身体状況に変化があれば、追加で福祉用具の導入を提案することもある。

大橋がお客様に接するときに心がけているのは、相手の性格タイプや気分などを見極めて、ふさわしい対応をすることだ。

相手を観察し、接し方を工夫するようになったのは大学時代。ピザの宅配のアルバイトをしていた大橋は、ただピザを渡して代金を受け取るだけでなく、お客様とのちょっとしたコミュニケーションを楽しんでいた。「熱いのでお気を付けください」「今日は寒いですね」と一声かける。ポケットにはアメをしのばせておき、玄関口に子どもが現れたら「はい、どうぞ」と手渡した。そうして相手の表情が少し和んだり、笑顔を見せてもらえたりするのがうれしかった。

「実は高校時代までは人と話すことが苦手でした。相手の目を見られないし、緊張してしまって。でも大学に入ってからはもっと人と関わらなければ、と思ってなるべく会話するようになったんです。すると苦手なタイプだと思っていた人とも意外と仲良くなれて。自分が話すというより、相手の話を聴いてあげるうちにその人への理解が深まっていくのが楽しくなり、人と接することそのものが楽しくなったんです」

大橋の「人間観察」の習慣、相手の話を聴く姿勢は、福祉用具の問題解決や提案だけにとどまらず、プラスの効果を生んでいるようだ。

印象に残っているのは70代の女性利用者・Kさん。Kさんはレンタル中の福祉用具に対し、ちょっとしたことで度々厳しいクレームを寄せていた。その度に大橋が自宅を訪問。クレームに対応しながら、家庭の様子を観察するうちに、あることに気付いた。

「娘さんがKさんにきつい言い方をすることがよくある。Kさんもついきつく言い返してしまう。そんな家族間コミュニケーションへのストレスが溜まっているんじゃないか」。

訪問を重ねて信頼関係ができてきた頃、大橋がそれとなくKさんに家族への気持ちを尋ねると、Kさんは悩みを打ち明けてくれるようになった。大橋は「時々は娘さんに、『ありがとう』と感謝を伝えてみてはいかがですか」と提案した。

かたくなな心がほぐれたのか、今ではKさんからクレームが入ることはない。訪問すると「いつも来てくれてありがとう」と笑顔を見せてくれるという。

「この仕事を始めてから、人との関わり方という点では成長できたかな、と思います。学生時代の僕は、人と密接な関係を築くのが楽しくて、お互い言いたいことを言い合う、本音でぶつかる、という感じでした。でも、相手を見て、相手の気持ちを察して、最適な距離をとることを心がけるようになりましたね。この人にはどこまで言うべきか、どんな言い方をすべきか、って。それは利用者さんに対しても、社内のメンバーに対しても同じ。

人との信頼関係を深めるためには、それが大切だと思っています」


インタビュー・編集/青木典子

撮影/森モーリー鷹博

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