思い続ければ、絶対にできないことはない

株式会社 働くお菓子 代表取締役社長 西川 裕揮

西川 裕揮Yuki Nishikawa

株式会社 働くお菓子

代表取締役社長

2015.10.06

家族の枠組みを捨てて始めた新事業

私は3人兄弟の末っ子にあたります。家は父親が昭和40年(1965年)から、商品を梱包する紙器(箱)のメーカーを営んでいました。長兄が後を継ぐため会社に入り、新たな事業を模索する中で、ある広告代理店から「箱とお菓子を組み合わせたノベルティグッズができないか」という提案を受けました。

新規事業で立ち上げ、実績が出始めた2005年に、長兄は新会社を立ち上げ、オリジナルお菓子を作る事業を開始しました。当時私は大手求人サービス企業で営業の仕事をしていましたし、身内で事業をする難しさを感じていましたので、長兄に誘われても断っていました。しかし、長兄の会社への熱意にだんだんと心が傾き、「家族」という枠組みよりも、永く続く会社を育てていくことを私は選択しました。

そして、長兄の会社で新事業部としてスタートし、2年後に設立したのが当社です。

当初、私は前職で鍛えた営業ノウハウを活かしながら、広告代理店にオリジナルお菓子を売りこむなど、セールスプロモーション用のグッズとして活用してもらうために営業をしていました。

それがある時、中小企業やベンチャー企業では、ブランディングを図るグッズとしてオリジナルお菓子が受け入れられやすいこと、しかも、そういうお菓子が手軽に作れると知らない経営者が多いことを知りました。そこで、企業経営者への売りこみを本格的に開始し、事業はしだいに軌道に乗っていきました。

その中で思いついたのが「働くお菓子」というネーミングです。営業や採用など多様なビジネスシーンにおいて、お菓子が一つのコミュニケーションツールとして働いてくれる。あるいは、企業イメージの向上に働く(役立つ)。そういうお菓子をたくさん提供したいという思いを社名に込めています。

お菓子は感情の伝達に長けたツール

ベンチャー企業など、まだ小さい会社にとって、社員が納得いく形で自社の個性を表せる「何か」を作るのはなかなか困難です。そのため、なかなか会社の魅力をアピールできず、採用などで苦戦する企業は少なくありません。そんな時、お菓子はインパクトを与えるツールとして非常に役立ちます。

一瞬で空気を変える効果もあり、商談前にパッとオリジナルお菓子を出されると、お客様が盛り上がり、商談も活発になったりします。また、営業の仕事でなかなかアポイントが取れない時、会話の発端としてお菓子を持っていくという手もあります。お菓子には多彩な使い方があるのです。

もっとも、お菓子はあくまで相手と繋がる手段の一つにすぎません。たとえば、バレンタインデーにチョコレートを贈る時、本来の目的は自分の愛情を伝えることにあります。あるいは、誰かに謝罪に行く時に菓子箱を下げていくのも、「申し訳ありません」という気持ちを形にしたいからです。

したがって、私たちはお菓子にこめる感情を一番大切にしています。仕事を依頼されると、私たちはプランに入る前にまず「なぜこの企業が存在しているか」を最初に考えます。そこで導いた解答に基づき、その企業をよりよくするための手段となるパッケージの魅せ方やお菓子のプラン(選定)を考えていきます。その企業の強みや魅力、世の中に与えているメリットなどを証明するツールとして、お菓子を作っていくのです。

お菓子は何しろ「食べる」という前提があるため、手に取った人の時間が必ず確保されます。さらに、パッケージでインパクト、開けてインパクト、食べてインパクト、食べ終わってインパクトという四階層の効果を出せます。見て終わりのチラシなどに比べ、非常に訴求力が高いのです。そこで当社では、パッケージの内側やお菓子の表面にも何かメッセージを記すなど、多彩な工夫を施しています。

どんなお菓子を選定するかについては、たいていは当社に任せてもらいます。まずはその企業が存在している理由、またその会社をよりよくするにはどういった角度からアピールすればいいのかをまず考えます。多くの会社は、営業ツールを作りたいというお客様が多いのですが、私たちはツールを作るという目的よりも作ったうえでもらった人がどんな感情になればニーズを達成したことになるのか、ということが重要だと思っています。それが会社のブランディングであったり、イメージアップに繋がっていくからです。たとえば、建設会社の現場で働く人たちに配るお菓子ならば、体の疲れをとるクエン酸入りのお菓子にしようといった感じで、数あるお菓子の中から最適なものを選んでいくのです。

クライアントの悩みを皆で一生懸命考え、課題解決していっているので、とてもクリエイティビティの高い仕事だと思っています。あまりスマートなやり方ではないですが、社員みんなで「頑張るぞー!」といってひたむきに取り組むような社風です。とにかく団結力があり、かなり綿密に会議をして方向性を決めていっています。この社風はおそらく、一人ひとりの考えを集結させていくことを大事にしている一途な人間が集まっているからかもしれません。

たとえば、社員を応援する「フレーフレー」お菓子、研修などに参加した人が帰社する時に渡す「おかえりなさいツール」お菓子など、「社員を喜ばせたい」という会社の思いをストレートな言葉で商品名にも使っています。

一般的な広告やブランディングには使用しないフレーズかもしれませんが、会社の思いを社員に伝えるには、格好つけた文言よりも、こういったストレートな表現の方が、ずっと暖かみが出ると思っています。

そもそも「働くお菓子」という分かりやすい社名ですから、お客様の期待感を裏切らない提案をすることが当社の使命と考えています。

西川 裕揮

Profile

1983年、愛知県生まれ。大手広告会社(上場企業)を経て、2008年に株式会社エスプライドに入社。2010年3月、グループ会社である株式会社働くお菓子の設立に参画。2011年3月、同社の代表取締役社長に就任。創業以来、約1000社以上の企業に働くお菓子を導入。人材、顧客、株主、地域社会・業界に向けてのファンづくりを目的としたお菓子開発を行っている。

Contact

株式会社 働くお菓子

東京都渋谷区千駄ヶ谷3-17-11
http://www.hataraku-okashi.com/

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