【スペシャル対談】
自分を成長させ、
一生モノのキャリアを
手にするためにどう動く?

サイボウズ株式会社 / 株式会社 morich 代表取締役社長 青野 慶久 / 森本 千賀子

サイボウズ株式会社 / 株式会社 morich

青野 慶久 / 森本 千賀子Yoshihisa Aono / Chikako Morimoto

代表取締役社長

代表取締役

2017.05.16

『ルーティンワークでも 「クリエイティブであろう」と意識する』 ─ 青野
『変化に対応できるマインドセットや スキルが欠かせない』 ─ 森本

ビジネスパーソンとして成長し、長く活躍していけるためには、どんな意識で仕事に取組み、どんな経験を積んでいくのが有効なのか―。

人材が定着しにくいと言われる I T 業界にあって、社員が成長し、長く働ける環境を実現していることで注目されるサイボウズ株式会社の青野慶久社長、転職エージェントとして企業の人材採用現場に精通し、多くの転職支援を行ってきた森本千賀子さんが対談。

「ビジネスパーソンとして成長するためには」について語っていただいた。

少しでも興味を持ったら、一歩踏み込んでチャレンジする

― 昨今のビジネス環境を踏まえ、今後どのようなビジネススキルが必要になってくるとお考えですか ?

森本千賀子さん(以下、森本) : 「必ず価値がある」というスキルは存在しないと思います。5 年先 10 年先には、価値観も必要なビジネススキルも変わりますから。あえて言うなら、変化に対応できるマインドセットやスキルが必要なのかなと思います。

青野慶久社長(以下、青野) : 変化を受け入れられない人が取り残されていきますよね。I T 領域でいうと、 A I (人工知能)に置き換えられやすい仕事とそうでない仕事があります。

ディープラーニングという技術が出てきて、コンピューターの学習スピードが上がっている。覚えることに関しては、コンピューターは強い。一方、「発想する」「創造する」といったことや、相手の表情を見ながら言葉を選ぶといった対応力については、人間がまだ強い。どんな仕事でも、「クリエイティブであろう」と意識するかどうかが重要です。たとえルーティンワークでも、もうちょっと面白いことができるんじゃないかと、日々意識する。「ルーティンは面白くない」と決めつけた瞬間に、クリエイティビティが失われるんですよね。

森本 : 同じことの繰り返しのようでも、昨日より今日、今日より明日と、何かしらの工夫やクリエイティビティをプラスしていけるかどうかが大切ですよね。そして、毎日の積み重ねがプロへの道につながるという意味では、継続力も欠かせないと思います。

青野 : 継続力がないと、あまり高いところまでいけない。そして、自分の継続力を引き出すためには、自分が好きなことを見極め、ワクワクできる仕事を選んでおかないと。

森本 : そもそも、行動する前に考えすぎて、結局動けない人も多いんですよね。私も青野さんと一緒で、どちらからいうと「迷ったら G O ! 」のタイプ。やらないで後悔するよりやった経験の方が大事。直感で「面白そう」と思うと、まず踏み込んでみます。サイボウズの社員の皆さんも、チャレンジすることに抵抗がないイメージですが…。

青野 : うちの社員、とあるイベントの企画で、僕が「インパクトがない」っていったら、戦車を借りてきて六本木ヒルズで走らせたんですよ(笑)。クラウドサービス「 cybozu. com 」の契約社数が1000社を突破した記念イベントだったので、「1000社」にかけて「戦車」。批判もけっこうあったんです。戦争の道具なので、発想は確かに奇抜だけどどうなの、と。でも、各種メディアで話題になり、成功しました。一歩踏み出す勇気ですよね。やってみたら気付くこともある。みんなチャレンジングですよ。

森本 : 一歩を踏み出すマインドを持っているかどうかって、すごく大事だと思います。「将来の夢が描けてないんです」という相談もよく受けますが、「夢がまだないんだったら、今自分が興味のあるものにとりあえず一歩踏み込んでみては ? 」とお勧めしているんです。そういう意味で、私はジョブローテーション推進派です。自分が置かれている環境や業務内容を積極的に変えてみる。若いうちにさまざまな職種を経験すれば、自分の興味関心、
極めたいことがだんだん見えてくると思うんです。

青野 : そうですよね。サイボウズでは、「育自分休暇」っていう制度を設けているんです。

「サイボウズを辞めて転職していいよ。再入社パスポートを渡すから、戻りたくなったら戻っておいで」という制度で、6年間取得できるんです。社員の中には、他の会社を見てみたいと考えている人もいるので、「じゃあ辞めたら ? 」って言ったら、「サイボウズが好きなんです」って。「じゃあ一回辞めて戻ってこいよ」っていう、そういうノリで制度を作りました。

2012年に導入したんですが、若くて辞める人はたいてい使っていますね。そして、すでに 7人くらい戻ってきています。ある女性社員は、育自分休暇を活用して青年海外協力隊に参加しています。アフリカの某国で、事業を立ち上げているんです。仮に今後、当社がアフリカに事業展開を図ろうとした場合、彼女が戻ってきてくれていたら、その経験の価値は非常に高くなるわけです。そんなふうに一度外に出て、今のサイボウズでは獲得できない知識を持って、帰ってきてほしいですね。まぁ、本人が帰ってくることを望まないなら、その人の人生なのでそれはそれでいいんですが。

森本 : まさに究極のジョブローテーションですね。実は、転職市場でも、ジョブローテーション経験者は価値が高いんです。例えば、 40 代でずっと同じ会社の同じ部門で仕事をしてきた人と、他部門・職種への異動や子会社出向、地方転勤などを繰り返した人がいたとします。前者の方は高度な専門性が磨かれて優れたキャリアだと思われがちなんですが、転職に臨んだ場合どちらが求人企業から興味を持たれやすいかというと、後者なんですよ
ね。野球の世界でも大谷選手が二刀流で価値を評価されている。メーカーの世界でも多能工が重宝されている。「変化対応力」「カルチャーギャップへの適応力」が備わっているとマーケットバリューが高まるといえますね。

青野 慶久 サイボウズ株式会社 代表取締役社長(写真左)│森本 千賀子 株式会社 morich 代表取締役 / 兼 株式会社リクルートエグゼクティブエージェント コンサルタント

Profile

青野 慶久(写真左)
サイボウズ株式会社 代表取締役社長

1971年生まれ。愛媛県今治市出身。大阪大学工学部情報システム工学科卒業後、松下電工(現 パナソニック) を経て、1997年8月愛媛県松山市でサイボウズを設立。2005年4月代表取締役社長に就任(現任)。 社内のワークスタイル変革を推進し離職率を6分の1に低減するとともに、3児の父として 3度の育児休暇を取得。 また2011年から事業のクラウド化を進め、売り上げの半分を越えるまでに成長。総務省、厚労省、経産省、内 閣府、内閣官房の働き方変革プロジェクトの外部アドバイザーやCSAJ(一般社団法人コンピュータソフトウェア協 会)の副会長を務める。著書に『ちょいデキ!』(文春新書)、『チームのことだけ、考えた。』(ダイヤモンド社)がある。

森本 千賀子(写真右)
株式会社 morich 代表取締役
兼 株式会社リクルートエグゼクティブエージェント コンサルタント

1970年生まれ。獨協大学外国語学部英語学科卒業後、リクルート人材センター(現リクルートキャリア)入社。人 材戦略コンサルティング、採用支援を手がける。現在は、リクルートエグゼクティブエージェントにて経営幹部、管 理職を対象とした採用支援、転職支援に取り組む。2012年、NHK「プロフェッショナル~仕事の流儀~」に出 演。また、放課後NPOアフタースクールや一般社団法人ソーシャル・インベストメント・パートナーズの理事としてソ ーシャル活動にも注力。2017年3月、株式会社morichを設立し、さらに活動領域を広げる。『社長が欲しい「人財」!』 『1000人の経営者に信頼される人の仕事の習慣』『後悔しない社会人一年目の働き方』など著書多数。

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書籍
「一生モノのキャリアを身に付けよう ─ AIやロボットに負けない「あなたの価値」を築く働き方」

20××年、超スマート社会到来で半分の仕事がなくなる?!日本では終身雇用制が崩れたばかりか、70代まで働き続けなければならない可能性も高まってきた。これから社会に出て10年、20年、30年…それよりもさらに長く「ビジネスパーソン」として活躍し続けるためには、自分が主体的に「キャリア」を構築していく必要がある。

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