海外に行くなら途中下車無効と覚悟せよ

上海天家餐飲管理有限公司

島原 慶将Yasuyuki Shimahara

代表取締役

海外に行くだけなら現実逃避

天家はマグロを核に据えた日本料理店を中国大陸で展開しています。2014年12月現在、上海を中心に直営店12店舗、フランチャイズ3店舗が営業中です。ターゲットは中国人のお客様で、現地では日式料理と呼ばれる業態です。

「なぜ海外に来たのか?」という質問をよく受けますが、一言でいえば日本では芽が出なかったからです。海外に来ればすべてがリセットされ、しがらみも一切なくなります。つまり現実逃避をしたわけです。中国に来た時から、それを自覚していました。

人生は連戦連勝が望ましいけれど、それほど甘いものではありません。時には、逃げても構わないと思います。ただし「今回は逃げた」と認めることが重要です。その時は5歩までしか踏み止まれなかったとしても、次は8歩まで、10歩まで踏ん張ればいい。

しかし、現実逃避をして海外に来たと認めない人があまりにも多い。「夢があるから」「やりたいことがあるから」というのは芽が出ない時の言い訳になっていることもある。現地でコミュニティに入り交流を深めることに一生懸命になる人もいますが、そんなことは六本木でもできます。そうやって現実と向き合わずにいれば、海外版ニートになるだけです。日本に戻っても、ただ海外にいたというだけでは、社会に必要とされません。海外に出る切符は、基本的に途中下車無効です。降りてしまえば二度と乗れません。その覚悟を決めなければ、海外に出てはいけないと思っています。

上海で起業したことは特別なことではないと私は思います。東京から2時間半、商圏としては東京の人が大阪で働いている程度の感覚です。でも、海外へと逃げたのだから、石にかじりついてでも利益を出し「日本にいるよりも遥かに儲かっている」と言えるようにならなければ、と強く思っています。しかし、言葉も考え方も日本とはまったく異なる環境で食べていく、そして日本にいる以上の結果を出すとなるとやはり難易度は上がります。「故郷に錦の御柱を立てるまで帰らない」という覚悟を決めていれば、なし崩し的な暮らしに陥ることはないと思います。

Profile

1973年、高知県生まれ。
日大理工学部海洋建築工学科卒業後、ベンチャー企業の営業、香港にて卸会社の創業を経て、2004年、31歳で上海にて創業。2005年、マグロとカニの専門店「天家」を上海にオープン。2014年末現在、15店舗(FC3店舗含む)を展開中。現在は、本マグロが主力の食材。参考著書「マグロ帝王 ~トロで中国へ挑んだ男・島原慶将~」(鵜養葉子/著・ポプラ社)。

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上海天家餐飲管理有限公司

中国上海市延安西路1088号 長峰中心631室
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