経費適正化も取り入れたバランスの良い経営を

I・NEST有限会社 代表取締役 NPO法人FP相談ナビ 理事長 尾庭 靖男

尾庭 靖男Yasuo Oniwa

I・NEST有限会社 代表取締役

NPO法人FP相談ナビ 理事長

2015.04.26

会社経営と経費適正化(削減)

会社経営者であれば、まず考えるのは売上や利益の向上ですが、経費削減について考えない人は少ないでしょう。売上から経費を引いたものが会社の利益となるわけですから、経費を削減し、利益をアップさせることで会社のキャッシュフローが改善することは周知の事実です。とくに中小企業経営者にとって、社員の雇用を守り、会社を永続的に続けていくことは社会貢献としても極めて重要です。そのためにも経費適正化によるキャッシュフローの改善は、必須の課題の一つと言えます。

実際多くの経営者の方が様々な経費削減を試みており、もうすでに対策済みと考える方も多いかと思います。しかし実際には、まだまだ知られていない経費適正化方法があります。調査専門で積極的な営業やWEB等での宣伝を行っていない場合が多く、案外と知られていないものが多く存在します。水道光熱費やエレベーターの保守費用、通信費など固定費、変動費含め様々な項目や適正化に向けた手法が存在します。ポイントは効果が大きく、難易度が低いものから優先的に取り組むことです。とくに中小企業の場合、自社内では限界がありますので、信頼できる専門業者へのアウトソーシングが効果的です。

固定経費の適正化事例

数多くある経費適正化事例の中から3つの固定経費適正化事例の方法を簡単に説明します。

①賃料の適正化

賃料適正化とは、その名の通り、借りている事務所や店舗などの賃料の適正化を行うことです。通常はなかなか変えられない固定費として認識されていますが、実は賃料は不動産相場、集客力など様々なデータを根拠に交渉をすることで、今まで相場より多く支払っていた場合に適正化(削減)することができます(実は市場の80%程度が削減対象とも言われています)。例えば2008年のリーマンショック以降は不景気が続いたことで、現在の賃料相場は大きく下落し続けています。しかし、リーマンショック前から借りているテナントなどの賃料は、大半がそれ以前の相場のままで賃料を支払い続けている会社も多いのではないでしょうか?景気の影響や物件相場の変動によって適正な賃料が変化している場合が数多くあります。

不動産鑑定士等の専門家を含めた信頼できるプロの専門業者に依頼することで、家主様と揉めることなく、適正な賃料に交渉してもらえる可能性があります。自社内で専属担当者を配置できない中小企業の場合は自社で交渉するよりも決定率や効果が圧倒的に高くなります。また、成功報酬制を採用している会社が多いので、コストをかけず適正な賃料交渉が受けられます。

②固定資産税の適正化

通常、固定資産税は国の定めを基準に市区町村が計算しているので削減できないと思っている方も多いと思います。市区町村から届いた納付書に基づき、何の疑いもなく固定資産税を支払っている会社がほとんどではないでしょうか?実は専門家に相談して固定資産を再評価することで適正な税額にしてコストを削減することができます。税計算が複雑ということもあり、実際に誤っている場合があるようです。ただし、専門家に依頼し適正化の調査ができる物件は、やや大きな建物、土地を所有されている方に限定されます。

一つの基準として、土地であれば同一市区町村で年間300万以上納税されている所有地や、建物評価額が5億円以上の各種施設であれば、固定資産税を大幅に削減(適正化)できる可能性があります。また、固定資産税を過払いしていると判断された場合は過去5年から20年に遡って払いすぎた税金が還付されるので、キャッシュフローの改善にもつながります。こちらも完全成果報酬で対応されている専門調査会社が多く、コストをかけることなく実行することができます。還付が実現した際には、思いもよらない還付金なので経営者にとっては、埋蔵金が出てきたような感覚になります。

③社会保険料の削減(適正化)

社会保険料(健康保険料や厚生年金保険料など)は企業にとってやはり削減しにくいコストの一つです。厚生年金保険料は平成29年まで毎年0.354ずつ上がることが決定され実行されていますし、健康保険料率も年々アップしており、社会保険料コスト増はとくに中小企業の経営を圧迫してきています。この社会保険料を削減(適正化)する方法の一つに「選択制401k」の導入があります。選択制401kは、個々の給与から生涯設計手当という名目で積立分を拠出し、その分は社会保険の計算上は所得とならないため、会社と従業員双方の社会保険料負担を減らす効果があります。

尾庭 靖男

インタビュアーの目線

奥様と二人三脚で、社内に自己啓発やチームビルディングの手法を積極的に取り入れている尾庭さん。従業員重視のスタンスで会社を伸ばしてこられたのは、そのバランス感覚の賜物だと感じます。人の話に真摯に耳を傾けようとする誠実さと国内外におよぶ広範な金融知識は、社長のサポーターとしてうってつけの人物です。

書籍「小さな会社のための「お金の参考書」 」から掲載】


Profile

島根県出身。
大学を卒業後、大手損保会社の総合職として勤務後、2005年1月に総合保険代理業としてI・NEST有限会社を設立。2013年には地域貢献の一つとしてNPO法人FP相談ナビを発足。

会社をお守りするための保険やリスクマネジメントの相談に限らず、キャッシュフローを良くするために経費削減など幅広く会社や経営者のお金廻りをより良くするための相談を得意とする。感謝される存在・組織であり続けるために、お客様や仲間(チーム)を大切に誠実で永続的な会社を目指し、現在に至る。

Contact

I・NEST有限会社 代表取締役

〒650-0015
兵庫県神戸市中央区多聞通 2-4-4 ブックローンビル西館8F
tel. 078-371-5217 fax. 078-371-5218
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