「腸セラピー(チネイザン)」で
自然治癒力を高め、心身の不調をケア
12年間の騎手活動を経て
導かれたセラピストとしての道
- 1.「腸」から心身の凝りをほぐし、自分らしさを取り戻す
- 2.騎手としてレースに挑み、葛藤と戦い続けた12年間
- 3.人を「打ち負かす」より「癒す」ことこそが自分の道
「腸」から心身の凝りをほぐし、自分らしさを取り戻す
疲れを感じたとき、リラクゼーションやボディケアサロンに駆け込む人も多いだろう。マッサージやアロマトリートメント、鍼灸など多様な種類がある中、近年、注目を集めているのが『腸セラピー(チネイザン)』だ。
チネイザンは漢字で「氣内臓」と書き、自然治癒力を高める根本療法として古代中国で発展、後に米国で現代医療と融合したホリスティック(包括的)療法として確立された。
「『腸セラピー』というと、お通じやお腹周りの不調を改善するイメージがありますが、実は、肩こりや腰痛、不眠やむくみ、肌荒れ、冷え症の緩和などをケアする効果も期待できます。心に作用し、ストレスから解放されたという方もいらっしゃいます。腸は、美容と健康維持において、とても大切な臓器なのです」
こう語るのは、『腸セラピーサロンChaka』のオーナー兼腸セラピストの菊地康朗。菊地が開いている新橋と横浜のサロンには、30~40代の女性客が多く訪れる。
利用者からは、便秘改善の他、「ウエストが5cm引き締まった」「肩こりや腰痛がやわらいだ」「姿勢がよくなり、目線が高くなった」「ぐっすり眠れた」などの声が寄せられる。電話オペレーター職の女性からは「施術後に耳の聞こえがよくなった」とよろこばれた。
腸は全身のあらゆる臓器とつながっているため、ほぐすことで血行が促進され、その人が不調を抱えている部位に穏やかに作用していく。その効果はまだまだ未知数で、菊地自身もお客様の声から新しい発見をすることがあり、その奥深さを感じているという。
菊地の腸セラピーは、丁寧なカウンセリングから始まる。まず、不調を感じている部分や抱えているストレスについてじっくり話を聞く。その後、ベッドに横たわり、お腹だけを出した状態で施術。マッサージや“腸もみ”とは異なり、母親が赤ちゃんを撫でるようなソフトタッチでやさしくほぐしていく。徐々に血流が良くなり、全身にふわっとした温かさを感じるため、施術中にぐっすり眠ってしまう人も多い。
腸は心身のバランスを整える「自律神経」とも密接な関係にある。自律神経は、活動や運動時に活発になる交感神経と、休息を司る副交感神経から成り立ち、互いに均衡を取ることで心身を健康に保つ。しかし、人間関係などのストレスに晒され、仕事や家事・育児に追われる現代人は、交感神経優位の状態が続き、自律神経のバランスが乱れやすい。すると、慢性的な疲労や不眠、肌荒れやイライラなどの不調が引き起こされる。そんな自律神経の乱れを整え、感情を落ち着かせるのにも、腸セラピーは効果が期待できる。
また、腸は、“幸せホルモン”と呼ばれ、精神を安定させる「セロトニン」を分泌する器官。腸を整えることで、セロトニンの生成が促される。施術を受けたあと、「心も身体も浄化された」「自分の身体を再認識できた」「自分を見つめ直せた」「やる気が出た」といった心の変化を実感する人も多い。
「腸セラピーは、身体の不調のケアに加え、本当の“自分らしさ”を取り戻すお手伝いができると思います。『心が軽くなり、人生が変わった』という方も。お客様の中には、話をするためだけに来店し、施術代を支払っていく方もいらっしゃいます。『菊地さんだから悩みを話せる』と言っていただけるとうれしいですね。施術だけではなく、どんなことでも話してもらえるセラピストでありたいし、少しでもお客様のお役に立ちたいですから」
