はみ出すことを恐れるな

株式会社スポーツワン 代表取締役社長兼CEO 武田 利也

武田 利也Toshiya Takeda

株式会社スポーツワン

代表取締役社長兼CEO

2015.10.06

フットサルリーグから事業を開始

人の指示に従うことが苦手だった私は、中学生の頃からあまり学校に行かず、バイクを乗り回す日々。高校では少し勉強もして大学へは進んだものの、自分は変わり者という自覚が常にありました。

就職するにしても、何十年も会社員を続けるのは無理だと悟った私は、できるだけ早く起業しようと、入社数年で営業や経理などのビジネススキルを身につけることを計画しました。将来的にはグローバルに活動したいとも考え、選んだのは外資系の商社でした。思惑通り、その商社で数年働いた後にIT関連企業へ転職。同じ頃、友人数名でフットサルのリーグ戦を始めました。当時、フットサルはまだマイナーなスポーツだったものの、友人のつてをたどって12チームを編成。総当たり戦を行う本格的なものでした。

しかし、元々が縁遠いメンバー同士だったため、対戦結果を伝えあうのも一苦労です。そこでITの知識があった私が、対戦結果やゴールランキングなどを簡単に閲覧できるウェブサイトを立ち上げました。すると、まだサイト自体が少なかったこともあり、「フットサル」で検索すると私のサイトが1位表示され、全国から参加者が殺到。またたく間に500チームにも及ぶ全国リーグに発展したのです。

このリーグには、万博を企画する会社や遊園地を企画する会社の幹部など面白いメンバーが集まりました。そこで、このメンバーと面白いことをやろうと、2001年に会社を立ち上げました。

しかし、そもそも趣味の延長で作った会社ですし、リーグ戦以外にこれといった事業はありません。迷走した結果、2年ほどで資金繰りが苦しくなり倒産寸前に。やむなくメンバーから私1人に任せてもらう了承を取り付け、1人で再出発することにしました。

その後はフットサル大会、サッカー大会といったスポーツイベントに注力して大会を増やしたところ、業績は一気に回復したのです。

以降、商社のIT部門での経験、ブランドの立ち上げ、格闘技イベント会社での経験を活かし、1万人以上の大規模なイベントや企業・製品のプロモーションをネットとイベント会場で複合して行うなどして、事業を拡大してきました。

スポーツは楽しむツール

当社のミッションは、スポーツによって少子高齢化や、子どもの体力低下といった社会問題を解決することです。

たとえば、今後の日本は若者が減少する一方、高齢者が増加します。私たちの試算では、あと20数年後には定年が75歳くらいになります。その時、多くの人が元気で働くには、スポーツを習慣化して健康を維持するのが一番です。食事の習慣よりも効果があるという研究結果もあります。

今後、認知症患者などが増えれば医療費などが増大し、さらに財政は苦しくなる。このような問題は政府レベルだけでは解決できません。当社はスポーツを楽しんで続けられる仕組みを提供することで、その一助になりたいのです。

具体的な事業としては、一つにはスポーツとITを融合した独自のサービスです。ポータルサイト「スポーツワン」はイベント告知、コミュニティ形成などに活用され、約100万人の利用者がいます。また、スポーツ施設の予約管理システム、スポーツ保険のポータルサイトなどを運営しています。

もう一つは年間3000以上にも及ぶスポーツイベントの企画・開催で、ほぼ毎週のように、日本全国で何らかのイベントが開催されています。主要競技はランニング、サッカー、フットサル、バスケットボールですが、子ども向けサッカースクールから、70代・80代向けのウォーキングまで、参加者も非常に多彩です。

当社ならではのユニークな企画も人気で、なかでも全身泡まみれで走る「バブルラン」は、毎回数万人の参加者で盛り上がります。ランニングをする人は増えていますが、ただ走るだけでは飽き足りない人も多いものです。そこで、走ることをもっと楽しんでもらうひと工夫が受けているのだと思います。

日本は学校体育の影響で、運動神経に優れた人間が脚光を浴び、運動音痴の人は授業が苦痛になりがちです。そんな体験がトラウマになっている人も多いのではないでしょうか。

あるいは、部活動を通じて上下関係を覚える、苦しさを乗りこえるといった精神性も重要視されます。私はスポーツが得意でしたが、前述の通り、そういうお仕着せが大嫌いだったので、部活動には入っていません。

本来、スポーツの価値はストイックな精神性だけではなく、新しい仲間ができる、健康になるといった部分にあると思います。運動神経が良かろうが悪かろうが、みんなでワイワイやって、楽しく過ごせればそれでいいのです。

誰もが楽しめるツールとしてスポーツをとらえ、ストレスを発散したり、パーティー感覚で楽しんでもらいたい。当社は運動を始めるきっかけづくりとして、スポーツが苦手な人でも楽しめるイベントを数多く用意しています。

近年は企業がスポーツをコミュニケーション形成に活用する例も増えてきました。

たとえば、2008年のリーマン・ショックにより多くの企業がダメージを受けた時、当社では企業を元気にしようと企業対抗の駅伝を企画しました。1人5キロ×5人で競う駅伝です。ただ走るだけでは面白くないので、他社の名刺を10枚集めると海外旅行に応募できる仕掛けを設け、積極的に名刺交換をしてもらいました。また、自社の商品などをステージで宣伝できる時間も設けました。

中小企業を元気にしようと思って始めたこのイベントは、蓋を開けてみたら一部上場クラスの大企業が7割近くを占め、以来、毎年大変な盛り上がりを見せています。今年はなんと1万人近くが参加しました。

社内コミュニケーションの手段として、最近は運動会も見直されています。当社では1チーム15人編成で多数の企業が参加する企業対抗型の運動会を企画。運動が苦手な人でも楽しめる競技や、現代の若者にあう形式を整え、コミュニケーションの活性化を支援しています。同じチームになると今まで話したことのなかった人とも協力し合うため、一体感が高まり、1社で開催するよりもリーズナブルなので大好評です。

武田 利也

Profile

1968年、東京都生まれ。
中央大学卒業。2001年に株式会社スポーツワンを設立、現職に就く。「Doスポーツ」のサービスを幅広く展開し、なかでも参加型スポーツイベントを全国で年間3000イベント開催しているスポーツイベント会社。他にもスポーツ施設運営、スポーツ施設の会員管理・予約管理システム、スポーツイベントのエントリー・決済システム、スポーツ保険のポータルサイト、スポーツ選手のキャスティングサービスなど業界有数のサービスを多数展開。趣味はスポーツ全般、バイクで世界を回る旅、映画鑑賞。座右の銘「人生はレジャーだ」。

Contact

株式会社スポーツワン

東京都世田谷区駒沢1-4-15 真井ビル5F
http://www.sportsone.jp/

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