最新マーケットデータ提供システムで 多彩なアプローチによる賃貸・売買を支援
武蔵株式会社 代表取締役社長 大田 智一郎

武蔵株式会社

大田 智一郎Tomoichiro Ota

代表取締役社長

2016.04.13

物件管理から広告出稿までの一元管理システムをオーダーメイドで提供

当社は、不動産業界、特に仲介業者向けの業務システム開発を行っている企業です。代表的な商品としては、「マルチユース」があげられます。こちらは、自社で取り扱っている不動産物件の管理のほか、物件検索が可能なホームページの作成、「ホームズ」や「スーモ」などといったポータルサイトへの出稿など、さまざまな機能を搭載しています。さらに、顧客の管理機能にも対応し、不動産取引に関する情報を一元管理できるシステムとなっています。

「マルチユース」は、インターネット上でデータを管理する、いわゆるクラウドサービス。強みは、用途に応じたシステムの調整の要望に、柔軟に早急に対応できることです。不動産管理システムはユーザーごとにニーズが異なり、求める機能も違ってきます。ところが、システムの改修には手間がかかるため、他社のサービスではユーザーのプラットフォームに合わせることが困難なケースも多いのです。しかし、当社はお客さま第一。なかばオーダーメイドのようなかたちで、できるだけ顧客の要望にそったシステム提供を心がけています。

当社以外にも不動産管理システムは多数あり、機能面での差別化はなかなか難しいのですが、こうした顧客本位の姿勢で他社をリードしていこうという考えです。さらに、当社では、不動産業に特化した顧客管理・分析・営業支援システム「顧客大王」や、営業マンと顧客を結ぶ営業サポートシステム「クイックセールス」などもラインナップし、不動産業界の営業をトータルに支援する体制を整えています。

あえて地方に拠点を設け、エンジニアの定着率を改善

大学卒業後、IT業界で経験を積んだ私はリクルートに転職。住宅情報誌の事業部で働きました。その後、再び転職をして不動産販売会社で経験を積んだのち、1999年に当時の先輩とともに独立。不動産業界向けのシステム開発・販売をする企業を設立します。

当時は、一般向けのインターネットが普及し始めた時期でしたが、不動産業界はIT技術の浸透が遅く、主に紙ベースで情報を管理していました。しかし、多数の物件や顧客を管理するためには、IT技術を導入したほうが効率がよいのは当たり前です。そこで、私たちがその先鞭をつけるべく、システムの開発を決意しました。

その企業では、不動産ポータルサイトを運営するとともに、「マルチユース」の前身となるようなシステムを手がけていましたが、2006年、事業分割するかたちで、武蔵株式会社を創立。「マルチユース」の提供を開始し、現在に至ります。

当社は、東京都と熊本県の熊本市および天草市にオフィスを構えています。東京都のオフィスには、営業や管理部門のスタッフだけを集め、システムを開発する人間はすべて熊本県のオフィスに勤務しています。

熊本県にシステム開発拠点を設けたのは、私の出身地であることにくわえ、東京でのスタッフの採用難も一因でした。また、東京で採用したエンジニアは、ほかに仕事の選択肢が多数あるためか、離職率も非常に高かったのです。それでは、技術の蓄積が困難ですし、厚い信頼関係を結ぶのも難しい。そこで、創業から2年後の2008年に熊本県で事務所を立ち上げました。

とはいえ、熊本県に在住するITエンジニアは少なく、未経験者を採用して育成する必要がありましたが、東京からスタッフを派遣して教育を重ねることで問題をクリア。現在では、すべてのスタッフが3年以上勤務しているという状況になっています。事務所開設から7年間でナレッジもたまり、より精度の高いシステムの開発が可能になりました。テレビ電話などを駆使して、コミュニケーションも密にとっており、長期間ともに働いてくれているからこその信頼感も生まれてきています。

現在、東京と熊本のオフィスで働く人数はそれぞれ10人ほどで、約半数がエンジニアです。その高いエンジニア比率が、顧客の要望に対して、すばやく対応できる体制につながっていると自負しています。

また、東京オフィスの営業スタッフもSEの素養を持つ、技術に明るい人間がそろっているので、ユーザーとエンジニアを結ぶ役割をしっかりと果たせています。この両輪体制が、当社の強みといえるでしょう。


書籍「空室が日本を救う!イノベーティブ企業22社からの提言 」から掲載】


Profile

2006年7月設立。不動産業界に特化したクラウドサービスを提供するIT企業です。東京本社のほか、熊本県に2ヵ所の研究開発センターを開設。現地でシステムエンジニアの雇用と育成を行っています。また、空室問題に対する高い問題意識を持ち、空室対策協議会にも参加。会員企業と連携しながら、物件や顧客の管理機能、マーケティングデータの参照機能を搭載した不動産管理システム「FRESH(フレッシュ)」を開発。適正な賃料の算出などを実現し、空室問題の解消を目指しています。

関連書籍

書籍
「空室が日本を救う!イノベーティブ企業22社からの提言」

日本社会が抱える課題の一つに空き家、空きビルなどがある。この課題解決に必要なのが発想の転換、アイデアである。人口が減少し、若者たちのワーキングスタイルが変わりつつある今、スペースの用途を単に住まいやオフィスに限定する従来型の発想では、本当の意味での課題解決には結びつかない。外国人や企業、シングルマザーなど入居困難者や介護、保育、クラウドソーシングなどといった用途で空きスペースを必要とする人が増えている現状を鑑み、自由な発想でスペースを活用していく事こそが解決の糸口となる。そして、こうした取り組みは空室問題の解決だけではなく、女性就労や子育て支援、医療、介護、インバウンドなど、一見空室とは関連性がないようにも思える様々な日本の課題を一括して解決する可能性を秘めている。そこで、本書では画期的な発想で空室問題の解決にあたる20社の実例や知見、ビジネスモデルを紹介する。

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