仕事も人生も、決めているのはすべて自分

株式会社ピグマ 代表 太田 智文

太田 智文Tomofumi Ota

株式会社ピグマ

代表

2015.10.06

大学時代からこだわっていた「働きがい」

「どのようにすれば、人がよりよく働けるか?」

私の大学時代の研究テーマです。言わば、働くモチベーション=「働きがい」について研究していました。

今思うに、これは私自身に働くことへの不安があったからだと思います。働きがいをもって仕事に取り組めるか、一生、働き続けていけるか。学生の時はそんな不安を抱くものですが、私も例外ではありませんでした。そこで、「働きがい」を生む仕組みや構造を理解しておき、仕事に挫折しそうな時などに活用しようと考えていたのです。

もっとも、当時から将来的には起業も視野に入れていたため、今で言うインターンのようなことを自主的にやっていた時期もあります。社長とはどんな仕事かを知るには、実際に体験した方が早いと思ったため、小さな会社の社長にお願いして電話番や鞄持ちといった仕事をさせてもらいました。これはかなり勉強になったと思います。

それでも大学卒業後には大手の教育関連会社に就職し、6年間勤務しました。仕事はとても面白く、まさしく「働きがい」をもって仕事をしていましたが、25歳の時に人生を変えるアクシデントに見舞われました。ある日突然、頭に激痛が走り、即刻入院。脳の髄膜炎とのことでかなり深刻な病状に陥ったのです。一度は葬儀の準備まで考えられたほどでした。幸い治療がうまくいって生還しましたが、死と向き合ったことで「元気になったら、世の中にダイレクトに貢献が感じられる仕事がしたい」という思いを強くしました。

そして、2003年に起業。手元には300万円と小さな部屋に電話、パソコン、新聞だけを用意しただけのスタートでした。当初手がけたのは、インターンシップの学生を企業に紹介する仕事です。電話営業の経験などまったくありませんでしたが、バンバン電話をかけて、少しずつお客様を開拓していきました。その後、新卒の人材紹介、求人媒体の販売、新入社員研修など、次第に事業領域も拡大していきました。

そんな中で6年ほど前に出会ったのが、会社を変革に導く画期的な手法「すごい会議R」というアメリカ発のソリューションです。高い成果を上げている会社には、共通する何らかの仕組みがあるものですが、その「秘伝のタレ」のようなものを駆使し、会議を変えることで会社を変えていこうという手法です。

現在、日本で「働きがいのある会社」にランキングされているトップ10のうち、過半数は「すごい会議R」による学びを実践しています。大学時代から「働きがい」というテーマを考えてきた私にとって、このソリューションを事業とするのは自然の選択でした。

会議が変わると会社が変わる

企業にとって会議は、非常に重要なイベントです。何かの商品企画から会社の経営方針まで、企業を動かすための意志決定はほぼすべて会議でなされます。そのため、会議の良し悪しで、会社の成長度、社内の雰囲気、個人の働きがいなどが大きく変化するのです。

たとえば、一般的な会議では概ね決まった人だけが発言して、他の人は黙っているケースが多く見られます。しかし、黙っている人に意見はないのかというと、決してそんなことはありません。何らかの意見はあるものの、遠慮して発言しないということもあります。

そこで、参加者1人1人に自分の意見を紙に書いてもらい、決まった時間の後、1人ずつ書いた内容をそのまま読んで発表するという手法を導入します。すると、参加者全員が何らかの意見を記しており、他の人の意見に影響されない参加者その人の考えが短い時間で集まったり、普段より多くの意見が集まる会議になります。それだけで、会議に参加する人の本来の力が発揮されることになるかもしれませんし、会議の成果にインパクトを与えているのかもしれません。

このようにしごく当たり前の手法でも、実践しているか否かで、会議の成果に格段の差が生まれます。ところが、多くの会社はこの「当たり前のこと」を実践していません。スポーツでフォームをプロのコーチに見てもらうことで自分だけでは気づかなかった事に気づく事もあるのと同様に、会社や会議も第三者のコーチの視点があることで、新たな気づきが生まれやすくなります。

私たちは単純ながら効果的な方法、物事の言い方・伝え方などを提案することで、会議を活性化していきます。そして、会議の場で学んだそれらの手法は、各部署の上長から部下へ、そのまた部下へと拡散し、会社全体が活気づいてくるのです。

この仕事に携わるコーチはそれぞれに得意な分野や手法をもっており、対象となる企業は規模や業界も多岐にわたります。特に私がこだわっているのは、PDCAサイクルの活性化です。成長や変革を実現するには「Plan(計画)→Do(実施、実行)→Check(点検、評価)→Act(処置、改善)」というサイクルの円滑な循環が求められます。この四つのステップはどの会社にもある動きですが、それらがバラバラで、会社を前進させる噛み合わせになっていないケースが少なくありません。サイクルを回すには、一定の仕組みと仕組みを回す人材が必要なのです。そこで、私はPDCAを回す仕組みや人材を作る方法をご提案し、サイクルの稼働をうながします。

経営者の仕事だけをとっても、PDCAがどんどん早くなり、精度が高まれば、その意志が現場に届くのも早く正確になります。当然、現場もそれに応じた実行が起こせますし、その後の評価と改善も早くなるでしょう。うまくサイクルが稼働し始めると、会社は大きく変化するのです。そのようにして、会社が本来宿している能力を100%発揮させることが私の使命です。

特に力を入れているのは、中小企業の活性化です。なかでも日本の伝統産業を担っている会社を支援しています。現在、それらは消費量が減り、各企業とも生き残るのが大変な時代です。しかし、世界的に見てもその素晴らしさは認められていますし、本来的な能力を発揮できれば絶対に価値は高まるはずです。

そんな事例を一つでも二つでも増やしていけば、地方の活性化にも繋がるでしょう。私は地道にそのお手伝いを続けていきたいと思っています。

太田 智文

Profile

1974年、兵庫県生まれ。神戸大学経営学部モチベーション専攻。
1997年ベネッセコーポレーション入社。赤ペン先生マネージメント、新規事業の立ち上げの間に、脳膿瘍髄膜炎を発症。復帰後、3年を経て独立。株式会社ピグマを設立。
過去60社を超えるクライアントで、「すごい会議R」を実施。2013年ハワードゴールドマンアワード受賞。趣味はトライアスロンで、毎日ランニングを欠かさない(雨の日は傘を差して走る)。
著書に、『インターンシップで志望の業界・職種に内定する方法』(東洋経済新報社)がある。

Contact

株式会社ピグマ

東京都江戸川区船堀4‐10‐22
http://www.pygma.co.jp/

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