お客さまを、
従業員を、
そして自分自身を、
興奮させ続けたい

株式会社ZUND 代表取締役社長 橋本 龍八

橋本 龍八Tatsuya Hashimoto

株式会社ZUND

代表取締役社長

2017.01.20

「ラー麺ずんどう屋」を30店舗展開
味にこだわり続けた15年間、閉鎖店舗はゼロ

ただのラーメンじゃない。それは想いがこもった「作品」だ

2002年4月、兵庫県姫路市にオープンした「ラー麺ずんどう屋」。

濃厚でコクがありながらもスッキリとした豚骨スープ、自家製の麺、こだわり抜いた具材で人気を集め、創業15年目となる現在では、本拠地である関西を中心に店舗数27を誇るまでに急成長。アルバイトを含めた従業員は900人を超え、2015年にはニューヨークに海外初出店も果たした。

店舗の入れ替わりが激しい飲食業界、しかも特に激戦の「ラーメン」業界にありながら、これまで一度も店舗閉鎖することなく、成長を続けている。

母体である株式会社ZUNDを率いるのは、創業者であり代表取締役社長の橋本龍八だ。

高校時代の橋本は遊びに明け暮れた結果、出席日数が足りず中退。その後は土方、水道工事、ペンキ屋、左官、鳶職といった職業を転々とし、まったく未経験の状態から脱サラしてラーメン店を開業した。そんな「飲食業ド素人」だった橋本が、なぜここまで会社を成長させることができたのだろうか。

「とにかく味にはこだわり続けてきました。そのせいでついつい材料費がかさんでしまい大変でしたが、それでも原価を抑えて味を落とすような真似はしたくなかったんです。今後も、ずんどう屋の味に『完成』はありません。時代とともに、道具も製法も食材も進化していく。それらをどう活かすかを研究し続け、まだまだ進化していきます」

 

ラーメンは「作品」であると、橋本は言う。それは、麺とスープをつくる職人、最高の状態に調理し美しく盛り付けるキッチンスタッフ、気持ちを込めて提供するホールスタッフ、みんなが一体となってつくりあげるものだ。だからこそ、スタッフ全員に理念や経営方針を浸透させることにも力を注ぐ。

多店舗展開を推し進めるZUNDでは、多いときでは1ヶ月で50人を超えるスタッフが入ってくる。その度に、専用のグループメールで会社の理念や方向性の共有を行うのだ。

その理念とは「高い志を持て」。「一杯のラーメンから世界中に感動を与え続ける」「維持する為に進化し続ける」「地域に愛され地域一番店を志し続ける」「全てはみんなの幸せを第一に考え行動し続ける」――こうした志を折に触れて伝えている。その積み重ねが、急成長を支える屋台骨となっているのだ。

テレビを観て「かっこええなあ」。その5ヵ月後に店をオープン

脱サラでラーメン店の創業者といえば、「有名店で修行して独立する無類のラーメン好き」を想像するのではないだろうか。しかし、橋本はラーメン店での修業を一切していない。それどころか、創業する前には「あまりラーメンが好きではなかった」という。

ではなぜ、そんな橋本がラーメン店を創業したのか。そのきっかけは、23歳のときに何気なく観ていたテレビのドキュメンタリー番組だった。

「ある日『情熱大陸』を見ていたら、ラーメン屋さんが特集されてたんです。そのラーメン屋の店主は、僕の一歳上の24歳。歳はひとつしか変わらないのに、自分がつくり出した味で店を構えて、店の前には行列までできている。それを観て、単純に『かっこええなあ』と。次の日にはその店主さんに直接電話をかけて、車で7時間かけて会いに行きました。その同じ日に、肉屋に行って鶏ガラを調達したり、本屋に行ってラーメンの作り方の本を買ったり、家のコンロを改造したりして、スープ作りの体制を整えました。昔から行動だけはめちゃくちゃ早いんですよ(笑)」

それ以前から「何か自分で成し遂げたい」と思っていた橋本に、火が着いた瞬間だった。

走り始めると勢いは止まらない。毎日仕事が終わった後に家で試作を繰り返し、それを友人や家族にふるまう日々が続いた。ラーメンづくりの経験はまったくなかったにもかかわらず、味の評判は上々。「これはいける」と確信し、銀行や家族に合計1000万ほど借りて開店資金を集めた。

そこからめぼしい空き店舗を借り、勤めていた会社を退職。そして2002年4月、テレビを観てから5ヵ月後という、普通では考えられないハイスピードで「ラー麺ずんどう屋」の第1号店をオープンさせた。

「出店したのが人気ラーメン店の隣だというのもあって、周りからは『絶対ツブれる』『やめとけ』と言われましたね。でも、いざやってみると初日の売上が20〜30万あがって、『案外いけるやん』と。逆にお客さんが入りすぎて仕込みが間に合わなくて、開店3日目の日曜日には店閉めてましたからね。『それがまたカッコイイ』とか思ってしまって。まあ、今思えば舐めてたんでしょうね。飲食業もラーメンも(苦笑)」

橋本も言う通り、世間はそうは甘くはなかった。まったくの素人がつくるスープは味のバラツキも大きく、一ヶ月ほどすると客足は遠のき経営は悪化。開店1年目で、橋本は運営資金400万円の借金を背負うことになる。

「正直、サラリーマン時代を思い出して、『1日18時間も働いてんのに、なんで収入にならない?それどころかなんでこんなに借金せなあかんの?』と思うこともありましたよ。でも、借金があるからサラリーマンに戻るにも戻れない。必死でしたよ」

死に物狂いで働き、店は徐々に持ち直した。5年目には月売上800万円を達成。この年には2店舗目を姫路の駅地下に出店している。さらに翌年には3号店をオープン。4店舗目をオープンするときには、年商10億にも対応できるセントラルキッチンをつくった。

しかし、大阪の心斎橋に6店舗目を出店したとき、再び大きな壁が立ちはだかる。

「関西での知名度を上げようと思ったら大阪は外せません。うちのラーメンは濃厚なんで、『若者が集まる心斎橋だったらウケるだろう!』と思って自信満々で大阪に初出店したんですけど、これが泣かず飛ばずの大赤字で…。他の店舗の利益を全部とってしまう『ストレスの源』みたいになってました」

予想以上に大きかった兵庫と大阪のギャップ。しかし、そんな状態でも橋本は決して諦めなかった。ニーズに合わせるように地道な改良を続けた結果、店は徐々に繁盛。開店当初は月500万だった売上が、現在では2500万まで伸びている。追い込まれたときにこそ腰を据え、粘り強く戦っていけるところが、橋本の強みだといえる。

株式会社ZUND 代表取締役社長 橋本 龍八

Profile

1978年兵庫県姫路市生まれ
10代~20代は建築関係の職を転々とする。
2002年4月より「ラー麺ずんどう屋」を23歳で創業。
2016年日本国内29店舗、ニューヨーク1店舗を展開する。

2017年新たに10店舗を出店予定
座右の銘は「百聞は一見に如かず 百見は一試に如かず」
一生の目標は「みんなが幸せな会社を目指し続ける」こと
人生の目標は「今日死んでも悔いなく死ねる毎日を精一杯過ごす」こと

Contact

株式会社ZUND

(本社)兵庫県姫路市野里327-1

http://www.zundouya.com/

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