中古のオフィス用品とビルの空き物件をドッキング!〝もったいない精神〞が生み出すオフィス賃貸

株式会社オフィスバスターズ 代表取締役 天野 太郎

天野 太郎Taro Amano

株式会社オフィスバスターズ

代表取締役

2016.04.12

オフィス用品のリユースで環境負荷の低減が可能に

「オフィスバスターズ」は、オフィス用品の販売、オフィス空間のプロデュース、オフィ
ス不動産の紹介、この3つの事業を行うリユース総合商社です。

オフィス用品の販売については、「もったいないを徹底的にサポートする」という経営理念のもと、通信機器、OA機器、デスク、チェアなど、中古品から新品まで年間20万点の商品を取り扱っています。

現在の日本では、オフィス用品などの法人資産は、使用しなくなったものはまだ十分に使えるものであってもすぐに捨ててしまうというのが現状です。なぜなら、こうした資産のリサイクルやリユースをスムーズに行える仕組みが整っていないため、廃棄するのが一番楽だからです。しかし、電子機器ゴミの廃棄は環境負荷が高いため、コピー機を1台リユースするだけで、約1トンものCO2を削減できるということをご存知でしょうか。日本では年間数十万台のコピー機が販売される一方、リユースされる台数は多くありません。

当社では、こうしたオフィス用品をゴミにしないよう、企業を対象に買い取りの営業活動を積極的に行ってきました。それは環境を保全するためばかりではありません。大企業と中小企業、先進国と発展途上国のモノの格差をなくしたいという思いがあるからです。大企業は最新のオフィス資産を潤沢に持っていますが、中小企業は購入を控えたり、やむを得ず古い機器を使ったりしています。さらに国単位でいえば、先進国では使用可能なオフィス機器が大量に破棄される一方で、発展途上国ではニーズがあるにもかかわらずOA機器が欠乏している…。こうした格差を是正したいのです。

先進国から発展途上国まで、よいモノが使えるシェアリングエコノミーの実現

私は以前、総合商社に10年間勤務し、ロシアや中南米、中国を対象にOA機器を販売し
ていたのですが、あるとき、取引先でこう言われたのです。

「日本では電子機器や機械類のゴミが多くあって、埋め立てる場所もないと聞いた。そん
な中古品を安く販売してくれないか」

日本の最新のパソコンやコピー機は、機能は豊富なものの価格が高く、輸出先のニーズには合っていませんでした。つまり、「ここまでのスペックはいらない。もっとシンプルな機能の機器を、もっと安く提供してほしい」というのが取引先の本音だったのです。私自身も、たくさんつくり、売り、捨てるというモノのサイクルに、大きな矛盾を感じていました。

そこで、総合商社勤務時代にこうした中古品の輸出販売を検討したのですが、メーカーの売り上げに寄与しないため、総合商社の事業として行うのは不可能でした。商社もメーカーも中古品のリユースをやらないのであれば、自らやろうと考えたのが起業のきっかけです。

世界的にみると、日本人は品質に対して最も厳しく、日本製のアイテムは世界で高く評価されています。たとえば、フィリピンでは、日本のモノであれば多少の傷があったとしても、中国製の新品より高く売れます。日本製の中古のほうが質がよく、長持ちすることが知られているからです。

中古品を海外へ輸出するにはコストもかかるため、利益に大きな期待はできませんが、需要が多く数も売れるので、地球規模でゴミを減らすことが可能です。つまり、日本製の優れたオフィス用品を循環させることができれば、環境負荷を抑えた循環型社会の構築、高品質なモノのシェアリングエコノミーを増進できるというわけです。日本の大企業から発展途上国の小さな企業まで、それぞれがよいモノを使える。それが、私の考える社会の理想像です。


書籍「空室が日本を救う!イノベーティブ企業22社からの提言 」から掲載】


Profile

2002年、中古事務機の輸出事業を営む株式会社アトライを設立。2003年に株式会社テンポスバスターズとの共同出資で、リユース総合商社としてオフィスバスターズを創立しました。「もったいないを徹底的にサポートする」という経営理念のもと、オフィス商品の国内リユース、発展途上国への輸出を実施。海外・国内でのビジネスインフラの偏りをなくし、現在2%以下と推定されるオフィス商品の循環率を10%まで上げることを目標としています。2015年からは、賃貸の空き物件と取り扱い中のオフィス商品を組み合わせて、イニシャルコストなしで利用できるワークスペース提供を実施。環境に優しい循環型社会の形成を目指し、早稲田大学との産学連携でリユース活用によるCO2削減のデータベースも構築中です。

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書籍
「空室が日本を救う!イノベーティブ企業22社からの提言」

日本社会が抱える課題の一つに空き家、空きビルなどがある。この課題解決に必要なのが発想の転換、アイデアである。人口が減少し、若者たちのワーキングスタイルが変わりつつある今、スペースの用途を単に住まいやオフィスに限定する従来型の発想では、本当の意味での課題解決には結びつかない。外国人や企業、シングルマザーなど入居困難者や介護、保育、クラウドソーシングなどといった用途で空きスペースを必要とする人が増えている現状を鑑み、自由な発想でスペースを活用していく事こそが解決の糸口となる。そして、こうした取り組みは空室問題の解決だけではなく、女性就労や子育て支援、医療、介護、インバウンドなど、一見空室とは関連性がないようにも思える様々な日本の課題を一括して解決する可能性を秘めている。そこで、本書では画期的な発想で空室問題の解決にあたる20社の実例や知見、ビジネスモデルを紹介する。

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