関わる人すべてを笑顔にするために、
「1年前の自分」を超えて成長していく

株式会社プリマベーラ

渡辺 貴史Takashi Watanabe

3KM社内インストラクター リサイクル事業部 店長

「プリマベーラへの入社直前はニートでした(笑)。その前はガソリンスタンドで働いていて、炎天下で走り回るのが辛かった。だから次は楽な仕事がいい、古着屋なら暑くも寒くもなくていいかな、なんて理由で応募。いわゆる“ダメ人間”ってやつでしたね」

そう話すのは、毎週水曜日に商品の値段が下がっていくというユニークな仕組みの古着屋「ドンドンダウンオンウェンズデイ」で店長を務める渡辺貴史。

アルバイトとして入社した当初は自他共に認めるモチベーションの低さだったが、1年ほど経過した頃から「正社員になりたい」と考え始めた。その理由は、アルバイトであっても経営に携わっている感覚を得られるプリマベーラの「仕組み」にあった。

プリマベーラでは、全スタッフが日報代わりの社内ブログに「お客様からこんな指摘をされた」「ここを改善したらもっと売り上げが伸びそう」などと出来事や意見を投稿する。社長の吉川は全従業員のブログを毎日見ており、翌日には自分の意見がマニュアル化され新たな「仕組み」が出来上がっていることもある。

また「部門担当制」を取り入れ、アルバイトも「アメカジ」や「ストリート」といったジャンル別の責任者として任命。戦略立案から施策の実行まで任せる。

「PDCA(Plan:計画、Do:実行、Check:評価、 Act:改善)を回す経験をアルバイトでもできるので、自分の考えで売上を伸ばす喜びを味わえる。社長は『プリマベーラを人材輩出企業にする』とよく言っています。仮に会社を辞めても、どこでも通用する人材に育てるという風土に心を打たれ、正社員を希望するようになりました」

正社員になって1年後、店長に就任した。業績アップのため渡辺が取り組んだのは、当たり前と思われるような小さなことでも一つずつ実践を重ねること。売れ筋商品を目につきやすい場所にレイアウトし直したり、思い切って値上げをしてみたりと、さまざまな切り口から改善を図った。結果、初めて店長として手がけた熊谷店をV字回復へと導き、続いて配属された太田店の売上も拡大させた。

「本来捨てられるはずだったものに命を吹き込んで次の人に渡す。自分が頑張れば頑張るほど社会にも貢献できる、というポジティブな循環がここにはあります。店長としての目標は、『売上の昨年対比を超える』こと。昨対を超えるということは、1年前の自分を超えるということです。世の中がどんどん変わっていく中で、従来の方法でやり続けても限界がある。常に新しい方法を考えて、チャレンジしていきたいですね」

一時期はニートだった渡辺だが、プリマベーラ“イズム”に触れ続けているうちに、いつしか別人のように考え方が変わっていた。

会社の研修では、いかに物事をプラスの発想に転換できるかを学んだという。事実は一つでも、解釈は二つ。コップの水が半分あったとして、「もう半分しかない」と思うか、「まだ半分ある」と捉えるか。これまでの人生は後悔だらけだったけど、それも踏まえて今があると肯定できるようになった――渡辺は自身の成長をそう語る。

現在は店長の仕事に加え、スーパーバイザーの見習いや、他社の経営層を対象にセミナーを行う経営サポート事業部の手伝いなど、着実に仕事の幅は広がっている。今、渡辺が掲げるミッションは、「関わったすべての人を笑顔にする」ことだ。

「店舗運営者として、スタッフに『この会社に入ってよかった』と思ってもらうこと。経営サポートを行い、社外の方からも『プリマベーラに関わってよかった』と思ってもらうこと。仕事を通して知り合うすべての人を幸せにすることが一番の目標です」

株式会社プリマベーラ 渡辺

インタビュー・編集/青木典子、ニシブマリエ 撮影/田中振一