楽しみながら
心と身体が磨かれる
「ファイトネス」の底力

大山 峻護Syungo Oyama

元・総合格闘家/Fightness代表

ヒーローになるための挑戦は、引退後も続く

非常に濃密な時間を過ごした現役時代だったため、引退後は心にポッカリと穴があいたような喪失感があった。

思えば、子どもの頃から憧れのヒーローになることを目標に突き進んできた。その目標を失い、何をすればいいのか、まったくわからなくなってしまったのだ。しかも、現役時代の大山の成績は1419敗。決して満足のいく結果ではなかった。

「自分は、ヒーローにはなれなかった」。そんな思いを強くしていたある日、かつてのファンから「大山選手のプレイスタイルが好きだった。強い相手にもひるまず、真っ向勝負を挑んでいく大山選手の姿に勇気をもらった」という声を聞く機会が増えた。現役時代には夢中で耳に入ってこなかった、そんなファンの声が引退後の大山を励ましたのだ。

もしかしたら、多くの人に勇気と感動を与えるヒーローの存在に、少しは自分も近づけていたのかもしれない。そして、アスリートとして経験してきたことを活かせば、自分は現役時代以上に輝く存在になれるに違いない。こうして蘇ったアスリートの「思い込み力」が、ファイトネスの事業を推進してきた。

「ファイトネスを通じて、日本中の人に元気になってもらいたい。それと同時に、僕と同じように引退したアスリートのセカンドキャリアを支える場として発展させていきたい。アスリートとして培った経験は、世の中に絶対に必要とされているので、それを伝えていきたいです。そうして、僕のヒーローになるための挑戦は、これからもずっと続くのです」

インタビュアーの目線

現在、ファイトネスでは大山さんだけでなく、元ボクシングチャンピオンなど、そうそうたる元アスリートがトレーナーを務めています。また、最近では現役で活躍中の選手もファイトネスの取り組みに興味を持ち、参加しているとか。「ファイトネスがアスリートと社会を結ぶ場になってくれるとうれしい」と語る大山さんの人柄が、これからも多くの人のつながりを生んでいくことでしょう。

インタビュー・編集/垣畑光哉内藤孝宏

撮影/平山諭

Profile

1974年、栃木県生まれ。幼少より柔道を学ぶ一方で、全日本サンボ選手権を4度制すなど、柔道をベースにした確かなグラウンドテクニックには定評がある。

00年に行われた、桜庭和志. VS. ホイス・グレイシーの試合に感銘を受けた。その後に出場したアブダビコンバットを契機にプロに転身。第7KOTCでは、自身より30キロ以上重いマイク・ボークを右ストレート一撃、僅か17秒で倒し、プロデビューを飾る。

PRIDE初参戦となった『PRIDE.14』ではヴァンダレイ・シウバと対戦し敗退。さらにその後、網膜剥離で長期の欠場を余儀無くされる。

復帰戦となった『PRIDE.21』では強敵ヘンゾ・グレイシーを判定で破る殊勲を演じ、PRIDE初勝利を挙げる。 その後もハイアン・グレイシー、ダン・へンダーソン、ミルコ・クロコップら強豪と対戦を重ねる。

053月に『HERO’S』に初参戦。ヴァレンタイン・オーフレイムを相手にアンクルホールドで一本勝ちを果たすと、その後、カク・ユンソブ、ピーター・アーツ、ホドリゴ・グレイシ、カーロス・ニュートンといった強豪からも勝利を収める。

07年には美輪明宏主演『双頭の鷲』で役者としてデビュー。

2014年引退後、ファイトネスを設立。現在は指導者として活躍している。

Contact

http://shungooyama.spo-sta.com/