弁護士としてアジアの日系企業の利益を守る

RAJAH & TANN (THAILAND) LIMITED(岩田合同法律事務所から出向) 日本国弁護士 丸山 真司

丸山 真司Shinji Maruyama

RAJAH & TANN (THAILAND) LIMITED(岩田合同法律事務所から出向)

日本国弁護士

2015.06.10

きっかけは家族のバンコク駐在

私は現在、日本の弁護士資格を持つ日本人として、タイ・バンコクに住み、現地の法律事務所RAJAH & TANN (THAILAND) LIMITED(ラジャ・タン・タイランド法律事務所。以下「バンコクオフィス」)に勤務しています。RAJAH & TANNは、シンガポールに本社を置く、東南アジア最大規模の法律事務所で、東南アジアではフィリピンとブルネイ以外の各国にオフィスや提携先を有しており、全オフィスでの弁護士数は合計500名程度です。私が勤務するバンコクオフィスは、数年前に、タイにある欧米系の法律事務所やローカルの法律事務所、外資系企業での勤務経験がある弁護士が集まって設立されました。現在は約50名の弁護士が所属しており、企業法務全般を扱っています。基本的にはタイの弁護士資格を持つタイ人で構成されていますが、少数ですが英国での資格を持つマレーシア人弁護士やオーストラリアの弁護士等も勤務しています。タイ人弁護士も欧米や日本での留学経験があったり、日本語が話せる者もいたりして、国際色豊かな事務所です。

私は、RAJAH & TANNのバンコクオフィスには岩田合同法律事務所からの出向という形で勤務しています。岩田合同法律事務所は創業113年を超える日本における最も歴史のある法律事務所の一つであり、日本人弁護士が50名程度所属し、金融機関、電力会社、保険会社、メーカーなど大手企業のクライアント・顧問先が多く、訴訟等の紛争解決を中心に企業法務全般を扱っています。近年は、日本企業のアジア進出が増加していることもあって、アジアの有力な法律事務所との提携やシンガポール、香港の国際仲裁機関等への所属弁護士の派遣など、事務所としてもアジア法務に力を入れており、多数のアジア法務案件を取り扱っています。私の出向もこの方針の一環になります。

もっとも、この出向の直接のきっかけは商社に勤務する妻のバンコク駐在が決まったことでした。私は生まれも育ちも日本ですが、大学生の時に初めて海外に行って以来、自分の知らない場所や世界をもっと体験してみたいと思うようになり、機会があれば外国で留学したり、働いたりできればと思っていたので、妻の赴任は私にとってよい機会であり、私もバンコクに住んで現地で働いてみようと思いました。

早速、バンコクでの勤務先を探そうとしたのですが、何から手をつければいいのか分かりません。そもそも海外での生活経験も留学経験もないのに、いきなり働くことなどできるのかという不安もあったのですが、とにかく「できるだけやってみよう、うまくいかなくても何もリスクはない。もしうまくいけば人とは違う経験ができるということでプラスになる」と思い、まずはいろいろな人に会って話を聞き、情報を仕入れることにしました。そのような折にRAJAH & TANNのシンガポール本社に勤務している日本人弁護士の友人から、バンコクオフィスが日本人弁護士を募集しているという話を聞いたので、その友人を通じてコンタクトを取り、面接等を経てバンコクオフィスでの勤務が決まりました。岩田合同も、私がタイで経験を積むことは事務所のアジア法務分野の強化に繫がるとの考えから、快く出向を了解してくれました。

弁護士業務の肝・訴訟

東京にいた時は企業法務全般を扱っていましたが、特に訴訟等の紛争解決の案件が中心でした。一般に企業法務と言われるカテゴリーの中には、各種の契約書のチェック、各種の取引における交渉のアドバイス、M&A、ファイナンス、知的財産等さまざまな業務が含まれますが、弁護士業務の肝は訴訟を中心とする紛争解決です。もちろん、将来紛争が起こらないように事前に十分な備えをする予防的法務が重要であることは言うまでもないのですが、現代の法治国家では、原則として、紛争が起こった場合には最終的には裁判所つまり訴訟で解決することになります。そうなると、予防的法務の局面であっても、「この件が仮に訴訟となった場合には裁判所がどのように判断するか、この書面が訴訟の場面でどのような意味を持つか、裁判所を説得する証拠として本当にこれだけで十分か」等を常に具体的に意識することが不可欠であり、十分な訴訟の知識と経験が重要になります。私はバンコクでも特に、訴訟や仲裁等の紛争解決に携わる現地の弁護士をサポートできればと思っていました。


Profile

1979年、奈良県生まれ。
日本国弁護士。灘高校、東京大学法学部卒。弁護士登録後(第一東京弁護士会)、岩田合同法律事務所にて企業法務に携わる。業務分野は企業法務全般に及ぶが、主として電力会社、金融機関、保険会社、メーカー等に関する発電所関係訴訟、国際取引訴訟、保険金請求訴訟、国際カルテル等の紛争解決を手がける。
2013年からRAJAH & TANN (THAILAND) LIMITEDに出向し、タイ・バンコクにて現地弁護士とともに、アジアで活躍する日系企業のための法的支援に取り組む。

Contact

RAJAH & TANN (THAILAND) LIMITED(岩田合同法律事務所から出向)

RAJAH & TANN (THAILAND) LIMITED
973 President Tower 12th Floor Units 12A – 12F, Ploenchit Road, Lumpini, Pathumwan, Bangkok 10330
http://th.rajahtann.com/
mail:shinji.maruyama@rajahtann.com
岩田合同法律事務所
東京都千代田区丸の内二丁目4番1号 丸の内ビルディング10階
http://www.iwatagodo.com/
mail:smaruyama@iwatagodo.com

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