アジアなら、ベンチャー企業も一国の発展に寄与できる

株式会社インタースペース

河端 伸一郎Shinichiro Kawabata

代表取締役社長

 目次

とにかく始めようという思いにさせるアジアの熱気

私が大学生のときは所謂バブル景気の後半に差し掛かった頃でした。海外志向があった私は、現役で大学に合格した代わりにアメリカの大学に留学させてほしいと両親に伝え、アメリカの大学に1年だけ通いました。

当時は世界の中で日本は注目の的で、日本式経営がもてはやされ、大学のマーケティングの授業ではクラス唯一の日本人である私にも興味を持ってもらうことが多々ありました。一方で日本はバブルでお金が余っている時代ですから、日本人留学生には日本の大学に入れず親が大学卒の箔を付けるために無理やりアメリカの大学に通わせているケースもありました。一方で当時まだ所得水準も今ほど高くなかった韓国や中国からの留学生は単に優秀なエリートであるだけでなく、国を背負って来ているという使命感を持った学生が多く、これはいずれ日本は抜かれるのではないかという危機感を覚えました。

その後私は社会人になり、20代最後の年に起業をしました。それはバブル崩壊後の日本の余りに他責的な、政治家や偉い人が何とかしてくれるといった考え方をどこかで変えなければならないという使命感と、閉塞した世の中をインターネットを使えば何か変えることができるのではないか?という希望を持っていたからです。

とはいえ、起業した直後は自分たちの事業を成功させることで精いっぱい、会社設立後7年で東証マザーズに上場しましたが、まだまだやることはたくさんあり、海外で事業を展開するまでには相応の時間がかかりました。

私たちインタースペースは広告主とウェブサイトをマッチングする、成果報酬型ネット広告サービス(アフィリエイト)を主力事業とする会社です。営業マンによるソフト面でのサービスがカギを握る業種なので、その国の文化や慣習に根ざして活動している現地企業でなければ成り立たないのではないかと私自身は考えていたのです。

しかし、2012年に東南アジアを視察に訪ねたとき、そんな考え方は、簡単に吹き飛んでしまいました。「ビジネスをやるうえで、これほど面白い場所はない。とにかく始めよう」会社を創業した当時のワクワク感に近いものを感じました。とはいえもちろん面白そうということだけで始めようと思ったわけではありません。

というのも私は東南アジアでももっと現地のインターネット企業が成立しているのかと思っていたのですが、それが意外なほどに少なく、かつ弊社の主力事業であるアフィリエイトの事業を展開している会社が東南アジアにはほぼ存在していなかったのです。

一方で、東南アジアの国々でお会いしたのは20代で起業している若手経営者や日系ベンチャー企業の駐在員、ベンチャーキャピタリスト、投資家など、さまざまな世代や職業の人たちでしたが、驚いたことにみなが口々に、「これからのこの国のインターネットのビジネスは急成長します。やるなら今ですよ」と熱く語るのです。

もちろん中には、インフラの未整備などを理由に進出は慎重にすべきと冷静な意見を述べる人もいましたが、そんな評論家的な意見を圧倒してしまうような熱気が、どの国からも伝わってきました。

またそれと同時にそのときの視察では東南アジアでの日本のプレゼンスの低さを感じました。確かに街中は日本車が多く走っています。アニメが好きな人たちもいます。しかしながらモバイル端末ではiPhoneは別としてもそれ以外は韓国や台湾、中国のメーカーばかりで日本製は本当に少ししかない。かつて日本のアイドルが人気と言われていたものの現在は若い女の子はK―POPに憧れ、ファッションや音楽もその影響を強く受けている、それを日本人として非常に悔しく感じました。

何故そのようなことになっているのか?例えば韓国は1997年のアジア通貨危機で国が破綻寸前となり、IMFの支援を受ける屈辱的な状態になりました。その中で中途半端な規模の内需をあてにせず、注力分野を絞り世界で勝つことを国民が決意したのだと思います。一方でギリシャの経済危機では国が破綻状態にあるにもかかわらず国民に危機感はなく、もっと自分たちの生活を良くしてほしいと要求するばかりに見えます。今財政危機にある日本は一体どちらに近いのか。

もっとそれぞれが自立して世界に出て戦わないと近いうちに本当に日本が破綻してしまう時期が来る可能性が高いと思っています。

私たちビジネスマンがすべきことはできる限りそのようなことが起こらないように、新しい産業を興し、世界に挑戦することです。そうすればより多くの企業や人が外向きの考え方を持つようになると思います。私たちのような会社が国外に出て活躍することができればもっとそれに続こうとする人たちが出てきてくれるかもしれないと思っています。そのためにも私たちは成功事例になりたい。メジャーリーグだって野茂が活躍したあとは次々と日本人が活躍し始めたし、サッカーでもカズが海外に挑戦したあと、ヨーロッパのメジャークラブに移籍をする選手が飛躍的に増えました。

もし本当に国が破綻してしまうようなことが起こってしまった場合にも、新しいものを作れる人材、そして世界で戦える人材がどれほどそのときにいるかということが国にとっての最後の財産になるのではないかと思っています。

Profile

1970年千葉県生まれ。
1994年学習院大学経済学部卒業後、大和証券株式会社に入社。1999年に株式会社インタースペース設立、代表取締役社長に就任。成果報酬型インターネット広告であるアフィリエイト事業「アクセストレード」およびリアル店舗型アフィリエイト事業「ストアフロントアフィリエイト」などを展開。そのほかにもメディア・コンテンツ事業としてママ向けコミュニティーサイト「ママスタジアム」や恋愛ゲーム等の運営なども行っている。

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