決済事業で積み上げた
ビッグデータを活かし、
業種の枠を越えた展開へ

株式会社ネットプロテクションズ

柴田 紳Shin Shibata

代表取締役社長CEO

「不可能」と言われたビジネスを、孤立無援でゼロから立ち上げ

今では当たり前になった「NP後払い」も、当初は誰もが「100%実現不可能」と口を揃えたという。なぜなら、未回収リスクをすべて飲む必要があるほか、時間と資金と忍耐を要する多数の課題があり、難易度が非常に高いビジネスモデルだからだ。

柴田とネットプロテクションズの関わりは、当時の親会社であるITX株式会社に柴田が転職したのがきっかけだ。当時のITXはベンチャー企業のM&Aや買収企業先での新規事業立ち上げなどを手がけていた。ネットプロテクションズの買収が決まったとき、柴田が取締役として出向を命じられたのだ。その頃、「成長意欲の塊だった」という柴田は勇んで引き受けたが、いざ現場に入ってみると、後払い決済事業は「アイデアがあるだけ」という実態が判明した。

既存社員は30~40代が中心で、弱冠26歳だった柴田への反発は強く、モチベーションも低い。柴田自身もITの理解が十分とは言えず、営業やマネジメントの経験もないという絶望的なスタートとなった。

それでも、すでに株主は億単位の投資をしており、「できません」では済まされない。自分なりに後払い決済の仕組みを整理して必要な業務を洗い出し、社員を割り振ってプロジェクトを進めようとした。しかし、自身の力不足もあり、周囲の協力は依然として得られない。時間的な制約もあるため、すべて1人でやるしか道はなかった。何度も心が折れかけたが、「自分が止まれば会社も終わる」。その一心で、歯を食いしばって踏みとどまった。

潮目が変わったのは、10億円以上もの赤字を出しながら苦難を耐え抜き、事業が黒字に転じた頃。向上心や達成意欲にあふれる仲間が集まり始め、不可能は可能になった。そのリターンの大きさは、同社の高い成長率が示すとおりだ。

今、さらなる飛躍の機運が訪れている。しかし、社員は増やしすぎず、厳選したいと柴田は考えている。

「例えば今、営業人員を増やせば、目先の利益はもっと上げられます。でも、長期的に考えると、ここで人を採用しすぎると組織の柔軟性が失われる危険があり、いずれ効率化や事業変換を図った際に役割を失う人が出てくる可能性もある。『若者』という社会的資本といえる人たちを迎え入れる以上、企業には育成の責任がある。一人ひとりのWILL(なりたい自分、やりたいこと)を実現させていけるような場と土台を提供しなければなりません。だからこそ、少数精鋭で、個々人の成長機会を確実に確保しながら、事業を成長させていきたいんです」

株式会社ネットプロテクションズ 代表取締役社長CEO 柴田 紳

Profile

1975年生まれ。福岡県出身。一橋大学社会学部を卒業。1998 年、日商岩井株式会社(現・双日株式会社)に入社。2001年、ITX 株式会社に転職。当時凋落の一途を辿っていた株式会社ネットプロテクションズの買収に携わり、出向。弱冠26 歳で企業再生というマイナスの状態から日本初の決済ソリューション「NP 後払い」を立ち上げる。2004 年4 月、同社の代表取締役社長に就任、同8 月、転籍。現在に至る。

Contact

株式会社ネットプロテクションズ

東京都中央区銀座1-10-6 銀座ファーストビル4F

https://corp.netprotections.com