ハローキティを世界的キャラに
押し上げた立役者
積み上げてきた経験と発想力を
サポートを求める人のために生かす
- 1.縁の積み重ねで多岐に渡る仕事を手がける
- 2.「父の死」により学びから離れ、「祖父の死」が学びへの意欲に
- 3.いまの延長線上にある「もっと濃い縁」を追っていく
縁の積み重ねで多岐に渡る仕事を手がける
「ほんの少し前まで、僕は普通のサラリーマンでした。いまの自分を改めて見直すと、我ながら変わったキャリアだなと思います」
三菱商事でエイベックスやローソンのメディアコンテンツビジネスに携わった後、ハーバードビジネススクールでMBAを取得。サンリオに入社し、ハローキティを世界へとはばたかせた華々しい経歴と、独立し多彩な仕事を同時進行させる現在を、鳩山玲人はそう話す。
鳩山の「いま」を一言で表現するのは難しい。株式会社鳩山総合研究所の代表取締役のほか、LINE、ピジョン、トランスコスモス3社の社外取締役、UUUMのアドバイザー、シリコンバレーのベンチャーキャピタル・SOZO VENTURESのベンチャーパートナーを務め、シリコンバレーと日本を往復する毎日だ。
鳩山が、現在手がけている仕事は大きく4つ。
1つ目は、鳩山の得意分野であるコンテンツビジネス。特に、日本のキャラクターやキャラクター企業を海外に広めるステージで力を発揮する。2つ目は、国内企業社外取締役やアドバイザーとして、グローバル化やガバナンスをサポートすること。3つ目は、SOZO VENTURESの投資先の中から将来性ある会社を見つけ、日本、もしくはアジアへの進出を助けるパートナー業務。SOZOは、Twitter創業者の一人であるジャック・ドーシー氏が設立したモバイル決済サービスのSquare、Skypeに代わるサービスとして注目されるWeb会議ソフトを提供するZoomをはじめ、仮想通貨取引所のcoinbase(コインベース)、サイバーセキュリティ事業のトップ企業・パランティアなどの国外展開に関わってきたVCだ。
そして4つ目は、グローバルビジネスのエキスパートとして海外展開の前段階にあるスタートアップに対するアドバイス。シリコンバレーのパロアルトに拠点を置き、月に2回ほどの来日を軸に、シンガポールや上海、イスラエルやロンドンなどを渡り歩く。なかでも、強みであるコンテンツビジネスを行う株式会社鳩山総合研究所では、海外進出をめざす日本のIT企業などに海外事業をどうマネタイズしていくか、どのようなマーケティングをすべきかといったアドバイスを行うことが多い。
「LINEやスナップチャットなどを効果的に使うデジタルマーケティングや、展開するキャラクター、サービスのブランドを確立するセレブリティマーケティングは、ハローキティのときにも戦略として使っていました。ライセンスをどうしていくかを含めてご相談いただくことが多いですね。前職で良い経験をさせていただいたおかげで、ノウハウを持っている日本人や企業が少ない部分でダイレクトにいろいろなお手伝いができています」
独立から2年で飛躍的に仕事が広がった理由を、鳩山は「すべて、縁によるもの」だという。自身が希望して始めた事業は、少なくともこの2年では1つもない。三菱商事時代の友人やハーバードの同級生からの紹介もあれば、サンリオでの実績を知ってアプローチしてきてくれた企業もある。
「幅広く手掛けているように見えますが、縁が重なって出会った方たちがいて、せっかくのご縁なら、とやらせていただいているだけ。これまでの人生で積み重ねてきた、いろいろなものが巡り巡って戻ってきているように感じています」
