「満室の神様」が挑む外国人向けマンスリーマンション事業

株式会社リノベーション21  代表取締役COO 麻生川直由

麻生川直由Naoyuki Asogawa

株式会社リノベーション21

代表取締役COO

2016.04.13

空室をなくし、物件の収益を上げる「満室の神様」

物件の価値を決めるのは収益力ですが、その収益力を阻害する一番の原因はなんといっても空室です。そして、空室を解消しようとするなら、物件の価値を向上させる必要があるでしょう。価値向上の手法はさまざまですが、なかでもリノベーションは欠かせません。

当社は、このリノベーションを得意としており、低コストで最大限の効果を上げるべく、ハード面だけではなく、雰囲気や香りといったソフト面も含め、さまざまな工夫を凝らしています。

当社が空室対策に力を入れるようになったのは、空室で困っているオーナーが来店し、「なんとかこの物件を埋めてほしい」と要望されることが非常に多かったためです。

私たちとしても管理費を上げるためには物件を満室にし、その状態を維持する必要があります。そこでさまざまなノウハウを駆使し、百発百中の勢いで入居者をつけられるようになりました。

自社で所有する6棟の賃貸住宅物件も、ほぼ満室。空室率にして5%もありません。購入した当時は、ほぼ空き物件の状態だったのですが、あらゆる工夫で満室にした経験を他の物件にも生かすことで、今では「満室の神様」と呼んでいただけるようになりました。

五感に働きかける空室対策

空室にエンドユーザーを呼び込むポイントは、「内覧した入居希望者がどう感じるか」。見た目ばかりでなく、対象となる物件が五感でどのようにとらえられるかが重要です。

たとえば、第一印象を決める外観やエントランスのリフォームに力を入れ、植物や柑橘類の香りを漂わせて清潔感を演出するといった具合です。

風水を取り入れるのも当社の特徴です。勘違いされている方も多いのですが、風水というのは、決して神がかり的なことではありません。カビの発生しやすいところに風を通しやすくしたり、自然に調和できるようなレイアウトを心がけたりと、生きていくうえで欠かせない知恵の集合体ともいえるもの。自然なかたちで取り入れています。

そして、リノベーションを行うにあたって必ず考えるのは、「改装にかけた費用をどれくらいの期間で回収できるのか」ということ。ほとんどの場合、かけたコストの10%以上は1年で確実に回収できます。

たとえば、ずっと空室だった1部屋に50万円かけたとしても、年間で家賃が5万円上がれば10%は達成できます。このように賃貸物件におけるリノベーション費用は、いったん入居者がつけば回収率が非常に高いのです。そのため、私はリノベーション費用への投資は積極的にするべきと考えています。空室の場合は0、入居者が入ったら100ですから。


書籍「空室が日本を救う!イノベーティブ企業22社からの提言 」から掲載】


Profile

2009年設立。賃貸、売買、仲介、リノベーション、マンション・ビル管理を扱う総合不動産会社です。なかでも空室対策を得意とし、対象となる物件と周辺の地域を徹底リサーチして最適なリノベーションを実施。内覧者の五感に訴えるさま
ざまな工夫を施し、早期に満室を達成しています。不動産仲介の会社をまわる「マイソクおばちゃん」などのユニークな対策でリーシングにも力を入れ、他社の賃貸物件にも対応。さらに、マンションの収益率を高めるマンスリーマンション
の運営代行も実施しています。管理物件数はわずか3年で700戸を超えるほどになり、今後は、訪日観光客や外国人労働者を対象としたマンスリーマンションの運営を確立し、インバウンド貢献を目指します。

関連書籍のご案内

書籍
「空室が日本を救う!イノベーティブ企業22社からの提言」

日本社会が抱える課題の一つに空き家、空きビルなどがある。この課題解決に必要なのが発想の転換、アイデアである。人口が減少し、若者たちのワーキングスタイルが変わりつつある今、スペースの用途を単に住まいやオフィスに限定する従来型の発想では、本当の意味での課題解決には結びつかない。外国人や企業、シングルマザーなど入居困難者や介護、保育、クラウドソーシングなどといった用途で空きスペースを必要とする人が増えている現状を鑑み、自由な発想でスペースを活用していく事こそが解決の糸口となる。そして、こうした取り組みは空室問題の解決だけではなく、女性就労や子育て支援、医療、介護、インバウンドなど、一見空室とは関連性がないようにも思える様々な日本の課題を一括して解決する可能性を秘めている。そこで、本書では画期的な発想で空室問題の解決にあたる20社の実例や知見、ビジネスモデルを紹介する。

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