公私にわたるパートナーとそれぞれの夢を追う
ICONIC co., ltd 取締役 長浜 みぎわ

ICONIC co., ltd

長浜 みぎわMigiwa Nagahama

取締役

人事労務コンサルティング部統括部長

2015.06.08

未知の場所に行くことに価値がある

当社は2008年5月にホーチミンで創業した、アジア発の独立系人材ベンチャー企業です。事業の柱となっているのは人材紹介事業と人事労務コンサルティング事業で、前者は採用フェーズに、後者は労務管理フェーズに対応した人材サービスです。私は後者の人事労務コンサルティング部門を統括しています。

創業社長の安倉宏明は私の夫であり、ビジネスパートナーです。新卒で入社した会社での同期で、同じチームで同じ釜の飯を食べた仲間でもあります。当時は私がフランチャイズ加盟店開発の営業を、安倉はそのバックでフランチャイズ化する業態を作り込む仕事をしていました。

安倉は学生時代からドラッカーに影響を受け、どこかに新卒入社して社会人を3年経験したら起業すると決めていました。ただどのような事業を選ぶかは未定でした。

一方、私には「アフリカで中小企業の経営支援をしたい」という夢があり、社会人3年目に青年海外協力隊プログラムに応募してウガンダへ赴任しました。

アフリカに行きたいと思ったきっかけは、ごく単純なものです。中学生の時に見たTV番組で、日本とかけ離れたカメルーンの様子に驚き「この目で見てみたい」と思いました。学校の図書館にあったアフリカコーナーの書籍をすべて読破して、さらに関心が高まりました。行ったことのある人が周りにすでにたくさんいる欧米諸国よりも、誰に聞いても分からないようなところに行くことにこそ価値があると思いました。

念願叶って赴任したウガンダで、私はプログラム・オフィサー隊員として活動しました。現地の職業訓練学校を訪問し、協力隊員の受け入れ先を開発することがミッションです。受け入れ先には住居を提供してもらうので、その負担をしてでも日本人に教わりたいのかをヒアリングして111校を回りました。協力隊員から学んだことを活かす働き口がそもそもあるのかという労働市場側の人材需要調査もしつつ、1年間の任期で17件ほど求人を作りました。

その1年間、安倉とはいわゆる遠距離恋愛で、よく1〜2時間の長電話をしました。私がウガンダに行って半年経った時点で彼は退職し、渡越しました。「どの分野で起業するにしても日本のマーケットは飽和状態なのだから、海外に出たほうがいい」と考えたからだそうです。身近な私から新興国の話を日常的に聞いていたことも、影響したようです。

行き先をベトナムにしたのは、知り合いがベトナムで事業展開していたからで、実際に視察に出かけてみてベトナムでの起業を心に決めました。1年間その会社の営業マンとしてベトナムの地場企業500社を訪問し、ネットワークを作ってニーズを掘り起こして、人材紹介サービスの会社を立ち上げたのです。

アジアの幸せワーキングママライフ

安倉が渡越した半年後、ウガンダから一旦日本に帰った私も後を追い、彼と結婚。そして日系金融機関に就職して法人営業職に就きました。

アイコニックの創業時は、私はジョインしていません。彼の起業と私の夢は別のもの、私が収入基盤を作れば、彼は心置きなく挑戦できるし私も自分の夢を追えると考えました。

私が入社してボードメンバーとなったのは、2010年です。私には「アフリカの中小企業を支援したい」という夢があり、彼の会社にジョインし一緒に会社を発展させていく延長線上に、アフリカ展開の思いを遂げられる可能性が見い出せたからです。

現在は2人の子どももできて4人家族となりました。2人目の出産は、入院当日の朝まで日本から遠隔で指示を出し、陣痛らしきものがやってきた時に「このまま私が連絡しない時は出産だから、1ヵ月ほど連絡が取れなくなる」と皆に伝えてから病院に向かいました。

子どもは2人とも日本での出産です。2人目の時は産後1ヵ月で赤ん坊と共にホーチミンに戻り、さらに1〜2週間経ったところで復帰しました。会社を休めたのは正味1ヵ月くらいです。

ベトナムの日々の生活はとてもラクです。ワーキングママをするなら絶対アジアがお薦めです。うちではフィリピン人のお手伝いさんが、毎日私が働きに出ている間中、家事や育児をしてくれていて、彼女がいるから私はバリバリ働けるのです。日本で同じことをしたら月に何十万もかかると思いますが、ここでは月に5万円程度の費用で済みます。

それに、働く女性に対する社会の目も温かいものです。私も子どもたちへの思いは強いのですが、そこに執着することなくひとりの人間として夢を追い続けられる土壌があります。出張で家を空ける時は罪悪感が生じますが、この国の人たちは「お母さんは働くものでしょ?」「子どもを人に預けて働いて、家庭を守って何が悪いの?」という感覚なので救われます。皆、子どもに対する許容範囲が広く、飲食店で多少騒いでも冷たい視線を受けることはありません。それどころか「ママとパパはご飯を食べているから、あなたはこっち」とお店の人が子どもと遊んでくれたりします。ベトナムでワーキングママをしていると、仕事と家庭を無理なく両立できることのありがたさをひしひしと感じます。若い頃から、「生涯働き続けたい」「世の中に対して価値を提供し続けたい」と思ってきました。それが無理なく実現できる環境です。

住環境も恵まれていて、100平方メートルクラスのアパートメントでも家賃は月に1000USドル程度、20万円もしません。一人暮らしの部下に聞くと、家具付きで光熱費込みのワンルームだと、家賃は月3〜4万円くらいのようです。通勤はバイクです。ホーチミンは交通渋滞が多く、車もバイクもそれほどスピードは出ないので意外と大きな交通事故が起きにくいのです。

長浜 みぎわ

Profile

1981年、北海道生まれ。
横浜国立大学教育人間学科部卒業後、日本およびフランスの中小企業を対象とする経営コンサルティング企業にて、新規事務領域の開拓支援を行う。2006年より青年海外協力隊プログラムオフィサー隊員としてウガンダにて民間職業訓練校における人材育成需要および労働市場で求められる人材需要に関する調査を実施。2007年に渡越後、三井住友銀行ホーチミン支店にて法人営業を担当。2010年よりICONIC取締役に就任し、ベトナム南部における人材紹介事業のマネジメントを経て、2013年よりICONICにとっての新規事業領域となる人事労務コンサルティング事業の立ち上げに従事。

Contact

ICONIC co., ltd

10F Citilight Tower, 45 Vo Thi Sau, Dakao Ward, Dist.1, HCMC
http://www.iconic-intl.com/

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