「デジタルデータソリュー
ションカンパニー」として
世界ナンバーワンへ

デジタルデータソリューション株式会社

熊谷 聖司Masashi Kumagai

代表取締役社長

「理念」を持った人材を育成し、世界ナンバーワンを目指す

そして、この時期、熊谷が見つめていたのは数字だけではなく「人」だった。数字を作るのも会社の雰囲気を作るのも「人」。「会社は人がすべてだ」と実感した。

スキルを高め、成果を挙げたとしても、「企業理念」「経営理念」を守らないメンバーがいれば会社はいずれ滅びると、熊谷は考えている。マーケティングより、戦略より、理念を社内に浸透させることが最優先課題なのだという。

そこで熊谷は1年を費やして経営理念手帳「DDS WAY」を作成し、社員に配布した。

手帳は100ページ以上にも及ぶが、根幹の理念とは「変化する社会環境に応じ、お客様の問題解決に役立つサービスの提供を通して社会の発展に貢献する」「私たちと関わりのあるすべての人たちに常に誠実に接し続ける」というものだ。

標語を掲げ、手帳を配るだけではない。熊谷は数人ずつ社員を集め、書かれている理念について「つまりはどういうことか」を丁寧に解説する。「変化する社会環境」というが、「では、実際にどんな環境変化が起きているか」の具体例を挙げる。自身の想いを一方的に伝えるだけでなく、メンバーの考えも聞いて議論を行う。

こうして理念の共有に力を入れた結果、離職率も大きく低下したという。

もちろん、理念を実現するための知識、技術の向上も同時に進める。技術部門では、エンジニアと共に世界中をまわり、世界トップクラスの技術者との交流を深めている。

「まずは自分の中に理念を持ち、その実現に向けてスキルを習得し、失敗を恐れず挑戦する。その実践を促すことで、メンバーを成長させ、会社も成長させていきます」

これから迎えるメンバーは、総合職として入社し、研修後、適性に応じてさまざまな部署に配属される。その後もジョブローテーションによりキャリアチェンジが可能。実際、文系出身の社員が最初は営業を担当したものの成果が出せず、技術部門に異動し、現在はトップクラスのエンジニアとして活躍している例がある。一方、エンジニアからキャリアをスタートし、今では次世代技術を活用した新規事業の立ち上げに一役買う者もいる。

事業やサービスの開発だけでなく、個々のメンバーのキャリア形成においても「チャレンジ」を推奨される環境といえるだろう。

デジタルデータソリューションは、常に新規ビジネスの可能性を探っている会社だ。時間をかけて事業計画を練るというより、「なんかいけそうじゃん。やってみようよ」といったように、朝に発案されたものがその夜には動き出すという。

「当社の方針として『やって失敗する』のはOKなんです。失敗を恐れてやらないのはNG。やって失敗して怒られたり評価が下がったりした人は1人もいません。自分のアイデアを持ってどんどん挑戦していきたい人には、おもしろい環境だと思います」

現在も、数々の新規事業が立ち上がっている。それらはすべて海外展開を視野に入れている。今、掲げるビジョンは「世界ナンバーワンのデジタルデータソリューションカンパニー」になることだ。

まずはアジアを中心に展開し、その後ヨーロッパ、北米に進出するか、あるいは最初から北米市場を狙うか――2年後を目途として戦略を練っている。

「2026年には世界トップシェア、売上高1000億円を目指し計画を実行していきます。国内で多くのお客様に喜ばれてきたように、世界でさらに多くのお客様を助けられる存在になりたいですね」

デジタルデータソリューション株式会社 代表取締役社長 熊谷 聖司

インタビュアーの目線

自身を「弱虫で臆病」と認めつつも、幅広い経営理論と数値分析力を武器にして大胆なチャレンジをする一面も持ち合わせている。デジタルデータの技術を磨き上げる一方で、一人ひとりと膝を付き合わせて「言葉」を交わす時間を大切にする――その資質と行動の多面性こそが、成長をけん引しているカギなのではないかと感じました。

インタビュー・編集/青木典子 撮影/出島悠宇

 

書籍「一生モノのキャリアを身に付けよう ─ AIやロボットに負けない「あなたの価値」を築く働き方 (2017年04月13日 第1刷発行)」から掲載】

Profile

1976年生まれ。専門学校を卒業後、設計事務所勤務を経てIT通信系企業に転職。入社1ヵ月目でトップセールスを記録する。2000年、同僚が立ち上げたデジタルデータソリューション株式会社に参画し、2003年、役員に就任。2004年にデータ復旧事業(ブランド名:デジタルデータリカバリー)の立ち上げを行う。近隣アジア諸国やヨーロッパ・北米のデータ復旧企業や、研究者と共に技術開発に取り組み、過去10ヵ国へ計10回以上赴き、デジタルデータリカバリーの技術向上に注力した。

2014年9月にデジタルデータソリューション株式会社代表取締役社長に就任。

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デジタルデータソリューション株式会社

東京都中央区銀座7-13-12 サクセス銀座7ビル 6F

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