空室活用はポストオリンピック社会に向けたリスクヘッジ

株式会社全国空室対策協議会

谷 正男Masao Tani

代表取締役社長

賃貸・売買可能な空き家は460万戸

現在、全国には空き家が820万戸もあり、大きな社会問題となっています。

その改善を図るべく、2015年5月、「空き家対策特別措置法」が施行されました。この法律の骨子は、電気、水道、ガスなどの数字を現認し、明らかに住んでいないと判断できる危険な家屋は、行政代執行による強制撤去を可能とするというものです。

なぜ、このような法律が施行されたのかというと、老朽化が進行し、倒壊寸前になっている空き家が増え続けているからです。というのも、じつは、家屋が建っている土地は、更地に比べて固定資産税が最大6分の1になるという優遇措置を受けられます。そのため、実際には住んでいない古い家屋を「住んでいる」と言い張って放置する家主は多く、それに対して、これまでは、行政も手出しできなかったのです。こうした空き家は全国に320万戸ほどあり、同法の施行によって、空き家の解消・処分につながるのではないかと期待されています。

しかし、問題なのは、人口減少、老朽化、駅から遠いなど、さまざまな理由から借り手がつかない賃貸住宅429万戸と中古売買住宅31万戸、合わせて460万戸の賃貸・売買可能な空き家に関する対策が置き去りにされているということです。

これだけある空き家を、うまく活用しない手はありません。たとえば、本書にも登場する、定住が難しい人たちに空き家を提供する事業もその一つ。対象者はシングルマザーや外国人などです。彼らは固定収入がなかったり、生活文化が違うことからオーナーが入居を嫌がることが多く、なかなか賃貸住宅を借りられません。そのような人々に、空き家をシェアハウスなどとして利用してもらうというビジネスモデルです。そのほか、フリースペースとして時間貸しするというサービスも人気を集めています。

空き家を施設やサービスとして活用し、収益を得るというやり方は、まさに民間ならでは。法を整備する国にはない発想でしょう。

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Profile

大手不動産仲介会社(取締役営業部長)を経て1998年、不動産ベンチャー企業を創業。3年間
で営業50名体制を築く。2000年、同社のマーケティング担当部門として「アットオフィス」を設立。2003年に顧客CTIシステム、2006年に物件CTIシステム「1DAYUPシステム」(特許申請)、2007年にメール物件紹介システム「ビルケンドットコム」などのシステムを開発。営業教育カリキュラムはのべ500名以上の受講実績がある。得意分野はシステム開発、営業教育、マーケティング。2012年、「全国空室対策協議会」を立ち上げ、空き家・空きビルを、医療や介護、育児、学童保育などが融合する「社会福祉モール」として活用するプロジェクト「リノビル計画」に注力する。

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