地域のニーズを踏まえて
お寺を再生。
人と人をつなげることで
お寺の存在意義を拡大する

株式会社唯

池谷 正明Masaaki Iketani

代表取締役

人と人をつなげる仕組みづくりでお寺を変え、価値向上を図る

2017年、池谷は帰国して株式会社唯を立ち上げ、さっそくお寺のサポートを開始。都内のお寺で、通夜・葬儀の際に住職に帯同する役僧として従事するとともに、ホームページや寺の広報誌の作成などに取り組んだ。
そこで気付いたのは、一般の人にとってお寺は墓参りのために来る場所であり、自分から僧侶に話しかけたり、何かを相談したりする人はほとんどいないということだった。ならば、こちらからコミュニケーションをとろうと考え、門の前に立って声をかけるようにしたところ、次第に心を開いて会話に応じてくれる人が増えていったという。

「役僧や小僧がいっぱいいるお寺なら、忙しい住職に代わってコミュニケーションをとることができますが、一人で切り盛りしているお寺ではそうはいきません。必然的に参拝する人とのつながりは薄くなり、住職やお寺に親しみを持つ人も減ってしまうわけです。1年間勤めさせていただいて、檀家さんをはじめお寺にお参りする人と住職がこれからどういう道へ進まなければならないのか、そのためにお寺が市民のために何をすべきか、という道筋がはっきり見えてきました」

今後は、依頼があったお寺の一員としてその価値を探りながら、地域に求められるお寺として再生を支援していく考えだ。まずは、僧侶の情報を集めたメディアをつくり、彼らが日々の活動で大切にしていることや地域への思いを発信する。さらに、メディアに返ってきた一般の人の声を集め、社会に求められるお寺作りを目指していく。

「お寺が持つ願いの場、先祖を敬う場としての存在意義はしっかり残しつつ、もっと気軽に人が集まって話し合える場所にできたらいいと思っています。人と人とをつなげる仕組みをつくってお寺を変え、お寺の価値を向上させていきたいですね」

インタビュアーの目線

マインドフルネスや瞑想、禅などが持てはやされるストレス社会の現代。TV局やブランドエージェンシーの経験を持ちながら、自らも僧侶資格を持つ池谷さんが仏教界に新しい価値を吹き込むことで、日本中のお寺が人の心を癒し、正しいあり方を示す場になればと思いました。どこまでも謙虚なその姿勢がきっと多くのお寺に受け入れられ、社会との橋渡しになってくれることでしょう。

インタビュー・編集/垣畑光哉藤巻史
撮影/鈴木愛子

Profile

1975年、神戸市にある寺の次男として生まれる。大学卒業後は福岡のテレビ局に入社し、広告営業を経験。14年間勤めたのち、ベトナムの広告制作会社に転職し、在越日系企業のブランディングに従事。2017年に帰国し、株式会社唯を設立。都内の寺院の広報担当として雑誌社やライター、一流企業の経営者と住職の協業企画を実施した。現在、宗派問わず寺院や僧侶のマーケティング活動や業務支援をサポートしている。

Contact

株式会社唯

東京都大田区東蒲田2-20-2
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