地域のニーズを踏まえて
お寺を再生。
人と人をつなげることで
お寺の存在意義を拡大する

株式会社唯

池谷 正明Masaaki Iketani

代表取締役

人のために動ける仕事を目指して、お寺の広報へ

2008年、リーマンショックが起きて業績が大きく落ち込み、上司や同僚の顔が次第に暗く沈むようになった。自分を含めた多くの社員が仕事や取引先の愚痴を言いながら働いていることに気づいたとき、池谷は「せっかく働くなら人に感謝されたいし、仕事に時間を費やした分、自分も幸せになりたい」と感じ始めたという。

転職のきっかけが生まれたのは、海外旅行ついでに自局の番組を英語でプレゼンテーションしていたとき。日本語の通じない国でも多くの人から「面白い」と言ってもらえた。それは「番組のコンセプトをしっかり伝えられたから」だと感じたという。

これからは、コンセプトから自分の言葉で作る仕事がしてみたい。そんな池谷の想いを知った同期が紹介してくれたのが、大手広告代理店ベトナム拠点での営業部長としての募集だった。一念発起してベトナムへ飛んだ池谷は、広告制作の上流工程を担うことになる。大手メーカーの新商品発売に合わせてキービジュアルを作り、メッセージを込めたポスターやテレビCMなどに落とし込んでいく仕事だ。

「専門用語の壁はもちろん、これまで自分が伝えてきたものは上辺だけだったという現実にもぶち当たりました。クライアントが自社の商品やサービスに込めた想いを真に理解せず、ただ人に伝えるだけの仕事をしていたのだと痛感しましたね。この商品のキーメッセージは何か。それを誰に伝えて、どう動いてほしいのかがわかっていなければ広告は作れないことを改めて知りました」

ベトナムで働く決意をしたとき、結果が出せても出せなくても、3年で次のステップに進もうと決めていた。3年目にあたる2016年、ハノイの町を歩いていた池谷は、生きることを心から楽しむベトナム人の陽気さと明るさから学んだことを日本に持ち帰り、誰かのためになるような仕事がしたいと思い立つ。時を同じくして、僧侶仲間から「東京のお寺で、広報を手伝ってほしい」という依頼が舞い込んだ。

「休暇を使って帰国し、住職一人でやっているお寺を訪ねて、課題をヒアリングしました。すると、今やお寺は、存在を自ら発信しないと誰にも気付いてもらえない存在になっているというんですね。僧侶を葬儀に派遣するサービスが広まり、お寺を持たなくても僧侶としてビジネスができる環境になりつつあって、お寺を守る住職として危機感を覚えていると聞いて驚きました。そこで、お寺の存在を知ってもらい、そこに足を運んでもらう活動をしましょうと提案したんです」

Profile

1975年、神戸市にある寺の次男として生まれる。大学卒業後は福岡のテレビ局に入社し、広告営業を経験。14年間勤めたのち、ベトナムの広告制作会社に転職し、在越日系企業のブランディングに従事。2017年に帰国し、株式会社唯を設立。都内の寺院の広報担当として雑誌社やライター、一流企業の経営者と住職の協業企画を実施した。現在、宗派問わず寺院や僧侶のマーケティング活動や業務支援をサポートしている。

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株式会社唯

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