なぜ70%の企業がIPOに失敗するのか。

 

谷間 真Makoto Tanima

IPOスペシャリスト・公認会計士

IPOプロジェクト全体を見渡せる人材の必要性

2007年まで日本国内で100社以上の企業がIPOをしていたものの、株式市場の低迷、ライブドア事件、コンプライアンス強化の風潮、審査の厳格化などの影響によって、2008年に半減、さらに2009年には19社とどん底まで落ち、IPO業界自体が縮小していたのだ。

その結果、谷間が2004年から取締役として経営参画してきた外食企業の株式会社バルニバービのIPOを2015年に手掛けることになったとき、IPOプロジェクト全体を見渡せる人材が証券会社にも、監査法人にもまともに見つけられないという有り様になっていた。市場の空白が、人材の育成に歯止めをかけてしまったのだ。

谷間が『IPOビジネスの本質 なぜ70%の企業がIPOに失敗するのか』(リスンライブラリー)の出版を決意したのは、このことがきっかけだ。

「IPOに成功した企業の共通点として挙げられるのは、会社のレベルが上がって社員一人ひとりの間に活気が芽生えることです。これを経験した経営者も、大きな達成感を味わうとともに、どんな会社にすべきかという事業の本質を見極められるようになる。こうして株式市場、ひいては社会から求められる企業を少しでも多く増やしていきたい。それが私の1度きりの人生のテーマです」

インタビュアーの目線

「IPOとはマーケティング。だからこそ企業は多くの共感を得られるコーポレートストーリーを描く必要がある」と語る谷間さん。これまで、マニュアルや学術書の類であることが多かったIPO関連書籍に対し、本著はIPOの入口からゴールまでを極めて現場主義的に、時に情緒的に綴ったストーリーです。IPOを目指す経営者やIPOビジネス関係者はもちろん、IPOを考えていない方にも一読をおすすめします。(リスナーズ株式会社 垣畑光哉)

書籍「IPOビジネスの本質 」から掲載】

Profile

1971年兵庫県生まれ。
京都大学在学中20歳で公認会計士試験に合格し、26歳で初のIPOを経験。その後、28歳から20社以上のベンチャー企業の取締役・監査役・アドバイザーとして経営参画し、2003年から2005年の間に4社のIPOを成功させる。2005年からは上場企業の代表取締役を務めた経験も有している。2013年より41歳で再度IPOビジネスに復帰し、2015年バルニバービ、2016年キャリアの東証マザーズ上場に相次いで成功。独自の視点での戦略立案と論理展開、公認会計士としての専門的知識、経営者経験に裏付けられた指導力、豊富なIPO実績がなせる証券会社との交渉力により、現在のIPO業界で数少ないスペシャリストの一人として、数々のIPOプロジェクトを手掛けている。