「再びできるように なりたい」を実現する コンサルティングで、 超高齢社会を支える

株式会社メディケア―

後藤康太Kouta Goto

代表取締役社長

社員が「主役」になれる力を持てるよう、教育にコストを投入

現在、後藤が力を入れるのが「教育」だ。若手から経営幹部まで、外部の専門家による高度な研修プログラムを利用。多大なコストを投じている。

「市場が成長し続けることはない。同じことだけ続けていても、いずれ壁にぶつかる。会社が発展し続けるためには、新しいことにチャレンジしていかなければならない。そのために必要な力を社員が身に付けられるようお膳立てするのが、社長の役割だと思います」

ときには、1週間泊まり込みの研修にも社員も送り出す。それだけの時間、現場で働いてもらえば会社の売上は上がる。しかし中長期視点で考え、後藤は教育を優先する。

幹部候補メンバーは、年間約60日、「経営」を学ぶ外部研修を受講。修了後、自社の5期分ほどの決算書を見せて分析してもらい、今後のビジョンを相談する。

「自分には『こだわり』がない」と後藤は言う。「これは社長である自分の仕事だ」などと抱え込むことをしないのだ。経営に大きな影響を与える重要な判断も、社員たちに任せてしまう。現在、神奈川と東京に12以上の拠点を展開しているが、それらの新規出店時の立地も物件も、すべて社員が決めた。

「それぞれ自分の人生、自分が主役。会社においても主役は自分。一人ひとりが自然と主役になれる環境をつくることが大切なのかな、と思ってます」

後藤の目は、すでに40~50年先に向けられている。現在の事業に関する施策は社員に任せ、自身は新規事業の可能性を探り、すでに着手もしている。

例えば、アクティブシニアを対象とした「予防運動サービス」。スタートから4年、依頼は3800回を超え、体験者はのべ5万人に達する。この顧客データベースを活かせば、さらに新たな事業展開が可能だ。現在、さまざまな企業と組んで、アクティブシニアの暮らしをサポートするプラットフォームを構築中。また、認知症の新薬の臨床試験を行う会社と治験協力者を結び付けるサービスも視野に入れている。

このほか、福祉用具のコンサルティングサービスのノウハウを、今後高齢化が進む中国・韓国・台湾などに輸出し、FC展開する道も検討中だ。

「まだまだ形になっていないけれど、ワクワクするような新しい舞台に、社員たちを主役として立たせてやりたいですね。そして、高齢者を支援する事業で挙げた収益を、未来の子どもたちへ還元したいとも考えています」

後藤は、障がいを持つ子どもが放課後や学校休業日に通う「放課後等デイサービス」の運営にも携わっている。そして、そこを巣立つ18歳以上のメンバーがしっかり自立して社会で働ける仕組みを構築していきたいと考えている。

「日本を支えてきた高齢者から、これからの日本を支える子どもたちへ。世代をつなぐ架け橋になりたいと思います」

株式会社メディケア― 代表取締役社長 後藤康太

インタビュアーの目線

飲み歩いてばかりで全然仕事をしていない…とうそぶいていたかと思えば、ふと真面目な顔をして会社の未来を語る後藤社長。取材中、9割方は冗談めかして笑い飛ばす中で、1割見せる「本気」に惹きつけられます。何かと厳しい話題の多い介護業界において、同社が好調を維持しているのも、後藤社長が持ち前の柔軟さで、市場の常識にとらわれない采配を振るわれてきたからではないでしょうか。

インタビュー・編集/青木典子 撮影/後藤敦司

書籍「インターン・新卒採用の注目企業 」から掲載】

Profile

1973年、神奈川県横浜市出身。催事事業の経営を経て、ベッドメーカーに入社。約6年で当初の25名規模から220名規模へ拡大する過程で、営業、マネジャーを務める。30歳のとき、実家が経営する株式会社メディケア―に入社。37歳のとき、代表取締役に就任。以来、M&Aによる規模拡大、事業所の新規開設を進め、現在12事業所を展開。高齢者へのサービスを事業とする中で、利益の一部を未来の子供たちを支援する活動にあてたいという想いから、発達に関する障がいのある子どもやその家族を支援する「放課後等デイサービス NEST」、障がいを持つ子どもたちにサーフィンを教える「Ocean’s Love」など、幅広い支援活動を行っている。

Contact

株式会社メディケア―

神奈川県藤沢市藤沢1027

http://mc-tehart.com/